R8から左に折れ、旧国鉄:北陸本線の難所「柳ケ瀬トンネル」を「タイムトンネル」として抜ける。
北国街道「木ノ本」の街道とJR木ノ本駅の丁度、間に位置する「現:江北図書館」
木造2階建ての洋館で一説では「ヴォーリズ建築」では?との噂もあるものの私的には違うように観える。
元は「伊香農業協同組合」の建物であったらしく、玄関の下足箱は当時の物と思われる。
現在は全国的にも珍しい「私立(私設)図書館(公益財団法人:江北図書館)」として余生を送っている状態。
当時の商業建築の特徴でもある木造梁型を漆喰で装飾塗りした部分が見受けられる。
事務所廊下の床のアピトンフローリング独特のギシギシ音を響かせ歩き、突き当りの階段から
普段は立ち入り禁止の2階部分へ図書館司書の方の許可を頂き上がらせて頂く。
古い縁無し畳敷きの大講堂も多分、当時のままと思われる。(写真のゴザの下も全て古い畳敷き)
何故、縁無し畳なのか・・・。琉球地方でもないので柔道場?
そんな想像を膨らませるだけでも面白い。。。
しかし、その想像でしか語れない理由は、この建物の資料がまったく無いが故。
(建物的には昭和初期と思われるのですが・・・)
下の竣工(功)写真は現存するものの、いつ?誰の設計で誰が工事を請け負ったのか?
何も残されてないと言う。。。
それに、この祝竣功写真。農協の「農の字も」観えないところも不思議で、現在も建物に掲げられている
「伊香相救社」の看板と相まって、何処か不思議な時代にタイムトンネルを抜けて来たような気がした
木造校舎の旅(超番外編)現:江北図書館。。。
因みに「旧 伊香郡」の町史については「余呉町」以外、ここ「木ノ本町」や「高月町」等の資料は
残されて無いとされていたり、有ったとしても整理がされていないのが現状らしい。
明治中期にこの地方を襲った水害を機に郡民全てが出資し、被災者や恵まれない家庭を
救済する目的で創られたとされる、社会保障結社(機関)「伊香相救社」(平成22年解散)に
ついての資料も乏しい。。。