ウェブサイトに「花ひらいて」の画像があったので、借りてきてご紹介します。この作品の大きさは80㎝四方位あって、クレーとしては大きい方。この画像ではなかなか絵のよさは伝わりにくいと思いますが、実物を見ていると色彩と色彩が呼応し合い、目の動きとともに運動性が産まれて、絵がハーモニーを奏で始めます。色彩がリズミカルな響きを上げ、どこまでも広がってゆくようなイメージ。色彩の色合いによることはもちろんですが、方陣は定規で引いたような直線ではなくて形もいびつなことも絵から温もりを感じる所以でしょう。
京都で開催されていた「パウル・クレー おわらないアトリエ展」が、ようやく東京にやってきたので早速昨日見に行きました(7月31日まで)。早く来ないかと首を長くして待っていた展覧会。意外なことに東京国立近代美術館でクレー展を行うのは初めてのことだそうです。土曜日なので混雑が心配でしたが、思ったほどの混雑ではなく落ち着いて鑑賞できました。昨日行ったのはクレー研究者による講演もあったからです。
展示点数は約180点ということでしたが、素描も結構多かったので、彩色された作品点数は、この内の2/3ほどだったでしょうか。2年前にBunkamuraで見たクレー展は点数が少なく物足りなかったのですが、今回はクレーの世界を満喫できて充足の一日でした。クレーの作品の中でも指折りの傑作と言えるのではないかという作品もあって、その中でも私が特別気に入ったのは「花ひらいて」(1934年)と「幻想的なフローラ」(1922年)の2点。しばらく絵の前から動けなくなって見ていましたが、他の絵を観た後も何度もこの絵の前に戻ってきて眺めていました。他にも何点か繰り返し足を運んで鑑賞したお気に入りの絵があって、昼食を摂ることなく午後の講演に突入。クレーはなかなか一筋縄ではゆかない画家ですが、この講演を聴くとあらためてその感を強くしました。
この後は常設展を駆け足で見ましたが、クレーと同時代を生きた下村観山の絵を見ると、あまりの質の違いにそれぞれの画家の個性の違い、絵で表現しようとしたことの違いを強く意識せざるをえません。この他、ニコンから寄贈されたという奈良原一高の写真なども見て、美術館を出たのは4時近くになっていて6時間たっていました。
展示点数は約180点ということでしたが、素描も結構多かったので、彩色された作品点数は、この内の2/3ほどだったでしょうか。2年前にBunkamuraで見たクレー展は点数が少なく物足りなかったのですが、今回はクレーの世界を満喫できて充足の一日でした。クレーの作品の中でも指折りの傑作と言えるのではないかという作品もあって、その中でも私が特別気に入ったのは「花ひらいて」(1934年)と「幻想的なフローラ」(1922年)の2点。しばらく絵の前から動けなくなって見ていましたが、他の絵を観た後も何度もこの絵の前に戻ってきて眺めていました。他にも何点か繰り返し足を運んで鑑賞したお気に入りの絵があって、昼食を摂ることなく午後の講演に突入。クレーはなかなか一筋縄ではゆかない画家ですが、この講演を聴くとあらためてその感を強くしました。
この後は常設展を駆け足で見ましたが、クレーと同時代を生きた下村観山の絵を見ると、あまりの質の違いにそれぞれの画家の個性の違い、絵で表現しようとしたことの違いを強く意識せざるをえません。この他、ニコンから寄贈されたという奈良原一高の写真なども見て、美術館を出たのは4時近くになっていて6時間たっていました。