Enoの音楽日記

オペラ、コンサートを中心に、日々の感想を記します。

週末の二つの演奏会

2012年09月24日 | 音楽
 先週の土曜日は演奏会を二つかけもちした。3時からはN響の定期、6時からは日本フィルの横浜定期。さらに友人が上京したので、9時に品川で待ち合わせた。というわけで、珍しく忙しい週末だった。

 N響はレナード・スラットキンの指揮でリャードフの「8つのロシア民謡」とショスタコーヴィチの交響曲第7番「レニングラード」。リャードフの曲は知らなかったが、ナクソス・ミュージック・ライブラリーを検索したら、ちゃんと載っていた。素朴ないい曲だ。N響の演奏もよかった。これらの8つの小品を正しく紹介します、といっているような演奏だった。

 ショスタコーヴィチの交響曲第7番「レニングラード」も、曲の規模や性格はまるでちがうが、リャードフと共通性のある演奏だった。熱狂とは無縁の、スコアをあるがままに再現した演奏、といえばよいか。こういう演奏で聴くと、例の第1楽章展開部の「ボレロ」のパロディーといわれている部分が、なるほどパロディーだと思われ、他の部分にもパロディーが隠されているのではないかという気がした。

 スラットキンは、今まで切れ目なく欧米の主要なオーケストラの音楽監督・首席指揮者を務めている指揮者だけあって、オーケストラを破たんなくまとめていたが、それ以上の発見はなかった。

 終演後、横浜へ。渋谷からは東横線で一本なので便利だ。6時開演の日本フィル横浜定期に十分間に合った。

 横浜定期は三ツ橋敬子の指揮。最近よく見かける名前だが、わたしは初めてだ。プログラムはオール・ベートーヴェン・プロ。1曲目は「プロメテウスの創造物」序曲。さっそうとした指揮ぶりだ。出てくる音楽も歯切れがいい。しかも前のめりにならずに、しっかり聴かせてくれる。好調なスタートだ。

 2曲目はピアノ協奏曲第5番「皇帝」。ピアノ独奏は中村紘子。大変な人気だが、失礼ながらもう第一線の演奏家とはいいかねるようだ。最後は交響曲第5番「運命」。これも1曲目と同様、しっかり聴かせてくれた。三ツ橋敬子は、たとえばシモーネ・ヤングのような男勝りのタイプでもなく、西本智美のような女性的なタイプでもなく、いわば自然体のように見えた。イタリア在住とのこと。彼の地でその才能を伸ばしてもらいたい。

 アンコールがあるようだったが、一路、品川へ。待ち合わせの時間に余裕で間に合って友人とビールで乾杯。
(2012.9.22.NHKホール/横浜みなとみらいホール)
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