Enoの音楽日記

オペラ、コンサートを中心に、日々の感想を記します。

ベルリンの壁

2013年03月25日 | 身辺雑記
 ベルリンのイーストサイド・ギャラリー(ベルリンの壁の一部。今は無数のカラフルな落書きで埋め尽くされています。)が、住宅建設のために一部取り壊されることになり、反対デモが起きていることが報道されています。その記事を読みながら、2月初めに当地を訪れたことを想い出しました。

 イーストサイド・ギャラリーには行きませんでしたが、東西ドイツの検問所「チェックポイント・チャーリー」を訪れました。何年も前に一度訪れたことがあります。今回思うところあって、再び訪れました。ちょうど地元の中学生(?)の集団が到着したところで、ごった返していました。

 展示室を回っていると、日本語が聞こえてきました。ツァーの人たちです。ドイツ人と思しき中年女性が流暢な日本語で解説しています。なるほど、観光コースに入っているのか、と感心しました。

 なぜチェックポイント・チャーリーを訪れたかというと、ベルリンを一周する環状線(東京の山手線のようなもの)に乗っているうちに、「ベルリンの壁があった頃は、途中で分断されていて、こんな風に一周することはできなかったんだな」と思ったからです。

 壁の崩壊から20年あまり、「今いる年配の人たちは、壁のある生活を経験しているんだ――。逆に壁を知らない若い人たちも増えているんだな」と思ったら、チェックポイント・チャーリーを再訪したくなったのです。

 展示室はあまり変わっていませんでした。変わるもよし、変わらぬもよし。一通り見て回ってから外に出ました。ブランデンブルク門まで歩こうと思ったら、見覚えのない黒いガスタンクのようなものがありました。なんだろうと思ったら、パノラマと書いてあります。壁のあった時代を模擬体験する施設のようです。入場料10ユーロ(約1,000円)は高いなと思いましたが、だまされたと思って入ってみました。

 これが意外に面白かったのです。壁の手前から東ベルリン側を見るという想定のもとで、日の出から日没までの時間の推移があり、今まさにそこにいるような感覚を味わえます。車のクラクションなどの生活音が好ましく、壁があった当時も今と変わらない日常生活があったのだという感慨に浸りました。

 実際の壁を見たくなって、近くの「テロのトポグラフィー」に行きました。なんとそこは近代的な建物に生まれ変わっていました。入場無料のその建物では、ナチスの台頭から近隣諸国への侵略、そして崩壊までの歴史が展示されていました。

↓イーストサイド・ギャラリーの撤去問題
http://www.afpbb.com/article/life-culture/culture-arts/2931765/10373122
http://www.afpbb.com/article/entertainment/news-entertainment/2934448/10455368
コメント
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