Enoの音楽日記

オペラ、コンサートを中心に、日々の感想を記します。

晩秋の徳本峠

2018年10月30日 | 身辺雑記
 友人夫婦とわたしたち夫婦とで徳本峠(とくごうとうげ)に行ってきた。徳本峠は上高地に入る旧道。今ではバスで新島々から上高地に入るが、昔はバスが通っていなかったので、徒歩で徳本峠を越えて上高地に入った。その旧道は今でも残っていて、山好きの人々に歩かれている。

 わたしたちはバスで上高地に入り、明神に1泊してから、翌日徳本峠を越えて島々に下った。上高地に入ったのは10月28日。当日は快晴で、穂高連峰がよく見えた。数日前に西穂高岳から奥穂高岳に向かう稜線上で遭難事故があったが、その稜線は白く雪がついていた。

 明神の宿は今では山小屋というよりも、旅館というほうがふさわしくなった。宿に着いたのは午後2時頃。夕食までには時間があるので、徳沢まで散策した。片道1時間ほどの距離。歩いていると暖かかったが、明神に戻った頃には薄暗くなって、空気も冷たくなった。

 夕食後、食堂でビールを飲みながら、友人と語り合った。その友人は仕事仲間だが、働いている場所が違ったので、今までゆっくり話したことがなかった。友人は生い立ちのことから始まって、その関係で差別を受けたこと、そのため差別反対が信条であることを熱く語った。

 翌朝は午前6時出発。曇り空のため、まだ暗かったが、歩いているうちに明るくなった。時々小雨が降ってきたが、雨具を着るほどではなかった。2時間ほどで徳本峠着。展望はまったくなく、強風が吹いていたので、すぐ下山にかかった。山小屋が開いていれば、中に入ってコーヒーでも飲みたかったが、残念ながら今年の営業を終えていた。

 下山路は風がなく、曇り空ではあったが、穏やかな天気だった。木々はすっかり葉を落とし、冬枯れの風景だったが、そのため見通しがよく、葉の茂っている季節には見えない風景が見えた。

 途中からは黄葉に次ぐ黄葉。秋まっさかりの山を堪能した。同行した友人夫婦は山の大ベテランだが、このコースは初めてで、歓声をあげて喜んでいた。写真(↑)はその途中で写したもの(登山道はこのように谷筋の沢沿いについている)。

 島々のバス停に着いたのは午後3時40分頃。わずか数分の差でバスが行った後だった。次のバスまで30分ほど待たなければならなかったが、幸いタクシーが通りかかったので、それに乗って松本へ。帰りの電車では、周りの乗客に気をつかいながら、静かに大人しく、ビールで乾杯した。
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