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平成エンタメ研究所

最近は政治ブログのようになって来ました。世を憂う日々。悪くなっていく社会にひと言。

プロ野球しぐさの深読み心理学 ①

2006年10月22日 | スポーツ
 「プロ野球しぐさの深読み心理学」(新構社)では、行動心理学者が野球を論じている。
 バッターとピッチャーが一対一で対峙・対決する野球には「間合い」があり、見ている者は選手の心理を読みやすい。
 それは滅多に動きがストップすることがないサッカーやバスケットボールとは大きな違いだ。
 おじさんたちに喜ばれるのもそのためだろう。

 さてまずはピッチャーの心理学から。
 ピッチャーはプライドが高くて負けん気が強いというのはよく言われることだ。
 最近のピッチャーでは西武の松坂。
 2死、三振を取ってマウンドを去る時のふてぶてしい表情。
 ピッチャーのプライドの現れそのものだ。
 それゆえマナーも悪い。
 現役時代の星野仙一は巨人に完投勝利した時は「それでもおまえら巨人か。俺はまだ10回でも投げられるぞ」と巨人ベンチに向かって叫んだらしいが、これくらい言い切れる自負心がなくてはならない。
 しかし、そんなピッチャーは実は繊細だ。
 繊細さはプライドの裏返しとも言える。
 一流のピッチャーはバッターに打たれた時は、配球・コースすべてを覚えているという。
 よく打たれるバッターには苦手意識もある。
 ピッチャーはマウンドで自分の弱さと戦っているのだ。
 打たれてコーチがマウンドに行って「大丈夫か」と言われた時、ピッチャーは絶対に「大丈夫です」と答える。決して自分からダメですとは言わない。
 そんなピッチャーの交代時期を亡き仰木監督は目を見て判断したという。
 また自分の心が折れないように、相手に飲まれないように、強がる。
 佐々木なども自信満々でマウンドに出て来て、自分を優位に見せようとしたらしい。見せ方もひとつの「技術」なのだ。
 プライドと繊細さでピッチャーを見ると、様々なものが見えてくる。
 その他、ピッチャーの特性としては非常にストレスの多いポジションであること。
 確かに9回2死まで勝っていても、逆転打を打たれれば今までの努力が無に帰してしまう商売だ。ストレスは多い。そのためピッチャーは切り換えがうまくできなくてはいけないらしい。引きずっていてはストレスを貯めてしまう。星野仙一は打たれればベンチの茶碗を投げてストレスを発散したというが、それぞれストレスの発散の仕方があるらしい。

 いずれにしてもこうした選手の心理を読めることは、観戦を深くする。
 これが野球の面白さだろう。

★追記
 投球術とは、いかに打者のタイミングを外すかということらしい。
 一流の投手、打者同士の対決では力の差は紙一重。
 それゆえ打者はタイミングを合わせようとし、投手はタイミングを外そうと努力する。フォームもそうだが、投球と投球の間合いもそのひとつだ。

 また打率という点では、下記の江川のコメントが面白い。
「打率はあくまで過去の通算の数字であって、この場面でヒットの出る確率とは違うのです。私は今のピッチャーとバッターの調子を比較したとき、ヒットの出る確率は5割以上あると思います」

 ちなみにID野球について
 今ではどこでもやっていることらしいが、ID野球とは次のことを頭に入れてバッターに向かうことらしい。
 相手バッターの調子、得意・不得意の球種・コースの分析、右投手・左投手の打率・得点圏打率、苦手ピッチャー、チャンスに強いのか弱いのか。 
コメント
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