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平成エンタメ研究所

最近は政治ブログのようになって来ました。世を憂う日々。悪くなっていく社会にひと言。

のだめカンタービレ 第3話

2006年10月31日 | その他ドラマ
 Sオケの指揮をすることになった千秋先輩(玉木宏)。

 またひとつ大事なことを学んだ様だ。
 つまり……。
★オーケストラのメンバーには様々な性格や事情を抱えた人間が集まってきていること。
★指揮者はそんな彼らのひとりひとりを理解し、まとめ上げていくのが仕事であること。

 それは他人を理解すること。
 人間を好きになること。
 ぞれまでの千秋は楽譜の上だけで演奏をしていた。
 彼の指揮の練習はCDを聞きながら、スコアに基づき指揮棒を振るものだった。
 人間を相手にしていない。
 だから冒頭でつまづいた。
 音の悪さばかりが気になる。
 演奏者を人間ではなく、音や楽器として見ている。
 それに対してシュトレーゼマン(竹中直人)。
 指揮者(千秋)に見とれていてはいい演奏は出来ませんなどと、演奏者の抱えている事情を理解して、指摘をする。
 シュトレーゼマンは人間を見ている。

 物語はこのテーマを次のふたつのエピソードで描いていく。
 1.冒頭の千秋の指揮の失敗
 2.桜(サエコ)のエピソード
 いずれも「音ではなく人間を見て演奏をしろ」というテーマを描いている。
 ひとつのテーマを2つのエピソードで描く。
 今回、シナリオライターはこの構成を採用したようだ。
 最初は小ネタ、次に大ネタ。
 そして物語はオーケストラのメンバーによって千秋が成長していく様が描かれていくようだ。

 それにしてもシュトレーゼマンの行動は深い。
 ちゃらんぽらんでいて、確実に千秋を成長させている。
 合コンにあけくれながら、ちゃんとSオケメンバーの人となりを見ている。
 ラスト、シュトレーゼマンはSオケを千秋に任せて、Aオケに専念するという。
 理由はキャバクラで千秋が人気を独占したためと言っているが、それは表向きで実は深い意図があるのかもしれない。
 そう視聴者に思わせる人物造型は見事。
 本当は真剣に悔しがっているだけかもしれないが。

 人物造型という点では、今回の桜は、ある面、のだめ(上野樹里)の上を行くキャラ。
 のだめは地面に落ちた弁当を食べないが、桜は食べる。
 パスタは掃除機の様に吸い込んで食べる。
 これらの行動に驚かされるのだめ。
 主人公の上を行くキャラクターを登場させることは、主人公をかすませる危うさがあるが、それに負けないようにもっと主人公を変人にすれば、物語はもっと面白くなる。
 シュトレーゼマンもそうだが、人物造型がしっかりしている作品は見ていて楽しい。

★追記
 桜の貧乏解決に関しては、安易な解決。
 貧乏な理由は会社の倒産。
 だが、父親はバイオリンマニアで高価なバイオリンを隠し持っていた。
 作者は桜の貧乏解決にはあまり重きを置いていない。
 何を大事に描き、何をあっさり描くかは、作者の判断。
 作者には、千秋の成長という何よりも描きたいテーマがあるのだ。

コメント
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