「レ・ミゼラブル」第4話は意思疎通のドラマ。
バルジャンは、瀕死のマリウスを助け、コゼットをマリウスに与える決心をする。
「マリウスの家に行きなさい」「パパもマリウスを愛しているのね」
「愛し合うのはおまえたちだ。私はお金と贅沢な暮らしを与えることは出来るが由緒ある名前を与えることはできない。それにマリウスなら信頼できる」
こうしてコゼットはマリウスの所に行き、嫁ぐことになる。
家柄のことでマリウスの祖父が難色を示すが、バルジャンは手持ちの金すべての60万フランを持参金として渡して結婚を認めさせる。
そして結婚式。
バルジャンは幸せなコゼットを遠くから見つめている。
理由は「遠くから見ることに慣れないといけないから」。
コゼットはマリウスの屋敷にバルジャンの部屋を用意している。銀の燭台も運び入れた。
だが、バルジャンはその部屋に住もうとしない。結婚式のパーティも気分が悪くなったと言って消えるように帰ってしまう。
理由は、コゼットを手放した哀しみの方が彼女が幸せになった喜びよりも大きかったからだ。
しかし、コゼットはバルジャンのこうした行動が理解できない。
パーティでいっしょに踊りたかったのにと思う。
マリウスもいっしょに踊ってほしいと進めるが、バルジャンは踊りは出来ないからと言って断る。出来なくてもコゼットは踊ってほしいと思っているのに、と思うマリウス。
バルジャンはコゼットを完全に自分から切り離すためにある行動に出る。
マリウスに自分の出自を正直に話し、自分を出入り禁止にしようとするのだ。
それでも自分を受け入れるマリウス。
そんなマリウスにバルジャンはこう言う。
「私はコゼットを愛している。父親としてではなく」
これにはマリウスも怒る。
家にはもう来ないでくれと言う。バルジャンは仕事で外国に行ったことになる。
ここから第4話のモチーフである「意思疎通」のドラマが始まる。
バルジャンはコゼットと会うことを禁じられ、コゼットは「パパは自分を避けている。どうして?」と思う。
こんなに愛し合っているふたりなのにどうして切り離されなければならないのかと見ている者は思う。
そしてもう一度再会して心を通わせてほしいと思う。
第2話では、追跡されるハラハラドキドキを。
(バルジャンに捕まらないでほしいと見ている者に思わせる)
第3話では、心の葛藤を。
(バルジャンはどちらを選ぶのだろうと見ている者に思わせる)
第4話では、何とか再会させたいという想いを見ている者に思わせる。
こうした様々な手で「レ・ミゼラブル」は見ている者を物語に没入させる。
バルジャンは病気になる。
コゼットを失って、彼には生きる意味がなくなったのだ。
バルジャンは言う。
「燭台は私に道を示してくれた。だが、その燭台の輝きもおまえ(コゼット)の前ではなきに等しい。おまえがいたから、私の様な日陰の人間が光に満ちて生きていけることができた」
しかし、それが失われて。
「今年の冬はとても長く感じ」「心が生きたいと思わなくなる」
医者が来るが、それはマリウスの祖父が呼んだもので。コゼットが自分を気にかけて呼んだのではないことにがっかりする。
バルジャンがコゼットとの再会を果たせたのは、まさに彼が死の床にある時だった。
テナルディがマリウスに金の具申に来た時、マリウスは知ったのだ。
革命の時、自分を救ってくれたのがバルジャンであることを。
コゼットを連れてバルジャンの屋敷に行くマリウス。
死の床にあるバルジャンを見てコゼットは言う。
「パパの過去がどんなものでもパパを愛する妨げにはならない」
バルジャンは燭台に火をつけてほしいと頼む。
光の中でコゼットを見る。
コゼットの幸せを願うバルジャンにコゼットはマリウスに言う。
「いいパパでしょ。誰よりも心が美しい人なの」
そう言われて嬉しいバルジャン。
「死がこんなに穏やかなものだとは思わなかった」と語る。
「私からパパを取り上げないで」と叫ぶコゼット。
そしてバルジャンの最期の言葉はこうだった。
「光だけが見える。神々しい」
★研究ポイント
ドラマ
ドラマの作り方
見る者を感情移入させる様々な手法。
バルジャンは、瀕死のマリウスを助け、コゼットをマリウスに与える決心をする。
「マリウスの家に行きなさい」「パパもマリウスを愛しているのね」
「愛し合うのはおまえたちだ。私はお金と贅沢な暮らしを与えることは出来るが由緒ある名前を与えることはできない。それにマリウスなら信頼できる」
こうしてコゼットはマリウスの所に行き、嫁ぐことになる。
家柄のことでマリウスの祖父が難色を示すが、バルジャンは手持ちの金すべての60万フランを持参金として渡して結婚を認めさせる。
そして結婚式。
バルジャンは幸せなコゼットを遠くから見つめている。
理由は「遠くから見ることに慣れないといけないから」。
コゼットはマリウスの屋敷にバルジャンの部屋を用意している。銀の燭台も運び入れた。
だが、バルジャンはその部屋に住もうとしない。結婚式のパーティも気分が悪くなったと言って消えるように帰ってしまう。
理由は、コゼットを手放した哀しみの方が彼女が幸せになった喜びよりも大きかったからだ。
しかし、コゼットはバルジャンのこうした行動が理解できない。
パーティでいっしょに踊りたかったのにと思う。
マリウスもいっしょに踊ってほしいと進めるが、バルジャンは踊りは出来ないからと言って断る。出来なくてもコゼットは踊ってほしいと思っているのに、と思うマリウス。
バルジャンはコゼットを完全に自分から切り離すためにある行動に出る。
マリウスに自分の出自を正直に話し、自分を出入り禁止にしようとするのだ。
それでも自分を受け入れるマリウス。
そんなマリウスにバルジャンはこう言う。
「私はコゼットを愛している。父親としてではなく」
これにはマリウスも怒る。
家にはもう来ないでくれと言う。バルジャンは仕事で外国に行ったことになる。
ここから第4話のモチーフである「意思疎通」のドラマが始まる。
バルジャンはコゼットと会うことを禁じられ、コゼットは「パパは自分を避けている。どうして?」と思う。
こんなに愛し合っているふたりなのにどうして切り離されなければならないのかと見ている者は思う。
そしてもう一度再会して心を通わせてほしいと思う。
第2話では、追跡されるハラハラドキドキを。
(バルジャンに捕まらないでほしいと見ている者に思わせる)
第3話では、心の葛藤を。
(バルジャンはどちらを選ぶのだろうと見ている者に思わせる)
第4話では、何とか再会させたいという想いを見ている者に思わせる。
こうした様々な手で「レ・ミゼラブル」は見ている者を物語に没入させる。
バルジャンは病気になる。
コゼットを失って、彼には生きる意味がなくなったのだ。
バルジャンは言う。
「燭台は私に道を示してくれた。だが、その燭台の輝きもおまえ(コゼット)の前ではなきに等しい。おまえがいたから、私の様な日陰の人間が光に満ちて生きていけることができた」
しかし、それが失われて。
「今年の冬はとても長く感じ」「心が生きたいと思わなくなる」
医者が来るが、それはマリウスの祖父が呼んだもので。コゼットが自分を気にかけて呼んだのではないことにがっかりする。
バルジャンがコゼットとの再会を果たせたのは、まさに彼が死の床にある時だった。
テナルディがマリウスに金の具申に来た時、マリウスは知ったのだ。
革命の時、自分を救ってくれたのがバルジャンであることを。
コゼットを連れてバルジャンの屋敷に行くマリウス。
死の床にあるバルジャンを見てコゼットは言う。
「パパの過去がどんなものでもパパを愛する妨げにはならない」
バルジャンは燭台に火をつけてほしいと頼む。
光の中でコゼットを見る。
コゼットの幸せを願うバルジャンにコゼットはマリウスに言う。
「いいパパでしょ。誰よりも心が美しい人なの」
そう言われて嬉しいバルジャン。
「死がこんなに穏やかなものだとは思わなかった」と語る。
「私からパパを取り上げないで」と叫ぶコゼット。
そしてバルジャンの最期の言葉はこうだった。
「光だけが見える。神々しい」
★研究ポイント
ドラマ
ドラマの作り方
見る者を感情移入させる様々な手法。