平成エンタメ研究所

最近は政治ブログのようになって来ました。世を憂う日々。悪くなっていく社会にひと言。

めちゃイケ! ひな祭り

2006年03月12日 | バラエティ・報道
雛形あき子が「ひな祭り」ということで「めちゃイケ」の様々なコーナーにチャレンジする。

女優が芸人と絡んで、何を生み出すか?
まず、女優が芸人さながらのことをするから、笑いが取れる。
次に女優と絡むから芸人は違ったリアクションを取れる。

・相撲ライダー……山本圭一(極楽トンボ)×雛形あき子
 雛形あき子にいじられる山本圭一。
 いつもは指令が飛んで恥ずかしいことをさせられる相撲ライダーだが、今回は雛形が指示を出す。
 尻の写メを取られ、乳首をいじられ「SMの雰囲気」が生まれた。

・恋のカマ騒ぎ……鈴木紗里奈×雛形あき子
 「料理が上手な女」で大はしゃぎする雛形。すなわち女優とは違った顔。
 次に離婚というプライベートネタが出る。
 「スキャンダル・週刊誌」の雰囲気が出た。
 離婚にあたって、紗里奈に相談したという雛形。
 紗里奈の雛形にしたというアドバイス。
 「結婚する前に同棲しなきゃだめ」
 「男に対してMじゃないとだめ」
 すなわち逆転して、紗里奈のプライベートの暴露。
 雛形の離婚の話題と絡んだから、この話が引き出せた。
 紗里奈は自分の恥ずかしい話題について聞こえないふりのボケ。
 それを何度も繰り返して、業界用語でいう「かぶせボケ」。
 雛形に「芸人じゃないのに芸人風の紗里奈のポジションっていいわよね」と突っ込まれる。
 紗里奈もオイシイ。

 ちなみに余談だが、タレントにはイメージ、ポジションが重要。
 女優・芸人・芸人風などなど。
 芸のないタレントは個人の生活を切り売りしなければならない。

 制作者は「めちゃイケ」のメンバーとの絡みがそろそろマンネリと考えたのか、
フジテレビ警察で、雛形と三浦和義を絡ませる。
 三浦和義と逮捕ネタはタブー。
 三浦和義×雛形あき子で何が生まれるか?
 「予定調和じゃないスリル」
 「新しい刺激」で視聴者のチャンネルを変えさせない。
 逮捕を連発して、岡村達を冷や冷やさせて、雛形はさらに三浦和義を怒らせる行為へ。
 自分の製作した映画の話をする三浦和義に雛形は居眠り。
 おまけに自分から肩に寄りかかったにもかかわらず、「セクハラ!逮捕」発言。
 三浦和義もリアクション。
 「これで逮捕されるのなら、本当にセクハラしてやる!」
 これで雛形が素に戻る。オンナに戻る。
 「素の顔を見せること」もバラエティにとって必要なこと。
 セクハラでフジテレビ警察に逮捕される三浦和義。
 「オチ」は「エロス疑惑」(ロス疑惑)。
 実にブラックジョーク!

 最後は「感動」。
 バラエティには「涙」が必要。
 これは岡村隆史のこだわりの様だ。
 「めちゃイケ」には涙が良く登場する。
 雛形は岡村がやったホールインワンに挑戦する。
 しかし、雛形のゴルフは下手。
 これで雛形の素の顔を見せた。視聴者は雛形あき子はゴルフうまくないんだと知る。
 そしてこの下手な彼女がホールインワンをどうやって行うかに視聴者の関心が。
 ここで黒子ならぬ緑子が登場。
 ゴルフ場のグリーンに緑の服を着た女性が、雛形のボールを運んでホールインワンさせる。
 これだけでは番組ラストの笑いとして弱いので緑子の正体を明かす。
 緑子は雛形の同じ事務所の後輩のMEGUMI。
 雛形のインチキホールインワンに怒る岡村らに「雛さんは頑張った」と反論する。
 さらにMEGUMIだけでは盛り上がりに欠けると思ったのか、制作者は事務所のグラビアタレント候補の女性たちを大挙出演させ、事務所の野田社長を出す。
 ラストの盛り上げに向けて「刺激を大きくしていく」手法だ。

 そして締め。
 野田社長に語らせれば、一応「締め」っぽくはなる。
 野田社長は言う。
 ~今回1時間、雛形がやって来たことはすべて「女優魂」~
 これで締まった。
 野田社長はさらに悪乗り。真面目に締めるだけでは足りないのだ。
 熊田曜子と噂のあった岡村に「熊田より雛形にしろ。雛形のことを好きだったこと知ってるんだぞ」と言う。
 MEGUMIも悪乗りして「雛さん、今空き家だから」と言う。

 番組のエンディング後には、素の「雛形あき子」を見せて、これまで見てきた雛形あき子はパーフォマンスであることを示した。
 雛形は憧れ性のある女優であることを示した。

★研究ポイント
 テレビに必要なことが詰め込まれている今回の「めちゃイケ」。

 ・個性、違うポジションがぶつかり合うこと、絡み合うことで生まれる雰囲気、新しい世界。
 ・個性、違うポジションがぶつかり合うこと、絡み合うことで生まれるキャラクターの新しい面。
 ・スキャンダラスであること。
 ・予定調和ではないこと。
 ・スリル
 ・どんどん強くなっていく刺激。
 ・オチ
 ・締め、まとめ。
 ・個人の素の顔を垣間見せること。

関連事項 ドラマの作り方
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24 シーズン2 第23・24話

2006年03月11日 | テレビドラマ(海外)
いよいよ最終回。
相変わらず2転3転。脚本家は意地が悪い。

・音声データをねつ造したアレックス・ヒューイット。
 混乱して脱走。ジャックは「司法取引に応じるから」と説得するが。
・屋上、アレックスを撃つジャック。
 相手の足の動脈を外して撃つ見事な射撃。
 しかし転落。頭から血。アレックスは瀕死の状態。
・CTUのヘリコプターが来るが、トニーからシャペルに権限が移され、引き返す。
・そしてアレックスも出血で死んでしまう。

まだ、諦めないジャック。
・パーカー夫人を使って黒幕のキングスレーをおびき出し、犯行を告白させようとする。
・生命の危険が危ない夫人はためらう。
・ジャックもテロリストに受けた拷問で心臓の調子が悪い。
・CTUではトニーとミッシェルが拘束される。
 (参考せりふ「デスラーの身柄を拘束しました」)
 ミッシェルは拘束される前、かろうじてアレックスの作った音声変換プログラムの使い方をジャックに伝えるが。

そして、ここからがジャックの反撃。
・パーカー夫人に電話をさせる。相手はキングスレー。
「自分の関与の証拠になる音声テープと引き換えにアレックスの居場所を教える」と語るパーカー夫人。
 キングスレーはアレックスを抹殺したい。
 アレックスが自分のしたことを話せば、ねつ造がばれるからだ。
 キングスレーはアレックスを電話に出せと言う。
 ここで音声プログラムが登場。
 音声プログラムを使って、ジャックはキングスレーと会話する。
 ロサンジェルスコロシアムにキングスレーを呼び出すことに成功するが、キングスレーは罠だと疑っている様。

 この交渉のやりとりは、ジャックの交渉術の見せ場。
 夫人が交渉から引く様に見せて、キングスレーに食いつかせる。
 この駆け引き。
 ジャックは優秀な交渉人でもあるのだ。

・コロシアム。マイクをつけたパーマー夫人。
 会話はCTU、ホワイトハウスに音声中継される。
 キングスレーが爆弾事件の実行犯と電話していたことがわかって、ジャックをバックアップする態勢が組まれていたのだ。
(ここでは大統領の主席補佐官であるマイクが強権を発動してCTUを動かす)
・自分の音声記録を寄こせというパーマー夫人。
 夫人がそれを受け取ると、夫人は「保険のため音声記録の他にねつ造した音声記録も寄こせ」と言う。
 ここでキングスレーが、ねつ造音声を作らせたことを会話の中に挟み込ませる。
 聞こえている音声がキングスレーのものであることの照合も済んで、政府はねつ造であったことを知る。
 爆撃命令を中止させる。
 これで事件解決。

 今回はジャックのキャラクターについて。

・抜群の射撃能力
 ジャックは逃げるアレックスに言う。「撃てば俺は絶対にはずさない」。
・交渉能力、駆け引き能力
・信念、頑固
「必要とあれば何でもする」
「間違ったことをしていないから、自分はCTUを敵にしても闘う」
・善と悪しかない。
 ジャックはパーマー夫人に言われる。
「あなたには善と悪しかない。世の中にはいろいろなしがらみがあるはず」

★研究ポイント
 キャラクター造型
 キャラクターの作り方

★追記
 CTU職員はアクセスコードを使って、捜査のネットワークにアクセスできる。 
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相棒 「7人の容疑者」

2006年03月10日 | 推理・サスペンスドラマ
今回は動機から作られたドラマ。
以下、ネタバレ。

撮影所で爆破予告事件が発生。
撮影が思うように進まない。
ドラマ「予告間近」の女性プロデューサーは焦る。
彼女の仕事としてどうしても放送させたいからだ。

これが犯人である彼女の動機になる。
そして、事件解決に至るミスになる。

爆破予告電話が続く中、撮影所の製作部長が殺される。
撮影所の片隅で、部長は殺されていた。
その現場では戦隊ヒーロー物の着ぐるみが盗まれていた。
さては盗んでいるところを見られた泥棒の犯行か?

しかし、右京はそんな犯人が仕組んだストーリーなどには乗らない。
泥棒は見せかけであると思う。

では実際にはどんな犯行が行われていたのか?
爆破予告が続き、製作部長は撮影を中止する。
しかし、どうしてもオンエアしたい女性プロデューサーは部長室でもみ合って、製作部長を殺してしまうのだ。
泥棒の犯行に見せかけるため、戦隊物の着ぐるみの中に部長を入れて、撮影スタジオに運ぶプロデューサー。
しかし、この時にプロデューサーはミスを犯した。
製作部長がはめていた時計は、ドラマ「事項間近」で使われる重要な時計だったのだ。その時計は現在製造されていない。彼女はずっとその時計を捜していたのだ。彼女は、時計をはずし撮影に使う。
そして、もうひとつのミス。
老役者のブッキングだ。
部長が死ねば、その役者は何をおいても必ず葬儀に出る。
しかし、役者が葬儀に出ては撮影が間に合わなくなる。
彼女は老役者のブッキングを、葬儀が行われない「友引」の日にブッキングする。
彼のスケジュールはその月はまるまる開いていたにもかかわらず。

どうしても作品をアップしてオンエアさせたいという彼女の動機が殺人を起こさせ、ミスを起こさせたのだ。
これが面白い。

犯行はこの様にシンプルなものなのだが、これに様々な事件、容疑者候補が絡まって見ている者を惑わせる。
・爆破予告事件の犯人(クビになった撮影所の助監督)の犯行?
・部長室でもみ合っていたチーフ助監督の犯行?(チーフ助監督は、クビになった助監督が爆破予告事件の犯人と気づき、部長が警察に通報しようとするのをやめさせようとしたのだ)
・部長が死んでいた犯行現場で物を捜していた小道具の女の犯行?
・いわくありげな部長の知り合いの老役者の犯行?

・爆破予告事件
・着ぐるみ窃盗事件

これらの絡まった糸をほぐしていき、真実を暴き出すのが探偵の役割なのだが、右京の手腕は見事だ。

★研究ポイント
 推理小説の作り方 推理ドラマの作り方
 1.動機から犯人の行動を作り出す。犯行のミスも動機に絡むとなおいい。
 2.この犯人の行動に読者・視聴者を惑わせる事件、容疑者を絡ませる。
 3.その絡まった糸を解いていくのが探偵。
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あいのり 3/6

2006年03月09日 | バラエティ・報道
MIEの恋の行方。
MIEはスーザンの悪いところ(「時として他人に対して心を閉ざしてしまうスーザン」)を指摘する。
それは悪意や傷つけてやろうというものではない。
また、相手を良くしてやろう、変えてやろうというものではない。
スーザンのありのまますべてを受け入れる想い。
相手のありのままを愛する想い。
MIEいわく「私は心を開いたから、言いにくいことも言った」

相手に対する気持ちを突き詰めていくとこうなるのだろうか?
いい言葉が見つからないが、やはり「あいのり」の旅は、人を純粋にする。

このMIEの考え方を基準にして、他の恋を考えてみるのもいい。
カップルになって帰って行ったメンバーは、みんな相手に対して心を開いている。
わかりやすいのは、おーせとブクロー。
おまみもヒデのすべてを受け入れようとしたが、ヒデの心はまだ閉じていた。

「あいのり」の旅は、人と人が様々な形でぶつかり合って、心の殻を壊していく旅。
だから旅のラストは失恋しても優しくなれる。
MIEはスーザンに言う。
「がんばって。パッションを感じられる子を見つけて帰ってくるんだよ」
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N’s あおい 第9話

2006年03月08日 | 職業ドラマ
第9話を使ってシーンとシーンのつなぎを研究してみる。

田所の行うリストラの対象となった看護助手の北沢。
彼はアルバイトで看護助手をやり、ミュージシャンを目指している。
しかし、音楽・看護助手とも中途半端。
そこを田所から指摘を受ける。
「夢を言い訳にして気楽な立場でいいな。夢を口にするくせに何の努力もしていない。私はそんなやつが大嫌いだ」
半ば当たっていることもあり、北沢はあおいに言ってしまう。
「看護助手をしているのは金がいいせい。俺、なんで患者の汚物の世話なんかしているんだろう。(意識障害で5年間眠り続けている)白井さんに話しかけても無駄だよ」
あおいは北沢を平手打ちして言う。
「そんなふうに思っているなら患者さんに触らないで」

シーンのつなぎは次である。
バンド仲間と道を歩いていると、サラリーマンが嘔吐している。仲間はただの酔っぱらいと行き過ぎようとするが、北沢は気になる。酒を飲んだ嘔吐とは思えない。でも、自分は看護士でもないしクビにされる身だ。そのまま仲間と歩いていく。
次のシーン。
病院に歩いてくるあおい。
救急車が乗りつける。あおい、急患だと思って救急車に近づくが中から付き添っていた北沢も出て来る。
実にうまい。
不審に思った北沢が救急車を呼ぶのでは、この様な効果は生まれない。

次は時間経過のつなぎ。
看病疲れから白井の奥さんは白井のライフラインを外してしまう。
高樹を呼ぶために走る北沢。
心拍と脈を示す器械。
処置をしている高樹。
間に器械を挟み込むことで時間経過を表現している。

次のシーンとシーンのつなぎも見事だ。
ライフラインを外してしまった事件が病院で問題になる。
次のシーンでは当然、事件当事者の白井の奥さんが、起こしてしまった事件に対して謝罪するというのが通常のリアクションだが、この作家はそうはしない。
白井家は花屋をやっているが、今日は市場に仕入れにいけないことをあおいに話すのだ。あおいは今から市場に行くことを提案する。
そして市場の競りのシーン。
白井の奥さんは、夫が自分のためにチューリップ(花言葉は永遠の愛)を競り落としてくれたことを話してのろける。
そして競りが終わった後、奥さんは初めて自分の苦悩を語るのだ。
「自分は花屋を続けることが夫の望みだと思ってがんばってきた。でも、今は夫は自分を死なせてくれと言っている様にも思える。器械で生きながらえるのは嫌だと言っている様にも思える。私は夫が何を望んでいるのかわからない」
競りのシーン、のろけ(想い出)のシーンを間に挟むことによって、このせりふがより活きてくる。
シーンのつなぎの効果はこんな所にある。
この競りのシーンは、後に白井が意識を取り戻すきっかけにもなる。
物作りをする人間は、シーンのつなぎに細心の注意を払うべきである。
通常のつなぎではない別の方法がないかを考えるべきである。
これが作品の味わいを深くする。

★研究ポイント
 シーンのつなぎ。
 当たり前でないシーンのつなぎを考えるべき。

★追記
 今回の名セリフはこれ。
「医療や看護に無駄なんてない。可能性があれば闘うのが俺たちの仕事だ」(高樹)
「君のしたことは結局家族を苦しめ、負担をかけたことになるのではないのかね」
(田所)
 白井を生きながらえさせた高樹に田所が言ったせりふ。今回の対立要素だ。白井は五感刺激という看護で意識を取り戻す。

「がんばらないで下さい。看護でがんばるのは私たち看護士です」
「奥さんがいらっしゃった時、白井さんの手は温かくなるんですよ。奥さんの笑い声が白井さんの希望になるんです」(あおい)
「意識を取り戻して、私にチューリップを競り落として!」(白井の奥さん)
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24 シーズン2 障害

2006年03月07日 | テレビドラマ(海外)
ドラマには様々な障害がある。
「24」(18話~22話)の障害について分析するとこうなる。

「音声チップのデータを早く分析にかけて戦争を回避したい」
これが事件の解決である。
しかし、その解決を妨げる様々な障害がある。

1.物の所在
 18話でジャックは音声チップがどこにあるかで様々な駆け引きをするが、その在処を知っている男が銃撃戦に巻き込まれて死んでしまう。
 万策尽きたと思いきや、そこは病院。男の命を救うためにレントゲン写真を撮っていた。
 レントゲン写真にチップが写っている。
 男はチップを体に埋め込んでいたのだ。

2.追っ手
 チップを求めて追っ手が迫る。
 チップには発信装置がつけられていたのだ。
 発信装置を分離して難を解決。

3.第3者
 チップを中東の捜査官ヨセフがCTUに持っていくことになる。
 しかし、ロスは暴動の最中。
 ヨセフは中東の風貌をしているから、暴動に襲われる。
 暴徒はヨセフの財布から金を抜き取り、チップもポケットに入れる。
 ヨセフに同行していたケイトはそれをお金で買い取ると言う。
 お金の置いてある自分の家に連れて行くケイト。

4.破損
 ケイトの家に駆けつけたジャック。
 暴徒との戦いの中で、チップを破損してしまう。
 コンピュータでCTUにチップのデータを送るが……。

5.仲間同士の確執
 CTU内部でももめている。
 本部とトニーの対立だ。
 本部は音声データは偽物だと分析した。それがくつがえされることは面子にかかわる。
 背後の黒幕の意思も見え隠れする。
 トニーは「ぼくは保身よりは正しいことをしたい」「自分の判断で正しいことを行う。嫌ならクビにしろ」と言って分析を強行する。(トニー・アルメイダの見せ場!)
 一方、本部は「命令系統に従うことが正しいことだ」と反論するが。
  
6.口を割らない人間
 チップを分析するCTU。結果は復元不可能だった。
 しかし、データに残されたジャンクコード(プログラムの作成者を示すコード)から作成者を特定。
 ジャックはその男のもとに向かうが、男は罪に問われることを怖れて語ろうとしない。説得が始まるが、男は錯乱して外に飛び出してしまう。
 
 データチップの件だけでもこれだけの障害を与えている。
 普通のドラマだったら、ひとつかふたつだ。
 これだからこのドラマは世界中でヒットした。

★研究ポイント
 ドラマの作り方
 ドラマの構成
 障害

★追記
 第23話ではこんな障害も。
 怪我・死……音声データをねつ造したアレックスは怪我をし、死んでしまう。

★追記
 チップの在処をしゃべらせるためにジャックは拷問に会う。
 ジャックは一度心停止し、医者が連れて来られて治療に当たる。
 医者は脅されてやって来た普通の医者だ。
 ジャックは医者を仲間にして脱出を試みる。
 このままではふたりとも殺されてしまうと言って説得し、ロープを緩めるように言うジャック。
 しかし、間に合わない。
 敵はジャックにしゃべらせるために、横隔膜の働きを奪うデオグライトという薬を少しずつ注射するように医者に言う。
 デオグライトを注射され、しゃべるというジャック。
 しかし、それはジャックの仕組んだ罠だった。
 在処を小声で話すジャックに耳を近づける敵。
 その時、医者はデオグライトの注射を敵の背中に突き刺す。
 拍手!
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レ・ミゼラブル 第2話

2006年03月06日 | テレビドラマ(海外)
第2話は平和な時代。
ジャン・バルジャンとコゼットにも一番穏やかな時代だ。

コゼットの母・フォンティーヌが死にジャン・バルジャンは約束を果たすためにコゼットを迎えに行く。
一方、法の番人ジャベールはバルジャンを執拗に追う。
この辺からジャン・バルジャンは法や現在の政治体制について疑問を抱くようになる。法には慈悲がない。自分はコゼットをフォンティーヌに会わせたいだけだ。だが、ジャベールはそれを許さない。
神の掟を守るシスターでさえ、慈悲で神の掟を曲げるというのに。
おまけにジャベールはフォンティーヌにコゼットは来ないことを言ってショックで死なせた。許せない。

バルジャンはジャベールの手を逃れ、やっとコゼットのもとにたどり着く。
しかし、その境遇は悲惨だった。
夜中に怖がるコゼットを無理やり森の中に行かせる。水を汲むためだ。
おまけにフォンティーヌが病気のため金を送れなくなると、コゼットの歯を売ってお金に換えようとする。
コゼットは娘たちの人形で遊びたがっていたが、彼女が人形に触ると平手で打とうとする。
バルジャンは怒りを抑え(葛藤して)、コゼットが無くしたお金をテナルディ夫婦に与え、コゼットの欲しがっていた人形を夫婦から買い上げる。
コゼットを1500フランで買い上げ、ベッドに寝せる。
コゼットにとってふわふわのベッドで寝るのは初めてのことだった。

そして、バルジャンとコゼットは早朝街に出る。
テナルディたちの動きが不穏だからだ。
街に出たバルジャンは高級な服を買ってやり、理容師のスカルポンティに髪を整えさせる。コゼットにとっては夢の様な出来事だ。
そこへやって来るテナルディ。
「憲兵におまえのことをばらすぞ。だから金をくれ」
バルジャンも悪党たちの中で生きてきた男だ。小悪党のテナルディを御する術など心得ている。
「たとえ俺が捕まっても、俺には俺に変わっておまえを殺してくれる仲間がいる。俺たちにつきまとうな」
カッコイイ!
テナルディは諦めて自分の家に戻るが、ジャベールが来ていて尋問される。
1500フランを発見されて、子供(コゼット)を売ったことをうっかり言ってしまったテナルディはその罪で投獄される。
ここまではテナルディが懲らしめられて痛快だが、後にこれが禍になる。
テナルディはバルジャンのせいで投獄されたと逆恨みするのだ。
7年後、ふたりはパリで再会する。

バルジャンとコゼットはパリに出て来た。
しかし、ジャベールが追って来る。
下宿で質素に静かに暮らそうとするふたりだったが警官隊に囲まれてしまう。
そして逃げ込んだのが修道院だった。
権力不可侵の修道院。
中には自分が市長だった時代に世話をしたフォーシルバンがいて、弟として庭師の仕事をすることになる。
コゼットは修道院の寄宿舎で教育を受けることになる。
この修道院での生活はふたりにとって一番穏やかな時間であった。
バルジャンはコゼットを、コゼットはバルジャンを父と子として愛した。
時代も代わり、警察は罪人ではなく社会体制を揺るがす思想犯を取り締まる様になった。ジャベールは上司に言われる「40スー盗んだ罪人ではなく、思想犯を追え」

そして7年。
コゼットは美しい娘に成長する。
しかし、この成長が大きな葛藤になった。
聖体拝領。コゼットに修道女になるかならないかの選択が迫られたのである。
コゼットは言う。
「私は海を見ていない。手袋をはめてみたい。パパと舞踏会で踊ってみたい。パパのためにもっときれいになりたい」
コゼットは自分の幸せではなく神のために仕える修道女の暮らしを受け入れるには、現実を謳歌していなかったし若すぎたのだ。
そして、バルジャンにとっての幸せはきれいになったコゼットを見ること、コゼットの幸せだった。
バルジャンは危険を顧みず、修道院の外に出る。

お金は市長時代にやっていた工場で儲けた6万フランがある。
コゼットにきれいな服を着せてやり、慈善事業を始める。

しかし、現実はバルジャンに襲いかかった。
コゼットに一目惚れしたマリウスが現れる。コゼットも満更ではないようだ。
コゼットは彼のためにハンカチを落とす。
コゼットをいずれは誰かに奪われる苦しみを味わうバルジャン。

そしてテナルディ一家に出会う。
テナルディはバルジャンを憎み、娘のエポリーナはきれいになったコゼットを憎み、マリウスに恋する。

同時にジャベールの追求も始まって。

まさに波瀾万丈!
こんなドラマはなかなかない。

★研究ポイント
 この波瀾万丈の物語!
 この的確な人物描写!
 しかも時代の流れとリンクし、時代を描いている。
 今回は修道院(キリスト教)を描いたが、次回はマリウスに象徴される共和制が描かれる。
 修道院を出てその価値を否定したバルジャンはキリスト教を否定した。
 そして次に彼の問題意識は過酷な現体制へ批判へと向かう。
 同時にレ・ミゼラブル(貧しい人たち)と富裕な人たちも描バルジャンの目を通して描かれる。
 
★追記
 今回の名セリフをいくつか。
「ぜいたくに慣れるといけない。ぜいたくにならなければ人に妬まれることもない」「貧しく楽しく暮らすのが一番だ」(コゼットに会った時のバルジャンのセリフ)
「不幸を背負っている人の目は虚ろだ」(バルジャン)
「たとえあなたが悪魔でもあなたに受けた恩恵は忘れません」(フォーシルバン)
「ママが不幸だった分までコゼットには幸せになってほしい」「人生を滅茶苦茶にされ泥まみれになってもママはきれいだったよ」(バルジャン。コゼットにフォンティーヌのことを語って)
「嘘をつきました。でも真実より慈悲の方が大事です」(シスター)
「懲罰係を呼びなさい。修道院の秩序を守るためとはいえ嘘をつきました」(修道院長)
「法の名においておまえを逮捕する」(ジャベール)
「疲れさせ戸惑わせ、間違いを犯させるんだ」
「狩人が獲物を捕らえるのは獲物が目の前にいる時さ。大事なのは獲物の足跡を見逃さないことだ」(ジャベール。バルジャンを追って)

「バルジャンはすべてに逆らう。法に逆らい、秩序に逆らい、自分の利益にも逆らう」(ジャベール)
これは象徴的な言葉だ。
ジャベールの言葉だが自分の利益にも逆らうバルジャンが逆らう法や秩序とはなにか?という問いかけでもある。
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アルフレッド・ヒッチコック

2006年03月05日 | 監督・俳優・歌手・芸人
BBC製作のドキュメンタリー「巨匠アルフレッド・ヒッチコック」を見た。

ヒッチコックは「劣等感」のかたまりだった。
「劣等感」があったため、彼は映画監督としての名声を求めた。
彼が自分の映画に出るのは、これが自分の作品であることを顕示するためである。
美しい「俳優」へのコンプレックスもあって1シーンの登場であるが、彼はスクリーンに出たがった。

TV番組「ヒッチコック劇場」を作ったのは、名声のためだったという。
現に彼はこの番組で若者に支持された。
「サイコ」は古い批評家には非難され、配給会社からは客が入らないと判断されたが、「ヒッチコック劇場」を見ていた若者からは、自分たちの映画として支持されたらしい。
彼は「ヒッチコック劇場」で自分を道化にして登場したが、それは「劣等感」の裏返しであった。コンプレックスのある人間は道化を演じる。どうせイイ男は演じられないし。

彼の「劣等感」は女性に向けられた。
自分に見向きもしない美しい女性への復讐。

「俳優に演技力はいらない」というのはヒッチコックの名言だが、「サイコ」のシャワーシーン。
あれこそ演技はいらない。カットのモンタージュによって殺人シーンを描いていく。現にこのシーンで殺されたジャネット・リーは「あのシーンで自分は何を演じているのかわからなかった」と語っている。

「鳥」ではこんな撮影の仕方をしたという。
「箱の中に女優を入れ、鳥を次々と投げつけたのだ」という。
当然、女優は手で鳥を追い払う。
これこそ迫真の演技というわけだ。

ヒッチコックにとって女優は人間ではない。
「物」だ。
それは自分を相手にしなかった美しい女たちへの復讐だ。

また、ヒッチコックは自分だけの女優を作ろうとしたという。
自分の作品だけに出て自分の意のままに使える女優だ。
ヒッチコックは美しい人気女優を撮ってきたが、彼女らは自分の要求どおり演じてくれるわけではない。
それに不満を感じて、自分だけの女優を望んだらしいのだが、ここに彼の強い独占欲を感じる。

また、彼は子供の様であった。
彼の1シーンの映画出演は悪戯・遊び心の現れでもある。
彼の映画はプラモデルを作るような感じで撮られ、「どうだ、すごい映像だろう」と子供が自分の作品を見せつけている様だ。

最後にまとめよう。
彼は「サイコ」の予告で自らが出演して言う。
「母親に抑圧された少年はどの様な行動を取るか……」
「母親に抑圧された少年」というせりふは「女性に抑圧された少年」と言い換えてもいい。
「女性に抑圧された少年」が、思い描いた作品がヒッチコックの作品なのである。

★研究ポイント
 強い欲望が作品に昇華する。
 作品は作家の人間性と切り離せない。
 また、そうでなければ本物ではない。

 ヒッチコックの言葉。
 次にどんな映画を撮りたいかと訊かれ
「暴力・殺人・セックスが絵画のように散りばめられた作品。見事な衣装、見事なカット、気の利いたショックのある作品」
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24 シーズン2 キャラクター造型

2006年03月05日 | テレビドラマ(海外)
第18話・19話を素材に「大統領・デビット・パーマー」のことを書く。
すぐれたリーダとはこういうものだ。

彼は他人の意見は聞くが決して付和雷同しない。
国家の危機、第3次世界大戦が起こる可能性。
そんな中、大統領は音声データはねつ造かもしれないというジャックの言葉を信じている。
彼の部下たちは様々な思惑を持ち、それぞれに意見を具申してくる。

部下「ジャック・バウアーを信用しすぎるのでは?」
大統領「ジャックが正しければ、我々は歴史に汚点を残すことになる」

中東を攻撃する爆撃機が飛んでいる。
ジャックから分析はまだだが、証拠の品が手に入ったと連絡が入る。
大統領は攻撃をためらうが、部下は諫める。
それに対して大統領は言う。
「決断力を示すために戦争をするというのか?」
大統領が作戦中止を決断すると「これは奇襲だから意味があるんです。このまま攻撃をせずに戦いに臨んだ場合、数万のアメリカ兵の命が失われます。作戦を中止すると立て直すのに時間がかかります」と部下は言うが、彼は動じない。
街ではイスラム系のアメリカ人を狙った暴動が起き、大統領をさらに苦しめるが、彼は動じない。

見ている我々は、音声データがねつ造であることを知っているから、こうした大統領の姿が頼もしく見える。
これで彼が付和雷同したり、視聴者が望むことと正反対の間違った判断をしていたら、彼は大バカ者になる。しかし、彼は視聴者の知っている事実(「音声データはねつ造」に基づいて判断しているからカッコイイ。
見事なキャラクター作りだ。

一方、マイクら大統領側近はこうした大統領の判断を決断力がないと考える。
副大統領プレスコットは大統領を追い落として、権力を握ろうとする。
これが後のドラマに繋がる。

大統領まわりでは、こんな人物もいた。
シークレットサービスのアーロン。
地味だが見事なバイプレイヤーだ。
20年大統領のシークレットサービスを務め、様々な大統領を守ってきた。
アーロンは大統領のパーマーに副大統領の不穏な動きに関して意見を求められるが、政治的な意見は自分の領域ではないとして意見は言わない。
パーマーにそれでも意見を求められてやっと言う。
「あなたの直感は鋭い。私はあなたを信じます」
シークレットサービスという職務に忠実な彼だが、22話ではパーマーのためにその領域を越える。
大統領の地位を奪われ拘束されたパーマーのために携帯電話を用意するのだ。
パーマーはこれでジャックと連絡をとる。
結果、見つかってアーロンは大統領のシークレットサービスの職務を剥奪されるが、「気にしないで下さい。大統領」と言って連行される。

★研究ポイント
 キャラクターの作り方
 キャラクター造型

★追記
 第24話でパーマーは閣僚たちに言う。
「リーダには人智を越えた忍耐力が必要だ。武力行使は最後の手段だ」
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24 シーズン2 第17話

2006年03月04日 | テレビドラマ(海外)
第17話は今までと視聴者の視点が違ってくる。
今まで視聴者はジャックら登場人物と同じ視点・目線だった。
すなわち「核爆弾はどこにあるのか?」というテーマをジャックと共に追って行くのだ。そこには謎があり正体不明の敵が立ち塞がり、ジャック・登場人物=視聴者だった。
ところが今回は違っていた。
視聴者はジャックや登場人物より上にいる。
視聴者は「音声データがねつ造されたものであること」を知っているのだ。
ジャックはねつ造データであることを確認するため動きまわり、CTUのトニーは「ねつ造されたものではない」と信じている。大統領は真偽を確認しようとしているが、中東侵攻作戦を同時に進めている。
視聴者は「データはねつ造であるのになぜ気がつかないんだ。このままでは第3次世界大戦が起こってしまう」と見ていてハラハラしている。
今までと違う仕掛けだ。

この仕掛けはジャックにまで及んでくる。
今まで味方であったCTUがジャックの敵になる。
ねつ造であることを証明する証拠を持っている人物は「ケイトを連れてこい」とジャックに要求する。ケイトはCTUが事情聴取している証人。彼女を無断で連れ出すことはCTUに逆らうことになる。ジャックはCTUに追われることになる。
これも面白い展開だ。
視聴者は「CTUのトニー、ジャックの邪魔をしないでくれ」と思う。
この様に「24」のシナリオは視聴者の気持ちを計算し尽くして作られているのだ。

もちろん、ジャックのこうした孤独な闘いに協力者も現れてくる。
CTUのミシェル・デスラー。
ミシェルは、トニーがCTUのチーフになって焦っているため正確な判断をできないでいることを見抜いている。本部から来たキャリーがトニーに入れ知恵しているのも面白くない。
それにもうひとりの味方、中東の捜査官ユセフ。
ユセフはねつ造だという証拠があがらなければ、自分の国が戦火に巻き込まれるのだから必死だ。
おまけにこの男使える。
他に敵がいるのではないか巡視しながら現場に向かい、敵の車に追跡装置をつけておくことも忘れない。また、任務遂行のためなら眉一つ動かすことなく殺しをやってのける。簡易の金属探知器も持っていて相手が銃を持っているかを判断することもできる。
この様にいいタイミングで味方が現れるのもよくできたエンタテインメントの醍醐味だ。

★研究ポイント
 視聴者が主人公より上になる視点の作品づくり。
 全員が敵という状況の中、タイミング良く出て来る味方の心地よさ。
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