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フランスの片田舎で酪農を営むべリエ家は、高校生の長女ポーラ以外、
両親も長男も全員が聴覚障害者。
ポーラは歌の才能を認められ、パリの音楽学校を勧められるものの、
家族の通訳ができるのは自分しかいないと思い悩む。
彼女の歌声を聴くこともできない両親は、自分たちを捨てるのかと大反対。
必死に訓練を続けながらも、一度は夢をあきらめるポーラ。
ポーラ演じるルアンヌ・エメラは、人気オーディション番組で絶賛されて
歌手デビューしたという実力者。
失礼ながらその田舎臭いキュートさが、今回の役にピッタリ。
フランスで4週連続No.1の人気映画というので期待していたのですが…
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海外の映画を観るということは、その国の文化や生活を覗くことが
できるという楽しみも含みます。
しかしこの作品では、あまりのギャップにたじろぐことしばしば。
病気による、両親の性生活への指南をその娘に通訳させる医者。
昼間から事に及んで、絶叫を隣室の娘に聞かせる両親。
中学生くらいの長男と簡単に関係を持ってしまう、長女の親友。
いやはや。
無論、映画ですから作り事であるとは分かっていますが
それがフランスで人気No.1となったという事実。
ストーリーがあまりにも王道すぎるので、わざとそういう軽いジョブを
散らしたのか?
あの母親はあまりにも自己中心であり、しかもそれを隠そうともしないので、
私は到底好きになれない。
父親の村長出馬の騒ぎはあの後、どうなったのか?
などという小さな不満を幾つも並べてしまいましたが
爽やかな家族愛を描いた作品です。
ルアンヌの歌は、聴く価値があります。
「エール!」 http://air-cinema.net/