父親を不倫相手に奪われ、少しずつ心を壊していく母と暮らす高校生の暁海(あきみ)と、自由奔放な母の恋愛に振り回され、暁海の通う高校に転校してきた櫂(かい)。
風光明媚な瀬戸内の島を舞台に、ともに孤独と欠落を抱えた二人は惹かれ合う。しかし、大人になり互いに自分の人生を進むうちに、二人の間には大きな溝ができていく。
毒親に人生をことごとく邪魔されながら放り出すこともできない、二人の若者が痛々しい。
傍から見れば、そんなどうしようもない母親、さっさと捨てればいいのにと思うのですが、当事者にはそうもできないのでしょう。
自分の人生を思うように生きるということが、こんなにも難しいことなのか。
終章近く、深刻な病を宣告された櫂の独白。
”あれから母親には連絡していないし向うからもない。嫌なこととは向き合いたくないという相変わらずなスタンスだ。親というよりでかい荷物でしかないが、そんなのでも親だから、しょうがねえなあと許す俺も相変わらずだ。
生まれるとき、人にはそれぞれ与えられるものがある。それは輝く宝石であったり、足首に嵌められた鉛の球だったりする。なんであろうと投げ出せず、それはおそらく魂に組み込まれたものなのだろう。生まれて死ぬまで、誰もがあえぎながら己の魂を引きずる。”
2023年の本屋大賞作品、図書館に予約して1年程かかってようやく廻って来ました。
この著者の文章は平易で展開はドラマチック、一気に読める面白さがあります。
しかし本屋で買ったらちょっと口惜しかったかも。
前作の「流浪の月」と同様、これはすぐに映画化されるでしょうから、その配役を勝手に思い浮かべるという楽しみはありますが…
風光明媚な瀬戸内の島を舞台に、ともに孤独と欠落を抱えた二人は惹かれ合う。しかし、大人になり互いに自分の人生を進むうちに、二人の間には大きな溝ができていく。
毒親に人生をことごとく邪魔されながら放り出すこともできない、二人の若者が痛々しい。
傍から見れば、そんなどうしようもない母親、さっさと捨てればいいのにと思うのですが、当事者にはそうもできないのでしょう。
自分の人生を思うように生きるということが、こんなにも難しいことなのか。
終章近く、深刻な病を宣告された櫂の独白。
”あれから母親には連絡していないし向うからもない。嫌なこととは向き合いたくないという相変わらずなスタンスだ。親というよりでかい荷物でしかないが、そんなのでも親だから、しょうがねえなあと許す俺も相変わらずだ。
生まれるとき、人にはそれぞれ与えられるものがある。それは輝く宝石であったり、足首に嵌められた鉛の球だったりする。なんであろうと投げ出せず、それはおそらく魂に組み込まれたものなのだろう。生まれて死ぬまで、誰もがあえぎながら己の魂を引きずる。”
2023年の本屋大賞作品、図書館に予約して1年程かかってようやく廻って来ました。
この著者の文章は平易で展開はドラマチック、一気に読める面白さがあります。
しかし本屋で買ったらちょっと口惜しかったかも。
前作の「流浪の月」と同様、これはすぐに映画化されるでしょうから、その配役を勝手に思い浮かべるという楽しみはありますが…
なりますよね。
「流浪の月」も本で読みましたが…
映像化…キャスト…ちょっとイメージと違ってて
「汝、星のごとく」も早く読まなくっちゃ。
友達も図書館でやっと予約してこの本読めた
って言ってました。
でも…内容がなぁ…ちょっと痛々しいなぁ。
今風の問題がぎっしりですが、軽く読めます。
面白いけれど、ずっと手元に置きたいとまでは思わないかな。
本屋大賞は図書館では中々廻って来ないので、
これはノミネートされた時にもう予約したような気がします。
痛々しいけれど、救いもありますよ。