”ヨーロッパ宮廷一の美貌と称されたエリザベートの40歳の1年間にスポットを当て、若さや美しさという基準のみで存在価値を測られてきた彼女の知られざる素顔を大胆な解釈で描き出した作品”(映画com)
この挑発的なポスターから、普通のエリザベート像ではないとある程度予測はしていたのですが、結論から言うと私にはまったく響きませんでした。
当時の女性の平均寿命という40歳を迎えたエリザベート(ヴィッキー・クリープス)の、若さと美貌を失うことへの恐怖、老いてゆくことへの焦燥感、閉じ込められていることの閉塞感はよく分かりましたが、だからといって刺青を入れたりヘロインに頼ったり、公務の最中に気を失ったふりをしたり、いきなり中指をつき立てたり舌を出したり、愛人と旅行に出かけたり、娘や息子を気まぐれで振り回したりとワガママにも程があり、およそ共感できないことばかり。
原題の「Corsage」はコルセットのことであり、彼女が侍女に、もっと!もっと!とそれを締め上げさせるシーンが何度も出てきます。
乗馬や水泳やフェンシングなど運動にも熱中し、自分の身体にいかに気を遣っていたかはよくわかりますが…
ウィーンを旅行した時、どのお土産店にも、彼女の写真をプリントした小物が溢れているのを見ました。
身長172㎝、ウエスト51㎝、体重50キロに満たないというプロポーションと美貌を誇った彼女は、シシィという愛称で広く愛されているようです。シシィ博物館では、華麗なドレスや宝石を堪能しました。
「エリザベート ハプスブルク家最後の皇女」という本では、壮絶な嫁姑戦争、息子を姑に取り上げられ、挙句にその子は自殺、自分も暗殺される悲劇のヒロインとして描かれていました。
あの国の人たちはこの映画を観てどう思うのだろう?
ストーリーについてはこれ以上書く気もしないので、映画に出て来た犬について。
シシィは犬を愛したとして知られているようですが、大きな犬が何頭も出てきました。
グレートデン、ダルメシアンは分かりましたが、垂れ耳の大きな犬が分からない。
検索してみたら、色々な人がいるもので「シシィの犬を追え!」というサイトが。
それによるとあれは、アイルランドの犬種ウォルフスハウンドのようです。
少なくとも孤独なシシィは、愛犬たちといる時は安らぎを得られていたことでしょう。
(本物のシシィ)
「エリザベート1887」
エリザベートは美貌だけがウリのお飾りじゃないということを
多分言いたかったのでしょうが
残念ながら私にはまったく響かず…
彼女が悩み苦しんでいるということは分かりましたが
その掘り下げ方が足りないというか
殆ど中二病に悩む十代みたいw
久しぶりに怒りました。
もう私はあまりに頭に来たので、
ワンコたちを注視していました~
エリザベートは東宝ミュージカルでも
人気の作品でそちらを何回か観ています。
舞台はエリザベートが姉のお見合いの付き添い
に行って皇帝フランツに見初められ結婚し
ヨーロッパ宮廷一の美貌に気づき徐々に自分の
意見を通し暗殺されるまでを描いています。
美貌を失うことへの恐怖や老いてゆくことへ
の焦燥感、閉じ込められていることの閉塞感
は描かれていましたが…
刺青を入れたりヘロインに頼ったりは…
ちょっと無理だな(笑)
いつの時代もワンコは人の癒しになるのですね。