格差階級社会をなくそう

平和な人権が尊重される社会を目指し、マスゴミに替わって不正、腐敗した社会を追求したい。

「永田町権力の漂流」が示したNHKの救い難い劣化

2011-12-27 04:31:34 | 植草一秀氏の『知られざる真実』

「永田町権力の漂流」が示したNHKの救い難い劣化




NHKスペシャルが12月25日、
「証言ドキュメント 永田町 権力の漂流」
と題する番組を放送した。
 
 2009年8月総選挙を通じて政権交代が実現して以降、今日に至る政治の変化を、民主党に焦点を当てて再構成したものである。
 
 偏向批判に気を遣ったのか、鳩山由紀夫氏、菅直人氏、小沢一郎氏に対するインタビューを中心に構成されていた。
 
 この三名の発言を正確に聞き分けた視聴者には事実が正確に伝わったと思われる。
 
 しかし、予想通り、NHKの番組構成は、偏向に満ち溢れたものであった。
 
 すべての変遷を「権力闘争」であると決めつけ、その権力闘争劇の中心に小沢一郎氏を位置付けようとの意図がありありと示されていた。



NHKの劣化、良識の欠落は救い難い段階に進行している。
 
 NHKの解体を実行しなければならない。
 
 NHKの最高意思決定機関は経営委員会である。その経営委員会委員の任命権は内閣にある。つまり、内閣は経営委員会人事を通じてNHKを完全支配できる立場にある。
 
 NHK改革の基本は、NHKの最高意思決定機関の委員を視聴者による公正な選挙で選ばれた者にすることである。この委員によって構成される委員会に最高権限を付与するのだ。委員会の名称は経営委員会でも放送委員会でも何でもよい。
 
 現在の腐ったNHKが一般国民から放送受信料を強制徴収するのは、日本国憲法が定める財産権の侵害に当たる。NHK放送の内容が偏向していると考える視聴者は日本国憲法を盾に受信料支払いを拒否するべきである。NHKが騒いだ場合には訴訟に持ち込むべきだ。
 
  
 
 この2年間の政治を一瞬たりとも目を離さずに見てきた者は数多くいる。私もその一人だ。
 
 2010年6月の政変と菅内閣の基本性格については、『日本の独立』に詳述した。
 
 菅内閣以降の政権は私たち主権者国民の信託を受けた政権ではない。
 





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 NHKスペシャルに欠けていた視点は、「政治はどうあるべきか」という視点である。
 
 この根源的な問いに対する苦渋に満ちた葛藤、模索がこの2年間の政治混迷の底流を流れた水脈である。
 
 その問いを考慮することもなく、ただ単純に「永田町の権力闘争」と決めつけたところに、NHKの浅薄な悪意が存在する。



「政治はどうあるべきか」の根源に位置付けられる問いは、
 
「政治が国民主権を実現しているか」
 
である。

 





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憲法が定める政治の根本原則は、国民主権である。国政は、「国民の厳粛な信託によるもの」なのだ。
 
 しかし、戦後の65年余の間、この根本原則は日本政治に体現されずに現在に至った。国民主権の政治が実現しかけたことは何度かあった。しかし、国民主権の政治を日本の根本原則に定めた米国自身が、米国の事情でこの根本原則を変更してしまった。
 
 日本国民ではなく、米国を中心に官僚機構と大資本が主権者である政治を米国が日本に定着させ、現在に至ったのである。
 
 GHQはNHKの民主化も手掛けた。しかし、この民主化も、米国本国の外交方針の転換により中止された。その結果、NHKは民主的な公共放送ではなく政府が支配する御用放送局として位置付けられ、現在に至っている。



米国、官僚、大資本が支配する日本政治を、憲法上の主権者である国民が支配する日本政治に転換しようとしたのが2009年8月の総選挙だった。
 
 総選挙に際して政党が政権公約を明示する。主権者国民が政権公約を比較検討して政権政党を選択する。政権を担うことを国民から負託された政党は、主権者国民との契約=政権公約を責任を持って実行する。
 
 次の総選挙の際、政党および首相は国民の審判を受ける。そしてまた、新しい政権任期が始動する。



2010年6月政変で権力を奪取した菅直人政権は、2009年8月総選挙での国民との契約を踏みにじった。2010年6月17日、参院選マニフェスト発表会見で、主権者との契約を踏みにじる消費税増税を政権公約に掲げた。
 
 このこと自体が、主権者国民に対する背信行為である。
 
 しかし、菅首相は2010年7月参院選を菅内閣に対する信任投票だと位置付けた。新しい政権公約を掲げ、それを国政選挙である参院選で問い、主権者国民の声に従うということであれば、それはそれで、ぎりぎり筋は通る。
 
 政権の枠組みは衆議院総選挙結果に従うものだから、参院選で政権公約を変更することは正しくはないが、国政選挙での国民の審判に判断を委ねるというのなら、正統性の根拠としては認められなくはない。
 
 この参院選で菅民主党は惨敗した。したがって、この時点で菅首相は辞任しなければならなかった。小沢一郎氏が選挙で負けた以上、責任を取らなければならないと述べたのは正論そのものである。
 
 そして、NHKは参院選前に菅内閣が「参院選が菅内閣に対する信任投票である」ことを明示したという最重要の事実を伝えていない。
 
 
 正統性のない菅政権、主権者国民に対する背信行為を続ける菅政権を倒さねばならないと小沢一郎氏が考えたことは、民主主義を尊重する行動であって、「権力闘争」ではないのである。






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無責任・無節操・無能力の前原誠司氏は要職辞せ

2011-12-27 04:02:40 | 植草一秀氏の『知られざる真実』

無責任・無節操・無能力の前原誠司氏は要職辞せ




2011年の年間回顧を続ける。

 第1回に全体像を記述した。3.11の大震災・原発事故が日本全体を覆い尽くすなかで、消費税という縦糸と小沢氏攻撃という横糸が絡み合って、民主党政治転覆という布地が織り込まれた。これが、2011年の全体像だ。
 
 第2回記述では、原発事故問題を取り上げた。決して起こしてはならない人類史上最悪レベルの核暴走事故、放射能放出事故が発生した。公式には死者が出ていないことにされているが、東電の作業に従事した者のなかから、すでに多数の死者が発生している。原発放射能が関わっていることは間違いないだろう。
 
 この事故は明らかに人災である。この点は、皷紀男東京電力代表取締役副社長が現地を訪問した際に明言している。
 
 産業技術総合研究所などの学術研究の結果から、東北地方太平洋岸に巨大津波が450~800年の再来間隔で襲来していることが明らかにされていた。この事実に照らし、東電の津波対策が不十分であることが繰り返し指摘されてきた。
 
 政府の公式な審議会である総合資源エネルギー調査会の部会でもこのことが討議され、産総研の代表者が津波対策の不備を強く警告した事実が残されている。
 
 この調査結果はもちろん東電にも報告されていたが、原発設備を統括する本店原子力設備管理部は、そうした大津波は現実には「あり得ない」と一蹴して津波対策を講じなかったと報道されている。
 
 津波対策を拒絶した原子力設備管理部の初代部長を、発足時から2010年6月まで務めたのが事故発生時に福島第一原発所長を務めていた吉田昌郎氏である。



起こしてはならない原発事故を起こしてしまった最大の理由は、専門機関が再三にわたり警告してきた津波対策を、東電が実施してこなかったことにある。
 
 トラックのタイヤのボルト締め付けの不具合が繰り返し指摘されてきたにもかかわらず、改善策を講じず、タイヤが車両から脱落して人身事故を引き起こした場合、トラックの不備の対策を講じなかった自動車メーカーは民事上の責任だけではなく、刑事上の責任も問われるだろう。
 
 東電が民事上の損害賠償責任を問われるのは当然であるし、刑事上の責任も問われる必要がある。
 
 しかし、野田政権は公的資金で東電を救済しようとしている。32人も警察関係者の天下りを受け入れているから、東電に対する刑事責任の追及は、皆無の状況が続いているのか。
 
 2012年には電力料金の大幅引上げが申請されるという。
 
 このような無法を放置して日本は法治国家、民主主義国家と言えるのか。

 





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民主党政権が誕生してから2年、日本政治の刷新が期待された、あの高揚した空気はいまはどこにも存在しない。
 
 主権者国民がないがしろにされている。主権者国民がこけにされている。
 
 その主因は、いまの民主党執行部にある。
 
 政権交代の理念を根底から変質させてしまったのは、現在の民主党執行部、悪徳8人衆にある。



第三回では、財務省が仕切る財政運営と天下り根絶無き消費税の問題を取り上げる。
 
 この問題の原点は、野田佳彦氏の演説に明確に示されている。野田氏のこの発言をテレビは繰り返し放映する必要がある。
 
「私どもの調査によって、ことしの五月に、平成十九年度のお金の使い方でわかったことがあります。二万五千人の国家公務員OBが四千五百の法人に天下りをし、その四千五百法人に十二兆一千億円の血税が流れていることがわかりました。
 
 これだけの税金に、一言で言えば、シロアリが群がっている構図があるんです。そのシロアリを退治して、働きアリの政治を実現しなければならないのです。残念ながら、自民党・公明党政権には、この意欲が全くないと言わざるを得ないわけであります。
 
 天下りをなくし、わたりをなくしていくという国民の声にまったく応えない麻生政権は、不信任に値します。」
 
 野田政権には、シロアリを退治して働きアリの政治を実現する意欲がまったくないと言わざるを得ない。
 
 天下りをなくし、渡りをなくしていくという国民の声にまったく応えない野田政権は、不信任に値する。



前原誠司氏は民主党政権が発足したとき、国交相に起用された。そもそも、このような能力の低い人物を閣僚に起用したことが間違いだったが、就任して直ちに八ッ場ダムの建設中止方針を明示した。
 
 現場に足を運び、関係者の意見をまんべんなく聞く。八ッ場ダムの現状と実情をありのままに把握する。その上で建設継続なり、建設中止なりの決定を示すべきであった。しかるべきプロセスを踏まずに建設中止の方針を示したことが事態をこじらせる大きな原因になった。
 
 結局、八ッ場ダムの建設は継続されることになった。
 
 民主党政権の公約を破棄せざるを得なくなった責任は前原誠司氏にある。
 
 政府が八ッ場ダム建設継続の方針を示した際、前原氏は党が政府予算案を認めないと明言した。それが、1日後には、政府に一任するとして、白旗を上げる。その行動には信念も理念も責任感もない。体を張ってでも八ッ場ダム建設を阻止するというのなら、政調会長の職を賭す程度のことは必要不可欠だろう。
 





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 消費税についての発言はどうなのか。前原氏は少し前まで、消費税増税に反対の意向を表明していたのではないか。8月29日の民主党代表選でも消費税増税反対を明言していたのではないか。
 
 それが、いつのまにか消費税増税賛成に転じている。さらに、消費税率10%以上が必要などとの主張を始めている。
 
 要するに、節操がないのだ。







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