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屈辱的対米隷属実態を隠すためのタカ派姿勢

2013-05-03 19:24:05 | 植草一秀氏の『知られざる真実』

屈辱的対米隷属実態を隠すためのタカ派姿勢




いまから66年前の今日、日本国憲法が施行された。


そこで5月3日が憲法記念日とされ、国民の祝日とされた。


安倍晋三首相は日本国憲法がお嫌いのようである。


5月3日よりも4月28日の方が好きなのだろう。


4月28日は沖縄を切り捨てることによって日本が主権を回復した日。


沖縄にとっては「屈辱の日」である。


この「屈辱の日」に記念式典を実施するというのは、筋金入りの沖縄迫害主義者、沖縄差別主義者である。


沖縄はいま、県をあげての抗議と怒りに包まれている。



サンフランシスコ講和条約は第6条に、日本の主権回復の後の、速やかな駐留外国軍隊撤退を定めている。


しかし、敗戦から67年が経過したいまも、占領軍が依然として日本に駐留し続けている。


サンフランシスコ講和条約とともに吉田茂が日米安全保障条約に署名したからである。


日米安全保障条約というのは、サンフランシスコ講和条約第6条が定めた駐留外国軍隊の撤退条項を無効にするものである。


サンフランシスコ講和条約第6条には但し書きが書き加えられており、この但し書きを有効にするべく、日米安全保障条約が締結された。


したがって、4月28日の持つ第一義は、日米安保であり、米国による日本支配である。


日本の主権回復は表向きの偽装看板であり、看板のなかに隠れている真相は、米軍の日本駐留継続であり、日本の属国化である。


つまり、4月28日を日本の新たな記念日にするとの提案は、日本が米国に「臣下の礼」を取ることを意味している。


米国に対して「恭順の意」を示すことに他ならない。



その一方で安倍氏はタカ派の本性を剥き出しにし始めている。


安倍内閣の閣僚による靖国参拝に対して近隣諸国から反発が示されると、「いかなる脅しにも屈しない」

とのメッセージが発せられる。


近隣諸国からは、それはこっちのセリフだという言葉が聞こえてくる。


安倍氏はネット選挙のイベントでは、迷彩服をまとって戦車に乗り込んでアピールする行動まで示している。


米国に対する隷従と近隣諸国に対する高圧的な姿勢は、一種の倒錯であるが、日本近現代史研究家でオーストラリア国立大学名誉教授のガバン・マコーマック氏はこの点を次のように指摘する。


「安倍晋三首相は戦前の価値観に回帰する憲法をつくるため、国家に『誇り』を持つよう歴史の修正を試みてきた。自衛隊の国防軍化や愛国心教育の推進、国旗掲揚や国歌斉唱の義務化などの動きを続けている。」


「日本はジャパン・ハンドラーを通じて米国の国益にかなう政策をくみ取り、実行してきた。一方でその屈辱的な国の在り方は正当化せねばならず、安倍首相は勇ましい姿勢や国歌賛美の姿勢を通し、実態を覆い隠そうとしているのだろう。


『ねじれ国家体制』を最も体現していると言える。その結果が今回の(主権回復)式典だ。」


(琉球新報社によるガバン・マコーマック氏インタビュー記事より抜粋)



そのうえで、マコーマック氏は、4月28日の式典強行実施に対して日本政府に異議を申し立てる沖縄県民の行動について次のように論評する。


「県民の奮闘には偉大な価値があり、現代史の支えになるほど重要だ。民主主義、立憲主義、真実の追求のため力を注ぎ続ける県民から、私は多くを学んでいる。」


(上記琉球新報社インタビュー記事より転載)


マコーマック氏の指摘は正鵠を射るものだ。


安倍首相は「屈辱的な国の在り方」という実態を覆い隠すために勇ましい姿勢や国歌賛美の姿勢を示している。

これをマコーマック氏は「ねじれ国家体制」と表現している。



近隣諸国に対する高圧的な姿勢は、米国に対する卑屈な隷従姿勢の裏返しの行動なのである。


弱い者は、強い者にひざまずく一方で、相手を下と見ると高圧的に対応する。


真に強い者は、強き者に対してもひるむことなく振る舞い、弱き者に対しては敬意をもって対応するものだ。



安倍首相はメディアが安倍政権を絶賛する風を活用して参院選を乗り切り、憲法改正を一気呵成に実現することを目論んでいる。


このなかで参院選争点として掲げられているのが96条改正である。


憲法改正要件を定めた条文だ。






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