格差階級社会をなくそう

平和な人権が尊重される社会を目指し、マスゴミに替わって不正、腐敗した社会を追求したい。

橋下徹氏発言の背後にある人権侵害肯定価値意識

2013-05-16 20:21:00 | 植草一秀氏の『知られざる真実』

橋下徹氏発言の背後にある人権侵害肯定価値意識




焦点は国権と人権との位置付けである。


国民を国家の一部=手段=道具と見なし、国民を国家のために活用することを肯定する立場と、国民と国家との間には、根源的な緊張関係があり、国民の権利に対する国家の介入に最大の警戒を払う立場との間には天地の開きがある。


これが国権と人権の問題だ。


この問題に敗戦後の日本が示した究極の回答がこれだ。


日本国憲法


第九十七条  この憲法が日本国民に保障する基本的人権は、人類の多年にわたる自由獲得の努力の成果であつて、これらの権利は、過去幾多の試錬に堪へ、現在及び将来の国民に対し、侵すことのできない永久の権利として信託されたものである。


基本的人権は、


「人類の多年にわたる自由獲得の努力の成果」


であり、


「過去幾多の試錬に堪へ、現在及び将来の国民に対し、侵すことのできない永久の権利として信託されたもの」


と規定した。


国権ではなく人権重視、なのである。


そして憲法は、国家権力=国権が人権を侵害しないよう、国家権力を縛るために制定される。


これが立憲主義の考え方である。


日本国憲法は第11条にも次の条文を置く。

第十一条  国民は、すべての基本的人権の享有を妨げられない。この憲法が国民に保障する基本的人権は、侵すことのできない永久の権利として、現在及び将来の国民に与へられる。



橋下徹氏の


「従軍慰安婦は必要だった」


発言は、人権に対する国権の優越を是認する橋下氏の判断を示すものである。


そもそも、戦争そのものが国権による人権の侵害である。


安倍晋三氏は靖国参拝を正当化する理屈として、


「国家のために命を捧げた英霊に敬意を表し、その御霊を敬う行為」


と主張するが、国家のために命を失った人のほとんどは、基本的に国家によって不本意に命を奪われた人々である。


戦争行為そのものが、もっとも深刻な人権侵害行為である点を見落としてはならない。



長崎の原爆投下で被曝しながら、被爆者の救済に命を捧げた永井隆博士が「花咲く丘」に記した次の言葉。


「戦争はおろかなことだ!戦争に勝ちも負けもない。あるのは滅びだけである」


沢木耕太郎氏はクリント・イーストウッド監督の映画「父親たちの星条旗」に込められた真のメッセージが次のものであると批評する。


「戦争を美しく語る者を信用するな。彼らは決まって戦場にいなかった者なのだから」


そして、クリント・イーストウッド監督は、


「ずっと前から、そして今も、人々は政治家のために殺されている」


と語る。


戦争は国と国の間で行われるものではない。


安全な場所にいる戦争指揮者と前線の兵士・民衆との間で行われるものである。


国家権力は、前線の兵士も前線の従軍慰安婦も、そして前線の市民も、敵味方の区別なく、権力の所有物として、その尊厳と命を踏みにじってきたのだ。

橋本徹氏、石原慎太郎氏、安倍晋三氏に共通する特性は、国家の権力の名の下に、民衆=人民=国民を虫けら同然に扱う、権力者の傲慢と高慢を濃厚に備えていることだ。



彼らは、戦争を煽り、戦争を創作し、人民を虫けら同然に扱う。


その一方で、戦争を美化し、虫けら同然に扱った人々を祀る施設を、英霊を讃える場所として美化する。それは、戦争遂行の道具として、虫けらの人民を再生産する必要があるからである。


さらにいま、憲法を改正して、永久不可侵であるとする基本的人権に関する記述を大幅に削除し、国家権力のためには基本的人権を制限できるとする新しい憲法を導入しようとする。


その立ち位置には決定的に重要な特徴がある。


それは、彼らが、常に、一般大衆の側にではなく、一般大衆を支配する権力者の側に居続けるとの前提が置かれていることだ。



彼らの頭のなかには、二つの種類の人間が存在する。


支配する者と支配される者である。


彼らは、自らを支配する側に所属する者として認識し、これとは無関係の、他者としての、支配される側の存在として一般大衆を位置付ける。


支配者にとって、一般大衆は、自らの利益、自らの目標を達成するための道具に過ぎない。


この道具を再生産し続けるために、使い捨てた一般大衆の死者を祀る施設を美化し、参拝を続けるのだ。

橋本徹氏や石原慎太郎氏の言葉は、従軍慰安婦制度を肯定する以前に、戦争そのものを肯定している。


従軍慰安婦制度が人権侵害であると同時に、戦争そのものが人権侵害であるという、根本的な事実に対する認識が完全に欠落している。







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仰天!TPP事前協議を日本勝利だとする安倍政権

2013-05-16 18:57:16 | 植草一秀氏の『知られざる真実』


仰天!TPP事前協議を日本勝利だとする安倍政権




安倍政権はアジア諸国に対しては非礼で強硬な姿勢を示すが、米国に対しては何も言えない。


弱腰、屈辱の外交姿勢である。


ひれ伏す外交。言いなりになる外交である。


これを対米従属、対米隷属という。


4月27日付の琉球新報に掲載された日本近現代史研究者でオーストラリア国立大名誉教授のガバン・マコーマック氏に対するインタビュー記事に記されたマコーマック氏の次の言葉が、正鵠を射ている。


http://goo.gl/NyWfC


「日本はジャパン・ハンドラー(日本の政策に影響を与える米国の知日派官僚ら)を通じて米国の国益にかなう政策をくみ取り、実行してきた。一方でその屈辱的な国の在り方は正当化せねばならず、安倍首相は勇ましい姿勢や国家賛美の姿勢を通し、実態を覆い隠そうとしているのだろう。


『ねじれ国家体制』を最も体現していると言える。その結果が今回の式典だ」


今回の式典とは、沖縄を切り捨てること、米軍の駐留継続を認めることによって日本が主権を回復した4月28日に、これを記念するために安倍政権が実施した式典のことである。


国会審議が行われているが、日米地位協定、TPPに関する安倍晋三氏の答弁は、安倍氏の対米隷属姿勢を鮮明に示すものである。


他方で、日本の侵略戦争に対する歴史認識などについては、これまでの政府見解を素直に肯定せず、外交的な摩擦を引き起こしている。



TPPの日米事前協議について、安倍政権は驚くべき答弁を示した。


日米事前協議内容は、日本が米国に一方的に譲歩し、米国の要求を丸呑みしたものである。


それを安倍政権は、日本が交渉によって、大きな果実を獲得したものであると答弁したのだ。


冗談も休み休みにしてほしいというのが、事実を知るほとんどの国民の反応であろう。


日米事前協議で決定されたことは何か。


この内容が日本政府の発表資料には記載されていない。


米国が発表した資料にだけ記載されているのである。


具体的に重要な事項だけを取り出すと次の三つになる。


1.日本政府はアメリカとの協議において、日本車の輸入関税はTPP交渉の他のいかなる製品に猶予された最長期間よりもさらに遅い時期において段階的に廃止されることに合意した。



2.日本政府は、簡易許可手続き(PHP)すなわち日本に輸出される米国車に対してより簡単で時間のかからない認証方法での輸入台数を二倍以上にすることを一方的に決定して通告した。



3.日本政府は、日本郵政の保険に関して、民間の保険会社に日本郵政と平等な競争条件が確保され、また日本郵政の保険が適切なビジネス経営(非公営)の下で運営されていると日本政府が決定するまでは、いかなる新規のあるいは修正されたがん保険及び単独の医療保険を許可しない、ということを一方的に通告した。


この内容のどこが日本の勝利になるのだろうか。



甘利明担当相の答弁によると、米国の自動者関税が将来撤廃されることを勝ち取ったということらしい。


ものは言いようである。


上記の一番目の事項は、自動車関税の引き下げを、


「他のいかなる製品に猶予された最長期間よりもさらに遅い時期において段階的に廃止される」


ことを決めたものであって、関税引き下げ措置について、米国の輸入自動車が、すべての品目のなかで最大に優遇される(関税引き下げを先送りする)ことを決めたものなのである。


これに対して、日本が「聖域化」を求めている


米、麦、牛肉、乳製品、砂糖


については、何ひとつ具体的な取り決めが行われなかった。



安倍政権がこれらの五品目については、関税を維持することを確約するなら、米国の自動車関税が将来撤廃されることは成果になるかも知れない。


しかし、そのような確約を安倍氏は示していない。


安倍氏が発言するのは「聖域なき関税撤廃を前提とはしない」ということだけで、「結果として聖域なき関税撤廃を絶対に受け入れない」とは、一度も発言していないのだ。


明らかに、ペテンの姿が示されている。



さらに、上記三項目のうちの第二と第三は、米国の内政干渉要求を、何の抵抗もせず、しかも、「日本政府が一方的に決定して通告した」とまで表現されて、提示したものである。


これを国辱外交と言わずして何と言えるのか。


カツアゲした悪ガキがいて、説明を求めたら、この悪ガキが、


「こいつが、一方的にカネを差し出すことを決定して、カネを差し出してきた」


と説明しているようなものだ。


しかも、カツアゲされた少年に話を聞くと、この少年も、


「自分の方で一方的にカネを差し出すことを決定して、カネを差し出したもの」


と説明しているのと変わらない。






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安倍首相が、内閣官房参与の飯島勲に北朝鮮訪問を命じた事情  

2013-05-16 18:50:23 | オルタナティブ通信

安倍首相が、内閣官房参与の飯島勲に北朝鮮訪問を命じた事情


 小泉政権時代、首相の北朝鮮訪問を実現させ、

拉致被害者の一部帰国を実現させた飯島勲が、

2013年、安倍内閣の内閣官房参与として北朝鮮を訪問した。

この北朝鮮訪問につき、事前に通告が無かったとして、米国政府は不快感を表明している。


 小泉政権時代、北朝鮮が必要としている「ある物資」につき、飯島は内閣官房機密費によって国際市場で買い付け、

北朝鮮に「進呈」し、見返りに拉致被害者の一部帰国を手に入れた。

国際市場では12億円弱で購入された「ある物資」は、内閣には100億円で購入と報告され、

差額の88億円余りは、ピンハネされ、自民党の選挙資金となった。

ピンハネされたのは、国民の支払った税金である。

2013年7月の参議院選挙の選挙資金「調達」のため、安倍首相の命を受け、飯島は小泉時代の「同工異曲」を演じている。

今回は、北朝鮮の核ミサイル開発に関与してきた北朝鮮内部へのパイプを持つ英国のICI等が仲介となり、

ロンドンの金融スジが飯島のバックに付いていたため、米国は「無視」された。

米国系デリヴァティブ・ヘッジファンドを使い、米国がヨーロッパ金融危機を作り出した事に対する、

英国の反撃=米国へのイヤガラセに、安倍が「乗った」形となり、

オバマ=安倍首脳会談で、「軽く扱われた」安倍の返礼が行われた事になる。

安倍は、当然、今後、米国からの反撃を予想しなければならない。

第一次安倍内閣も、それで引責辞任となった安倍は、今回は「準備万全」であるのか?




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