阪神の株はどのくらいの価値があるのか、とうとう阪急ホールデングは、村上フアンドの同意なくTOBに踏み切りました。
30日から公開買い付け価格を930円で実施すると、発表しました。
現在、村上氏の保有比率は約47%ですが、目標は45%としています。
つまり、村上フアンドがこの買い付けに応じた場合、約2%を村上フアンドが持つことになります。
一時は、村上側は1200円を提示したと伝えられていますが、阪急側は、800円台を主張していました。 現在の株価は、村上フアンドによって実力以上の高値を付けているので、適正価格での買いつけを主張していた阪急側は、歩み寄りと見られる930円を逆に提示したものと思われます。
このTOBが成り立てば10月1日にも阪急・阪神が統合され、阪急・阪神ホールデイングとして新会社になりますが、阪神は、阪急の子会社化され、上場廃止となります。
村上フアンドも、フアンドとしての役割を果たすのには、今回がまたとないチャンスですが、村上氏のプライドがこれで済まされるか疑問です。
TOBを受けるにしても何らかの注文を付けるのではないかと危惧されます。
阪急も阪神を子会社するのに、それだけのメリットがあるのかも、疑問です。
阪神の不動産に魅力があるとのことですが、両社の競合する鉄道、タクシー、バス、ホテル、流通関係等をどのように統合してゆくのか、リストラも伴うのではないのでしょうか?
阪神タイガースは、名前はそのまま残るにしても、母体が阪急となれば複雑な気持ちです。
どちらにしても、村上氏は阪神の価値を挙げると言いながら結果として、阪神の価値を下げ、阪神単独の名を失くしてしまい、ひいては阪神の社員をも路頭に迷わせることになった罪は深いです。
阪神も最善の方法が阪急HDとの統合ではなかったはずで、村上フアンドに株を買い占められたことが、不幸の始まりであり、同時に経営者の無防備さも問題視しなくてはなりません。
とも角、大手私鉄の統合は、戦後初めてで、今後どのように再編されるのか、その前に村上フアンドがこのTOBにどのような態度を示すのか、当分は目が離されません。