徒然なるまま”僕の趣味と遊ぶ”

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映画 「 殿、利息でござる!」

2016年05月15日 17時00分09秒 | 映画・社会

原作は、磯田道史氏の「無私の日本人」に収録されている「穀田屋十三郎」の映画化です。
今から240年程前の江戸時代中期の仙台藩吉岡宿は、生活が苦しく、ここから出てゆく人が増えていた。

というのも、吉岡宿は重い年貢の取り立てだけではなく、伝馬役という大変な課役も追わなければならず、人が減れば残った人らの負担がのしかかり、そうなればさらに人が減るというという悪循環に陥りました。

   

それをなんとかしたいと考えたのが穀田屋十三郎(阿部サダオ)でした。
そんな中、知恵者といわれる管原屋篤治(瑛太)がある秘策を打ちだします。
それは、財政が困窮している仙台藩に金を貸して、その利息をとり、その金で伝馬役の課役の負担を軽くしようとするものでした。

その目標額が千両(今の金にして約3億円だそうです)。
しかし、貧しい宿場町にこのような大金がすぐに調達できません。
これが明るみに出れば打ち首は必至。
しかし、秘密裡に計画は進んでいるように見えたのですが、酒屋の”とき”(竹内結子)かその秘密が村民に漏れていきます。

十三郎とその弟の浅野屋甚内(妻夫木聡)との幼少時代の確執を乗り越え、また村民の仲間たちも水面下で大金を集めようと知恵を絞ります。

管原屋は、村の有力者の肝煎(きもいり=庄屋のこと) 遠藤幾右衛門(寺脇康文)その上司の大肝煎 千坂仲内(千葉雄大)の賛同をとり、藩に嘆願書を提出まで漕ぎ付けますが、その結果は・・・

  
  

なにしろ取られる側から取る側に回るという逆転の発想の奇策だけに、簡単にはいきません
最後に、藩主 伊達重村(羽生結弦)まで登場しての判定となりますが・・・
これから何十年とこの利息は藩から払われ続けたそうです。
一旦は中断されるも、幕末まで続いたとか、そして穀田屋は平成の今も商売を続けています。

この話には、悪人はおりません。
この話は、実話を小説にしたもので、当時の古文書  " 国恩記 "に載っているそうです。