きみ想い ゆっくりと回る大風車 ちいさき李 花綻びて
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わが園の 李の花か 庭に散る はだれのいまだ 残りたるか 大伴家持
琵琶湖博物館は天気は良かったが、やはり風が強い。仁王立
ちの一基の風力発電機のプロペラがゆっくりと旋回する。彼
女といっしょにきたかったが。シンポジウム『びわ湖の森の
生き物』に参加。会場は満席(約三百名)。嘉田由紀子知事
は公務でビデオ・メッセージ参加。
スモモ(酢桃、李、学名:Prunus salicina)はバラ科サクラ属の
落葉小高木。中国原産。スモモの果実はモモに比べて酸味が
強いことが、和名の由来となっている。漢字では「李」とも
書かれる。英語では「prune(プルーン)」、「plum(プラム)
」などと呼ばれる(ただしウメも「プラム」と呼ばれること
がある。)。古くから日本に伝わっており、和歌などにも詠
まれる。農園で栽培される他、自生しているものもある。
古く中国より伝来の「スモモ」。花言葉は「忠実」「貞節」。
■ 山崎亨
イヌワシは、勇壮で力強く、孤高かつその美しい姿のために、
古くはローマ時代から権力の象徴として王家の紋章や部族の
シンボルとして広まる。日本各地に伝わる天狗伝説は山里に
生きる人々が自然界への畏怖心から創り出された。1950
年代まで日本アルプスなど極く限られた場所にだけ生息する
と考えられていたが、日本各地に生息していることがわかっ
きたという。現在、日本で生息が確認されているイヌワシは
約300羽。イヌワシの食物となる動物であるノウサギやヤ
マドリが減少し、密猟や環境汚染物質の影響などで絶滅が危
ぶまれている。イヌワシは森林生態系の食物連鎖の頂点に位
置する種で、イヌワシの適正生態環境は人間にとっても重要
な環境であるといわれる。
イムワシ分布
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クマタカは山地に住むワシのひとつで、翼を広げると約2m
にもなる大型の鳥。世界的に分布域が狭く、個体数が少ない
希少な野生動物。生態系の頂点に位置するため、生息数はも
ともと少ないうえ、最近の森林の荒廃、動物が多く生息する
ことができる広葉樹林の減少と、それによる食物となる小動
物の減少、 PCBなどの化学物質による生息環境の汚染など
で、近年急激に生息状況が悪化。そのため、絶滅のおそれの
ある野生動植物のひとつとして、「絶滅のおそれのある野生
動植物の種の保存に関する法律」(種の保存法)により、国
内希少野生動植物種に政令指定され、環境省のレッドリスト
では絶滅危惧ΙB類(EN)に指定され保護対策が行われている。
■ 藤岡康弘
ビワマス(琵琶鱒 - 学名:Oncorhynchus masou rhodurus、英:
Biwa trout) は、サケ目サケ科に属する淡水魚。日本の琵琶湖
にのみ生息する固有種である。産卵期には大雨の日に群れを
なして河川を遡上することから、アメノウオ(雨の魚)とも
呼ばれ、成魚の全長は40-50cm ほどで、大きくて全長70cmを
超える。サクラマスと同じくヤマメの亜種であり、DNAの特
徴も外観もサクラマスに近いが、サクラマスよりも眼が大き
いので見分けがつき、近年の琵琶湖には放流されたニジマス
やアマゴ等他のサケ科魚類も多数生息しているため、本種に
限らず琵琶湖で捕獲されるサケ科魚類を総称してビワマスと
呼ぶこともあるという。 潜水ロボット「淡探(たんたん)」
琵琶湖固有種であるアナンデールヨコエビ(Jesogammarus an-
nandalei)について琵琶湖北湖の水平分布は、湖底水温が周年
を通して10~15℃以下の地点に偏り、水温が本種の水平、鉛
直分布を決定する重要な環境要因とされる。ヨコエビの減少
は琵琶湖の生態系にも影響する。ヨコエビはイサザの餌とな
っており、ヨコエビが減ると、イサザが代わりに動物プラン
クトンをたくさん食べるようになる。その結果、同じプラン
クトンを食べるアユとの競合を招き、イサザもアユも減少す
るという「負の連鎖」を引き起こす。
■ 寺本憲之
ブナ(山毛欅、橅、椈、学名:Fagus crenata、シノニム F. sie-
boldii、F. ferruginea)とは、ブナ科ブナ属の木。落葉広葉樹で、
温帯性落葉広葉樹林の主要構成種。中国語で「山毛欅」とは、
本種ではなく中国ブナの一種を指す。「橅」は近年作られた
日本文字で、一般に(日本)ブナの意味に使われている。温
帯域に生育する落葉樹である。高木。大きいものは高さ30m
にも達するものがある。樹皮は灰白色できめが細かく、よく
地衣類などが着いて、独特の模様のように見える。葉は楕円
形で、薄くてやや固め、縁は波打っていて、鋸歯と言うより
は葉脈のところで少しくぼんでいる感じになる。冬芽は褐色
の鱗片に包まれ、茎が伸びた後もそれがぶら下がっている。 オオトビスジエダシャク
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‘母なる湖、父なる森’をキャッチ・コピーに今回のテーマ
は地球温暖化と荒廃する山間部。①マルサスの『人口論』を
破綻させる‘天狗伝説’のイヌワシ生態。生態の頂点を極め
る条件は、「少産効率生殖」(イヌワシの雛の兄弟殺し;The
Cain and Abel battle/クマタカの一人っ子戦略)。「狗鷲と熊
鷹は『びわ湖』の守り神=生存の危機⇒「びわ湖の森」の危
機⇒びわ湖や生活環境の危機(山崎亨)。②今年をもって県
下の養蚕農家が消滅。5500種もの蛾蝶(鱗翅)の幼虫の
568種以上がブナ科落葉広葉樹(ドングリの木)だけに生
息、食性進化から鱗翅は太古から利用、放置すれば優占種林
に、過度伐採は自然破壊につながる。そのバランスが難しい
のがブナ類で人口管理する里山(寺本憲之)。③なぜ、ビワ
マスはアナンデールヨコエビしか食餌しないのか。480本
の河川の水温上昇、河川のダム等の遡上分断等による消滅危
機(藤岡康弘)。④霊仙山、綿向山の氈鹿(カモシカ)を調
査、ニホンジカの繁殖と反比例し激減(名和明)。 カモシカ
パネルディスカッションはこの危機的状況をいかに運動とし
て克服していくのか議論されたが字数制限からこの辺でまと
めておき、機会があればブログで考えてみたい。県民ひとり
当たり八百円の税金を投入(≠目的税)。「森林づくり条例
」「山の子運動」等の山村活性プロジェクト推進(余呉町の
小原籠)を行っている。また、河畔林(⇒小渓流に繁茂する
森林は渓畔林として区別の重要性を再確認する場となった。
もう少し言うと①産業革命以降の環境破壊の幾何級数的な進
行と②高度資本主義社会のひずみ(富の偏在+過度の外需依
存と国内産業の疲弊+都市部への集中と過疎化+少子高齢化)
といった地政的或いは歴史的な構造に問題があるということ、
その解決には思慮をもって事にあたるということなるだろう。
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