春待てど 戻す波間に不安消す 白き雛菊添いてきみと待つ
■ 川那部浩哉
イーグルアイの続き。藤岡康弘の『川と湖の回遊魚ビワマスの
謎を探る 』(サンライズ出版)の帯の川那部浩哉言葉に「地
球上で最も旨いサケマスはサクラマス群だろう。その一つで
ある琵琶湖固有のビワマスを。子どものときから『魚つかみ』
の好きだった藤岡さんが縦横に語ったもの。おもしろくないは
ずがない。」に吸い込まれた。かって仕事で中国の人達を迎え
醒ヶ井養鱒場でニジマスフルコースを昼食に用意したが、刺身
だけは一口だにしなかった経験があった。理由はそんな風習は
ないとのことだったが、風土病等で生魚は敬遠したのだ(中国
プラント建設プロジェクトのメンバーの多くが得体の知らない
午前中はなんともないが、午後から37℃弱の微熱が続く病に
悩まされたこともあり、リスクの高かそうな中国料理は出来る
限り口にしなかった⇒上海がにの蒸し焼き料理を食べ多数のメ
ンバーが食中りになった経験もある)。 養殖池(醒ヶ井養鱒場)
しかし、一転し世界の食は『和の時代』。刺身、すし、天麩羅、
なら滋賀県の醒ヶ井から世界に打ってでて、「冷凍・解凍・加
工」をパッケージし売り込みに行こうではないか。‘良品・安
心、びわ湖産のすし・刺身ねたの『桜鱒-SAKURA MASU』を
必要な消費者だけに奉仕値段で提供する‘MOTSUTAINAI-贈与
経済’(高品位中量生産)を実現してみてはどうか。
■
話を戻す。猛禽類のサミットの狗鷲は食物連鎖でPCBの蓄積
が一番。‘少産効率生殖’が自然の掟であれば、ほ乳動物のサ
ミットのホモサピエンスも化学物質の蓄積量もトップだけでな
く、猛烈な勢いで自然破壊(=自然加工)してきたとんでもな
生物だ。そして、高度消費(資本主義)社会は、‘死せるマル
クス’を甦らせた。いわく、‘グローバリゼーションという世
界の富を貪り徘徊する怪物’の所業の果てが、「自己責任」を
放棄し、‘核ミサイル’で他国を恫喝させながら、その破綻を
自国民に尻ぬぐいをさせたという紛れもない事実を、実は‘イ
ーグル’ではなく頭隠して尻隠さずの‘孔雀’だったという事
実を晒したという貴重な体験をした。
序でに言いつのると、足は‘馬脚’で、‘法衣(キリスト教)’
の下は‘鎧’だったと。四半期毎に投資判断を迫られ、‘狂騒・
走狗’したホリエモンらの所業は記憶に新しい、また、付和雷
同した政治家、経済人、マスコミも同罪ではないだろうか ^^;。
前出の川那部浩哉はいう。「時間をもう少し長い目で見ません
か、といいたい。生態学では千年、万年単位で考えます。最近
よく『勝ち組』『負け組』といいますが、どの時間で考えるか
によってそれは変わってくる。ある局面、ある条件では負けて
いても、長い時間で見ると勝っているということがある。ある
瞬間、ある時間の勝ち負けより、もっと長い時間軸で物を考え
てみる。そうすることで、違ったものが見えてくるはずです」。
続けて、「日本の自然環境は昭和三十年代前半(一九五五年以
降)から変わっていきます。川もそうです。経済成長とともに、
水質が悪くなり、川の形も変化する。川や湖にはどこから陸で
どこから水かわからないなだらかな『辺(あた)り』があった。
ここは生き物の一番多いところです。それを陸と水をはっきり
と分けて『際(きわ)』だけにした。川の形、湖の形を何らか
の目的のために、変えていったのです。例えば、島根県の宍道
湖の干拓事業。私たちのカロリー計算では、湖はそのままの方
が良かった。でも当時は米の増産が至上命令と、聞く耳を持た
なかった。全てがこのように、ある目的のためにやるという単
目的思考でした。そして環境悪化が進んで、今ようやく川や湖
を直そうとしている」と。
そして、こう結ぶ。「それには発想の転換が必要です。単目的
な思考を止め、長い時間をかけてできた自然に学ぶことです。
『勝ち組』『負け組』といっても、どの時間、どの条件でいう
かによって変わってくる。川の変化でもそうだが、もっと長い
目でみたい。ある面では勝ってるけど、ある面では負けてると
かいうあいまいさも大事にしたらどうか。いま二十歳の子はこ
れからまだ五十年、六十年も生きる。もっと長い目で見ましょ
うよ」と。これ以上の屋上屋はよそう。WBCの投球制限が米
国保険会社の意向で決定されたのであればなにごといわんやで
ある。ビルゲーツの巨額の資産は『日米経済協議』の賜である
が、‘ルール’(=社会規範)は思慮深く運用しなければなら
ない。でなければ「高度消費資本主義社会」(=「前社会主義
段階社会」)は越えてゆけない。
■ 映画『イーグルアイ』
『イーグルアイ』は劇場映画のタイトルでもあった(DVD室
内鑑賞済み)。アリア(ペンタゴンの巨大防衛システムコンピ
ュータ)という謎の女性の電話で引き合わされた互いに面識の
ないコピーショップ店員のジェリー(シャイア・ラブーフ)と
法律事務所の事務係レイチェル(ミシェル・モナハン)は、愛
するものを奪われ、アリアの指示通りに行動することを強いら
れる。二人はすべてが謎のまま命令に従って行動するが、やが
てFBIの追っ手が迫るという、D・J・カルーソー監督、シャイ
ア・ラブーフ、ミシェル・モナハン、ロザリオ・ドーソンほか
出演のストーリ。誇大妄想SF・CG大衆娯楽映画だ。面白か
ったって?面白いに決まっているじゃないか。だけどそれだけ
の話だが、『イーグルアイ』は言い換えると‘絶対支配者の視
座’といことだろう。蒼氓のわれわれは『ワームアイ』(虫け
ら視座)だが、それは創造力で、『イーグルアイ』に転化出来
るのだと自信を持って言える気概を持ちたい。
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今年は暖冬で春は早いと思っていたが、寒さ三寒四温と最低外
気温は氷点下0.3℃を記録。種蒔きを終えた野菜を気遣う。
寒さといえばそれだけでない。いよいよ腹を決めなきゃいかん。
湖畔に打ち寄せる波を不安の喩として、‘きみと二人ならなん
とかなるか’‘なんとかなりますよ’という会話を「戻す波」
に暗喩とした。雛菊(学名:Bellis perennis)とは、キク科の多
年草(日本では一年草扱い。)。別名はデージー、デイジー、
チョウメイギク(長命菊)、エンメイギク(延命菊)。園芸植物と
して栽培され、原産地はヨーロッパで、原種は芝生の雑草扱い
されている。日本には明治時代初期に渡来。多年草で‘perennis’
も「多年生の」という意味。日本では夏が暑くて越夏できない。
通常は秋蒔きの一年草として扱う。寒冷地で越夏できれば、株
分けで繁殖させる。開花は春で、舌状花が平弁咲きのものと管
弁咲き(舌状花弁が内側に巻き、両端が癒合して管状になった
咲き方)の種類がある。花の色は赤・白・ピンクと絞りがあり、
黄色い管状花とのコントラストが美しい。英国の詩人が愛した
「デージー」(雛菊)。花言葉は「無邪気」。
デージーは「ぼんぼこ花(はな)」と親しみき
幼かりけり無邪気なりけり 鳥海昭子
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危うく忘れかけるところだった。琵琶湖博物館の会議ホールの
前で折り紙と切り紙の実演中の昆虫(カブト虫と蝉)を頂いた。
素朴な感じの懐かしいコーナだったのでプロフィールカードを
持ち帰った。やはり、‘シンメトリック’(対称性)が味噌。
それに枝葉を修飾し仕上げる。「均衡」が大切と再認識した。 ひらり工作工芸展