呑まないと昨日も今日もきみに柘植 誓うその先ほどとおき哉
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週刊東洋経済 3月21日号
「新エネルギーバブル」だということで、春になり地下の虫が
蠢き、近くの書店で特集週刊誌を購入。商品技術のもう少し手
前の応用技術に力を入れるべきだと。もう3年前の夏だったと
思うが、東京の大崎の明電会館でNEDの次世代太陽電池の技
術開発成果報告に参加していた。懇親会で現在、速水浩平音力
発電社長と名刺交換をし意見交換した記憶がある。 音圧発電
音響乃至は振動発電の原理は、光エネルギーを電気エネルギー
変換するソーラセル(この時のメデイアがシリコンダイオードか
有機ダイオード等で変わってくる)と異なり、光より大きい音
響エネルギーを圧電素子をメディアとして電気エネルギー変換
する。速水浩平に触発されて考えたことは、『デジタル革命』
と『バイオ革命』とを媒介する「マテリアル・イノベーション」
の進展を助長する政策を強く意識した。 DigInfo
電池(岐阜大学グループ)で、素材という川上産業の開発が大
切であることも重要だが、応用技術つまり、‘エネルギー変換
素子’を組み込むレイアー(層)若しくはインターフェイス(
界面)の技術開発が重要だと、10年近く言い続けてきた。
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この基本技術が印刷製版技術をコアとしたコンバーテック、つ
まり表面加工技術と言うが、マイクロレベルからナノレベルま
で精密に表面を加工する技術をネオコン(新保守主義ではなく、
新表面加工技術)と造語し、産業技術の推進を行ってきた。
例えば、風力を回転力に単純に変換するではなく、『魚鱗』の
ごとく無数の細かな風力変換圧電素子を配置することで風を切
るときに発生するコアンダ効果を利用し電気エネルギーに変換
できれば、『魚鱗』をあらゆる建造物に塗布できれば、天候に
左右されず(但し、無風状態は不可)、大きな風車による騒音
の発生もなくエネルギーを得られるので、海辺、水辺の地域は
利用出来る。何だったら海上に浮かせ「海面+風力+光エネル
ギー」複合発電ユニットも可能だろう。こういった地道な研究
開発が大切なことは改めて言うまでもないことだ。
コアンダ効果
話は『デジタル革命』の第二の特徴である「ダウンサイジング」
に移す。前出したように『デジタル革命』のもたらす技術を‘
身の丈’に‘組み込む’ことにより『バイオ革命』は本格する。
もともと、「ダウンサイジング」の英語の‘downsizing’という
語は「機器・設備の小型化」の意味にも使われるが、本来的に
はビジネス用語で「事業規模の縮小」や「組織規模の縮小」、
そして特に「人員削減」を示す言葉で、特に1980年代のGE(ゼ
ネラル・エレクトリック)でジャック・ウェルチ(John F. Welch,
Jr.)が行ったものとされる。
この言葉は、技術進歩に伴う高密度化・小型化により、同じ容
積・重量で従来と同機能か、より高性能な物を作ること。運用
コスト削減等を目的として、従来品よりも小型の機器を用いて
対応することを呼ぶ。技術工学分野では主に前者の事を、経済
産業分野では主に後者を指してこう呼ぶ。生物学上、進化過程
で小型化し、繁栄する事に成功した種も見られる。大きなシス
テムは安定性があり、恒常性の維持に役立つが、維持コストが
多く掛かる傾向があり、世代交代が遅く、急激な環境の変化に
弱い。一方の小さなシステム(系)では、環境の変化に影響さ
れやすく、個体の単位では他に淘汰されやすいが、世代交代が
早いために環境への適応も早く、急激な変化に強いとされる。
【コンピュータのダウンサイジング】
巨大な生産力をもつことで、システムは俊敏に動かざるをえな
く、ダウン・サイジングを必然として促すという歴史的な経験
は皮肉といえば誠に皮肉といわざるをえない。コンピュータと
は日本語での話、本場米国では‘コンピューティング’が一
般的だとは、恩師、浜野保樹の『マルチメディア・マインド』
で教わったが、古くは1940年代のIBMの機械式装置や電気スイ
ッチを利用した統計装置などをはにめに、1960年代後半に主流
となったEDPS(EIectronic DataProcessing System)処理及び、各種大
規模統計処理や企業での業務・会計情報を管理する基幹系処理
において、メインフレームと呼ばれる大型コンピュータが使用
いたが、より安価で運用・保守にも費用がかからない汎用サー
バへの置き換えが進むことになり「コンピュータのダウンサイ
ジング」と呼んだ。これらはより高速稼動が可能で強力なプロ
セッサー・大容量のメモリーや電磁記憶媒体・低価格化する各
種ハードウェアの発達に伴い、大容量の記憶能力と、高速な計
算能力を持つに到った(ムーアの法則)。 Gordon E. Moore
この進歩はハードウェア面でも、ソフトウェアにおいても多く
のダウンサイジングが進行し、基本ソフトウェアであるオペレ
ーティングシステム(OS)においても、より融通の利く汎用
OSとしてのオープンな存在であるUNIX系OSやプロプライエタ
リでありながら汎用性・低価格性を持つソフト等パッケージ化
も進み、汎用製品の組合せによるシステム構成にて代用可能と
なり、コストダウンの一助となった。共通のソフトウェアプラ
ットホームとして使用できるようにされたパッケージソフト/
ミドルウェアが作成され、専用に開発するよりも遥かに安価に
提供されている。
【自動車のダウンサイジング】
米国における自動車は、消費者の好みもあって大排気量・大型・
広い室内を特徴としていた。1970年代のオイルショックを契機
に広まった低燃費への問題意識と、FF(前輪駆動)による悪路走
破性や安全性・信頼性を重視し、燃費の良い日本製小型車への
移行が、大きなムーブメントとなっていた。現在、高騰した原
油価格と高燃費への欲求により、安全性・信頼性の高い日本車
やドイツ車へのユーザの切り替えが進みアメ車は瀕死状態にあ
る。今後は単なるダウンサイジングかではなく、電気駆動機関
が内燃機関を駆逐することによる質的なダウンサイジング(=
イレージングエフェクト)へて転換することが予見される。
【携帯電話におけるダウンサイジング】
携帯機器のダウンサイジングの経緯⇒過去20年において最も進
んだ分野としては、携帯電話が挙げられ、1980年代の持ち運び
可能な電話機は、ショルダーホンと呼ばれ、バッテリー込みで
20kgであった。これが1980年代末には片手で持てる約1kg程度
となり、以降一気に小型・高性能化し、今日では携帯電話によ
る通話機能、電話帳機能・メールによる文字情報の送受信・留
守番電話機能に加え、電子手帳や携帯情報端末の市場を侵食す
る結果となった。一般的な共通認識に至っていないが、20年
前から‘コンピューティング’が現在の携帯電話であることは
既に認識していたもので驚くことはないが、実際に展開する
‘日常’に遭遇すると隔絶の感に襲われる。つまり、『ひぃえ
ぇ~!?』と (T_T)。
【ダウンサイジングの功罪】
ダウンサイジングの進行により、様々な分野での設備面での刷
新や、一般社会での利便性の向上、あるいは各種サービスの高
度化が進んだ。携帯電話でデジタル万引きと呼ばれる携帯電話
内蔵カメラによる著作物の不許可複製の問題(塀の上のコピペ
族)や、盗撮、個人情報流失問題も顕著化してきている。逆に
コンピュータの影響トラブルが問題が噴出しかねない事態とな
り。大組織の情報システムの過度のダウンサイジングの、多数
のサーバ等の情報機器を管理・運用する必要と効率の悪さを増
加させるなどが目立つようになった。これらの問題に対し、統
合・共有されたサーバ・ストレージ等から仮想的なリソースが
得られるような仮想化機能が注目されている。
【『デジタル革命』の6つの特徴】
字数制限が近づいた。ここでお復習い。『デジタル革命』の6
つの特徴-①シームレス、②ダウンサイジング、③ボーダレス、
④デフレーション、⑤イレージング・エフェクト(=技術の還
元)、つまり既成概念の破壊(destruction of the established concept
)、⑥<未体験ゾーン>の拡大-である。①と②は終わるので
あと4つとなる。いま政治が先行するべきは、この革命の行方
を見定め、社会性を如何に担保するかにかかっている。ちまち
ました利権、権威、虚栄保身時代ではない。折角の進歩を確か
なものにする諸施策だ。例えて言えば、子どものコンピューテ
ィングの弊害を親の責務でコントロールする技術、規範、マネ
ージメント及び社会の仕組みの整備である(言うのは簡単だけ
れど)。
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伊豆七島が産地の「ツゲ」(黄楊、柘植、学名 : Buxus microp-
hylla var. japonica)は、ツゲ科ツゲ属の常緑小喬木。庭木や街路
樹としてよく用いられ、将棋の駒の材料としても使用される。
関東~九州に分布。葉は対生で、丸くて硬い。花期は3~4月。
淡い黄色の細かい花を咲かせる。木材は黄褐色で極めて緻密。
印材、版木、将棋の駒、櫛などに利用される。英語の「箱」を
意味する名詞「ボックス」(box)は俗ラテン語の「ブクシス」
(buxis)さらには古代ギリシア語の「プクシース」(πυξίς)
に由来する。「プクシース」は同属のセイヨウツゲ(Buxus sem-
pervirens) を指すギリシア語の「プークソス」(πύξος)に
由来している。セイヨウツゲは古くから細工物に使われ、この
木で作られた小箱をプクシースといったが、のちに他の箱もプ
クシースと呼ばれるようになったのである。少しくだけ過ぎた
今日の歌は。昼から「弥生御前」にビール。そして、WCBの
軌跡の復活の‘侍ジャパン’(イチローのコメントに目頭が熱
くなる)。花言葉は「克己」「禁欲」。
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