極東極楽 ごくとうごくらく

豊饒なセカンドライフを求め大還暦までの旅日記

レジリエンスと空中権

2013年06月13日 | 政策論

 

 

 

【レジリエンスと空中権】

 

昨夜、テレビニュースで、太田国土交通大臣は、老朽化が進む首都高速道路の補修費用を捻出するために空中権
の売却が検討されている都心環状線を視察している報道みた。太田大臣の視察先は、空中権の売却が検討されて
いる首都高の京橋と銀座の出入り口を結ぶ区間で、空中権は土地の上に広がる空間の権利で、周辺のビルなどが
この権利を購入すると、その分の容積率が加算されるため、より大きな建物が立てら、政府は半地下になってい
るこ
の区間の高速道路の上を覆って作り出した土地の空中権を売却。およそ9千億円とも試算される首都高の補
修費用
の一部を捻出したいとのことだ。「実現可能性は十分あるし、進めるべきものだと思う。周辺のビルを持
っている方
たちが乗りやすい形をどう作るかということだと思う」(太田国交相)と発言したという。

しかし、高速道路に天井(屋上)つくり、その空きスペースを利用(販売)すること自体が事業であり、その工
事はなんら補修工事と関係がないのにそんなことが出来るものか合点がいかない。まして、道路の補修以外に天
井(屋根)の補修費が余分に係るし、新たに生じる工事費と補修費分を、買い手がすんなりと受け入れ応札して
くるのかさっぱり検討がつかいないのだ。それよりもなりよりも空中権ってなんなのだ?、土地の上空の空間を
使用する権利または未利用容積率を移転する権利とは?その法的根拠とは、経緯とは?いうわけで、例によって
止せばいいのにネットで下調することに。
 

 

 

 

解説による、空中権には2つの意味があり、(1)地上(または地下)の一部を使用する地上権または地役権で、
電線の架設や地下鉄のトンネルなどに設定されるものと(2)建物の容積率のうち、未利用容積率分を移転する
権利をいう。そして、(1)
は普通の地上権(地役権)と土地利用の範囲が異なるだけで、法的には同じ扱いで
(2)は、都市空間の有効活用を目的に米国で法制化されたもの。2000年に日本でも特例制度が新設され、隣接
地などに容積率を譲渡できるようになるということだ。つまり、(1)
区分地上権」は例えば、地上空間に電
線を架設したりするような場合に利用される。普通の地上権とは、土地利用の範囲を異にするだけで法的性質は
同一とされ、(2)
未利用容積率を移転する権利は、米国ではTDR(Transferable Development Right:移転可能
な開発権)として法制化されていたが、従来わが国ではこれに対応する制度がなかったものの、近年、わが国で
も未利用容積率を他の土地へ移転するための2つの制度が相次いで導入され、「連坦建築物設計制度(建築基準
法86条2項)」と「特例容積率適用地区(建築基準法57条の2)」が制定される。 連坦建築物設計制度は1999年に
施行された制度で、既存の建築物の未利用容積率を隣接地へと移転できる(未利用容積率が隣接地の容積率に上
乗せされる)というもので、特例容積率適用地区は2001年に施行された制度であり、街区(道路で四方を囲まれ
た建築物の敷地の集まり)を超えて、既存の建築物の未利用容積率を、開発予定敷地へと移転できるというもの
であるとする。話題となった、東京駅丸の内駅舎において特例的に取引されたが、建物の容積率は、建築基準法
および都市計画に従って決定さ、床面積が容積率を上回る建物は建築できない。そのため高層ビルなどの高さが
制限されることになる。2006年に、戦時中に空襲を受けて損傷していた東京駅丸の内駅舎を戦前の姿に復元する
プロジェクトが発足したが、その復元にかかる費用捻出の手段として、空中権の取引が利用され、東京駅丸の内
駅舎は、当初の3階建ての姿に復元しても、敷地が使用できる容積率の5分の1程度を使用するにとどまり、生
じた余剰容積率は周囲の超高層ビルの容積率を増やす権利として取引される。このことで、JR東日本が空中権の
売却により捻出したが東京駅丸の内駅舎の復元工事にかけた総工費は、およそ500億円であったという。

しかしやはりたいへん分かりづらい。もともと、連邦航空局 (FAA)による規定の、人工構造物から500フィート
(150 m)の距離を維持するための要件から始まったもので、この空中権(air rights)、つまり 航空法の空域
制限表面に由来するが、そこに、物権(real right)、生存権、日照権、地役権、地上権などの自然享受権、
環境権、民法が絡んだ上に、建築基準法、都市計画などの用途地域と建物の容積率が乗っかっていて大変複雑な
概念となってしまっているから素人にはさっぱり理解困難なもの。そんなことより、例えば耐用年数が50年を超
えて、改修し20年先まで使えるようにする、価値生産するという大義名分があるのなら正々堂々と、建設国債、
あるいはレジエンス国債を発行すればよいわけで、その政策の費用効果測定を行い、政府が適宜・適時国債を引
き受けたらよいと考えているので、今回のニュースに接してなんとも腑に落ちない具合で、法整備の棚卸しを大
々的に、全国の法曹機構を総動員しなければならない時期にあって、煩瑣な法改定に手間取っているように思え
るのだが、これって、可笑しくはない?!
 

【これからのエリートとは?!】

最近、政治経済用語の棚卸しをやりはじめ、作業はキツイが、結構、積極的になれている。今日のことでいえば
「リベラル・
エリート」とか「四つの現代化」とかが目にとまり、過去の経験などを思い出しながら予定時間を
過ごした。その関係で『米国製エリートは本当にすぎのか?』という本が売れていることをはじめて知る。「エ
リート」とは、エリート(élite、選良)のことで、社会の中で優秀とされ、指導的な役割を持つ人間や集団のこ
と。語源はラテン語の「ligere」(選択する)で、「選ばれた者」を意味。通常は、特別に優秀な属性を持った
人または集団で、その属性はその時代・地域・社会などによって血統・出自・職業・知識・経験などがあるとい
われる。血統の場合は貴族主義などの身分制度、民族・宗教などの場合は選民思想、知識経験の場合は学歴主義
や資格主義に関連する場合があるとか、政治学的には、統治者(層)に必要な資質を持っている、あるいは持っ
ているとみなされているとなどなど解説されているが、今風に考え直すと、固定的な意味合いから流動的なある
いは過渡的な存在としての「モッブス的エリートの出現」というのが、日本の求められているこれからのエリー
トではないかと思ったりした。後者は、現代中国のことで下図のような経済成長曲線をみながら、あるいは、そ
の影響を受けている「パキスタン」の現状を考え、米国の新植民地主義的な国家行動に踏みだしたなら必ず体制
崩壊に繋がっていくだろうなぁと未来予想しながら作業を終えた。

 

【続・特効薬を考える】 

昨日に続き、今日も服用?効果有り。なんとかなりそうな雰囲気だ。
 

コメント
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