極東極楽 ごくとうごくらく

豊饒なセカンドライフを求め大還暦までの旅日記

微生物を巡る不思議の旅Ⅱ

2013年06月15日 | 環境工学システム論

 


 

【緊急避難対策としてのCCSⅡ】

昨日は、太古の昔から、生きるために電気を利用している微生物がいることを、この電気をたべる・つく
る微生物を利用した新しいエネルギー変換デバイスの研究が盛んに行われ、電気をたべる微生物を使い、
電気エネルギーから有機物(例えば燃料物質)を作る微生物電気合成、また電気をつくる微生物を使い、廃
棄物を分解しながら電気エネルギーを回収可能な微生物燃料電池などの可能性について掲載したが、今回
は、
産総研とINPEXが、枯渇油田二酸化炭素(CO2)地中貯留が微生物生態系へ及ぼす影響を調査した。
その結果、
枯渇油田の微生物生態系に見られるメタン生成活動は、二酸化炭素(CO2)地中貯留によって生
じる高濃度酸化炭素環境でも存続す
ることを発見するニュースを掲載する。枯渇油田は、発電所などで発
生する大量の二酸化炭素を回収し、地中に隔離・回収・貯留
(『緊急避難策としてのCCS』)の貯留サ
イトに適しているが、世界中の油田にはメタン生成
活動を行う微生物生態系が広く分布し、油田の内部で
生成するメタン(天然ガス)が新たな資源となる
可能性がある。今回、二酸化炭素濃度が増加した環境で
は枯渇油田の微生物群集は、その構成微生物種を劇的に変化さ
せながら二酸化炭素に対する頑健性を保ち、
メタン生成活動を維持することを実証したというのだ。この研究成果は、これ
までの地球科学を中心とし
た二酸化炭素地中貯留研究に、微生物学的な新しい視点を加える大きな発見だ

 

温室効果ガスとして知られる二酸化炭素の削減策の一つであるCCS技術は発電所などで発生した大量の二
酸化炭素を地中に隔離する技術。枯渇油田は、二酸化炭素の貯留サイトとして貯留能力や安全性、コスト
面など古くから検討されてきたが、枯渇油田には活発にメタンを生成する微生物生態系が広がり、枯渇油
田に残存する
難分解性の有機物をメタンにまで分解することで、油田内部で生成する微生物起源のメタン
(天然ガス)は資源として有望しされている。
二酸化炭素が圧入された地中では二酸化炭素濃度が上昇し、
それに伴い地中のさまざまな環境条件(pHなど)が変化することは知られていた。地下に生息する微生物
生態系にどのような影響があるのか不明であった。
酢酸からのメタン生成活動を観察している秋田県八橋
油田から地下水と原油を採取し、窒素ガス下で現場と同じ温度、圧力条件(55 ℃、50気圧)に設定した培
養実験と、窒素と二酸化炭素の混合ガス(10 % CO2)で現場と同じ温度、
圧力条件に設定した高濃度二酸
化炭素2条件(分圧は5気圧)での培養実験を行っていた。

 

この結果、二酸化炭素圧入系と非圧入系の双方で地下水に元々存在する酢酸の分解とメタンの生成が観察
され、二酸化炭素
地下貯留に伴う高濃度条件下でも、酢酸からのメタン生成を確認。これらのことから、
極めて高濃度の二酸化炭素を枯渇油田に圧入した場合でも、二酸化炭素圧入井から多
少離れたCO2が拡散し
た場所でメタン生成活動が存続。二酸化炭素の
圧入系と非圧入系の微生物群集の比較解析で、酢酸からの
メタン生成に関与する微生物群集が二酸化炭素の圧入により劇的に変化し、全く別のプロセスによってメ
タンを生成する微生物に置き換わることがわかった。また、この微生物種への変化は濃度が高い環境でだ
け起こる一過性の現象であり、濃度を非圧入系の濃度に戻すと、元の微生物群集に戻ることも分かった。
枯渇油田の微生物生態系は二酸化炭素濃度に対して高い頑健性を保ちつつ、油田環境の濃度に応じてエネ
ルギー的により有利なプロ
セスでメタン生成を行うことが明らかにしたということだ。このことは、持続
可能なバイオマスエネルギー技術開発の革命的前進を約束しつつ、実用化への期待に大きく貢献する発見
である。革新とは実に面白い!?いや、本当にワクワクさせる!?

 

 
【メタン濃縮装置及び方法】

そこで、メタンガスの濃縮と貯蔵の最新技術を俯瞰してみた。自然環境下で生成されたメタンには、生物
起源のも
のと非生物起源のものとの2種類が存在する。そして、生物起源の場合は、生成経路によりさら
に2種類(二酸化
炭素還元経路と酢酸分解経路)に分けられる。このような自然環境下で生成されたメタ
ンの起源及び生成経路は、
メタンを構成する炭素及び水素の同位体比を測定することによって識別するこ
とができると考えられている。

【特許文献1】特開昭62-153390号公報
【特許文献2】特開平7-55780号公報

これまで、自然環境下で採取されたメタンや実験的に生成されたメタンの同位体比のデータが報告されて
いるが、
正確な水素同位体比を測定できる十分な測定技術が確立されているとは言えない状況であった。
信頼
できる水素同位体比を測定するためには、ある程度の容積(標準状態で数mL)の高純度メタンが必
要でだが、自
然環境下や実験的に生成されたメタンは、メタン以外のガスが含まれている混合ガスであり、
メタンの濃度が低い
(数%)ために、必要な容積のガスを集めることは容易ではない。また、ガスクロマ
トグラフィーでメタンを測定する
場合、シリンジを用いてガスクロマトグラフ装置にガスを注入するが、
この注入方法ではガス注入量に限界(数mL
程度)があるので、微量のメタンを検出することは困難で、
さらに混合ガス中のメタンの濃度が低いので、クロマト
グラフにおいてメタンのピークに隣接して他種の
ガスのピークが存在すると、メタンの測定が困難となる。


そこで、下図の発明は、従来技術が有する問題点を解決し、混合ガス中に含まれるメタンを濃縮し、高濃
度のメ
タンガスを製造するメタン濃縮装置及びメタン濃縮方法であるが、(1)メタンを含む混合ガスを
キャリヤーガスに
より搬送し複数の処理を施してメタンを濃縮するため、キャリヤーガス供給部と、搬送
された混合ガスから水を除
去する脱水部と、二酸化炭素を除去する二酸化炭素除去部と、保持したメタン
を放出することが可能なメタン捕
捉部を備え、メタン捕捉部とが配管で直列に連結した特徴をもつ。(2)
また、このメタン濃縮装置は、脱水部に乾
燥剤を備え、混合ガスから水を除去するようになっている。
(3)さらに、二酸化炭素除去部は二酸化炭素吸収剤
を備え二酸化炭素を除去する。(4)さらに、メタ
ン捕捉部は活性炭を備えており、水及び二酸化炭素が除去され
混合ガスからメタンを捕捉し吸着するよう
になっていることを特徴とする。(5)メタン捕捉部は、-90℃以上-70
℃以下でメタンを捕捉し、
20℃以上200℃以下でメタンを放出するようになっている。(6)記混合ガスからメタン
を捕捉し保
持させメタンをメタン捕捉部から放出させることで問題解決を果たす新規考案。


特開2007-246414 メタン濃縮装置及びメタン濃縮方法

 【符号の説明】

1 混合ガス導入部   2 キャリヤーガス供給部  3 脱水部 4 二酸化炭素除去部 5 メタン捕捉部

 

【スターウォーズ・デザイン】

すべてはデザインで決まる!!

 

 

 

 

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