口唇ヘルペスを引き起こす原因であるヘルペスウイルスが、がん治療に役立つ!?これは東京大学は、
藤堂具紀教授グループの脳腫瘍治療で実証されつつあるが、これも『抗癌最終戦観戦記Ⅲ』の具象例
の1つだろう。もともと、この方法は、2010年はロンドンの病院で頭頸部がんの患者17名に対して化
学療法や放射線療法と平行して、遺伝子操作を行ったヘルペスウイルスをガン細胞患部への直接注入
法だ。英国は毎年8000人の頭頸部がん患者が発生しています。ロンドンのがん研究所に所属するケビ
ン・ハリントン博士は「現在行われている治療法は早期のがんに対しては有効だが、多くの患者はが
んが進行するまで気付かない」と状況を説明していた。この遺伝子操作の行われたヘルペスウイルス
は、がんの腫瘍細胞の中でだけ成長し、正常な細胞には影響を与えないという。このヘルペスウイル
スは腫瘍細胞を殺し、免疫機能を活性化するタンパク質を生成し、免疫細胞へ危険信号を送るウイル
スタンパクをも生成する。この治療を受けた17人の患者のうち93%は外科手術でがんを切除したあと
転移せず、術後2年生存率も82%(13人)にのぼる。この治療において、高用量ウイルスを投与された
13名のうち2名ががんがを発したと報告されてはいるが、専門家はウイルス治療の信頼性との関係は
ないとの見解だ。彼は「標準の化学療法や放射線治療を受けた患者のうち、35~55%は2以内に再
発しているが、この結果はとても順調だと言える」と語っている。
ウイルス療法(oncolytic virus therapy)とは、ウイルスが腫瘍内で感染と増幅を繰り返しがん細胞を殺
しながら増殖することを利用することを原理とし、病原性関連遺伝子やウイルス自身の合成に必要な
遺伝子を欠失させたり不活化して、腫瘍細胞内でのみ選択的に複製するようにウイルスゲノムに遺伝
子操作を加えた変異型の治療用の制限増殖型ウイルスを作り、そのウイルスを腫瘍細胞に感染さて、
ウイルスが細胞内で複製し、その過程で感染細胞が破壊されることで、増殖に伴うウイルスそのもの
の直接的な殺細胞効果で、がんの治癒を図る治療法だ。ウイルス療法は、手術、放射線、化学療法な
どとも併用が可能であり、さらに、特異的抗腫瘍免疫を惹起することから、免疫療法との相乗効果も
期待できる。反面、基本的に抗ウイルス薬が存在しないウイルスでのウィルス治療は考えられないと
はいえ、ウイルスは常に変異を繰り返すため、当初のがん細胞のみでの選択的な感染と増殖をもつウ
イルスから、別の新たな感染力と毒性を持ちかねないため、その開発施設から厳重に管理されるなど、
ウイルス療法特有の危険性や困難さも指摘されている。
主に用いられるウィルスは、遺伝子組換えアデノウィルス、遺伝子組換え単純ヘルペスウイルスなど
である。その他、レオウィルス、ピコルナウイルス、パラミクソウイルス、ポックスウイルスなどの
遺伝子組替ウイルスが利用されている。「テロメライシン」は日本で最初の制限増殖型腫瘍溶解ウイ
ルスとされるが、単独での効果は確立されていないため、腫瘍を選択的に融解する可能性が高いとし
て、2013年以降に頭頚部、胸部悪性腫瘍に対して放射線療法と併用で「遺伝子治療臨床実践研究」の
一環として臨床試験が計画されているという。
ところで、彼は医学部の学生時代からウイルスを使ってがんの治療ができるのではないかと漠然と考
えており、しかも専門は脳外科でいたから、マルツーザ先生がウイルスで脳腫瘍の治療を行おうとし
ていると知って妻子を連れて米国に渡る。正常細胞ではアポトーシスを防げないが、腫瘍細胞では増
殖し、正常細胞の中ではDNA合成できないが、腫瘍細胞の中ではできる、さらに感染した腫瘍細胞が宿
主の免疫システムに発見されやすくなる。単純ヘルペスウイルス1型(HSV-1)を遺伝子操作してその
ようなウイルス「G47Δ」を作成することに成功する。がん細胞は正常細胞に比べて活発に増殖し、DN
A合成もさかん。ウイルス療法はそこを攻撃し、さらに、彼らの「G47Δ」は、感染したがん細胞が患
者の免疫監視機構にも見つけられやすくする働きを加えてあり、がん細胞に特異的に働き、しかも特
定の遺伝子経路の活性化に依存しないことから、多くの種類の固形がんに有用だと考えた。現在の「G
47Δ」は白血病のような造血系の細胞には感染しにくい傾向があり、将来は様々な感染域を持ったウ
イルスが用意され、がんの種類や進展に応じてウイルスを選ぶという時代も来ると確信しているとい
う。これらの情報を表面的に看ているだけでは、そううまくいくのか判断できないが、ウイルスその
ものの機構もよくわからないが、治験現場では成果が着々と積み重ねられている。また一つ“抗癌最
終戦”のステージにフットライトを照し出す。
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藤堂具紀(ともき)1960年生まれ。85年東京大学医学部卒業。90年より2年間、独Erlangen-Nurnbeg大
学脳神経外科に留学。95年に米国Georgetown大学脳神経外科(Robert Martuza教授)にて遺伝子組み
換えHSV-1を用いたウイルス療法の研究を開始、第2世代HSV-1(G207)の臨床試験にも関与。98年に
同助教授に就任。2000年に米国Harvard大学Massachusetts総合病院脳神経外科助教授、03年より東大
医学部脳神経外科講師。同大トランスレーショナルリサーチセンター特任教授を経て、11年より現職。
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ちょっと疲れ気味で、簡単なニンニク調理で強精ドリンクがつくれないかと、マイピーシーに座り作
業すれど、睡魔に襲われ朝の早よから、居眠りをして仕舞うことで、急遽、台所に立ち試作調理作業
に入る。ところで、野菜の栄養について書かれた本には、必ず「アリシンがビタミンB1と結合し、ア
リチアミンに変化、吸収がよくなり、疲労回復効果がある」と書かれいるが、アリシンを多く生成す
るニンニクを、ビタミンB1を含む食材とともに食べれば、ビタミンB1の吸収がよくなるという臨床デ
ータは表面図らからは看えない。そもそも、アリチアミンの発見者は自分の尿を調べることにより、
ニンニクの成分とビタミンB1(チアミン)が反応して、吸収されやすい物質に変化していることを発
見するが、これは試験管内で反応(合成)したものを、研究者自身が飲んでみた結果だという。もし、
ニンニクと他の食材を組み合わせて摂った時にビタミンB1の吸収がよくなるのであれば、動物なり人
なりを使って実験できるはずだがそのようなデータはないというのだ。アリチアミンの合成は、アル
カリ条件でニンニクの汁とチアミンを混合して反応させるが、実際の料理の場面では、ニンニクに由
来するアリシンは不安定な物質、多成分が混合した食品の中では、試験管内のように、チアミンとう
まく反応するとは限らない。この反応を進めるためには、アルカリ条件が前提だが該当するようなア
ルカリ食品はなく、むしろ、咀嚼による酵素が働きアリシンが生成するかもしれないが、ほかの食材
由来のチアミンと反応させようにも、胃の中は強酸性で、アリシンの元となるアリインが無事に胃を
通過してアルカリ性の小腸に達したとしても、すでに酵素アリイナーゼは分解され、アリシンはほと
んど生成しない、アリチアミンが生成される場がないという。それでも、唾液はほぼ中性なので、酸
性のドレッシングやジュース、ビールなどを口に入れないようにしながら、生ニンニクとチアミン豊
富な食材を、同時に咀嚼すれば、少しはアリチアミンが生成するかもしれないといとの批判的な意見
も見受けられる。
そのことも問題であるに違いないが、ニンニクに含まれる「γ-グルタミル-S-アリルシステイン」、
にんにくパワーを発揮する有用成分アリシンなどの基盤となっている重要な成分。2001年11月に(財)
日本健康・栄養食品協会が「にんにく食品規格基準」を設定した際に規格成分として採用し、「にん
にく加工食品」として名前を表記するには、このGSACがグラムあたり1.5mg以上含まれていることが
前提となっている。それ以下の含有量のものは「にんにく含有食品」と記さなければならないが、ニ
ンニクに含まれるアリシンの量に対し、チアミン(ビタミンB1)を含有する食品の量が圧倒的に少な
く、下記化学構造での反応式でアリチアミンという物質に変化するためにはビタミンB1を含む食品を
相当量摂取しなければならない。家庭で生ニンニクを使って簡単に強精ドリンクを作るための食品を
探さなければならない。
そこで苦労して(それほど苦労していないか!?)、きな粉が最適だろうと結論する。 きな粉(きな
こ、黄粉)は、大豆を炒って皮をむき、挽いた粉である。加熱により大豆特有の臭みが抜け、香ばし
い香りになる。語源は「黄なる粉」で、黄な粉とも書く。ただし実際には黄色とは限らず、黄大豆を
原料にしたきな粉は黄褐色なのに対し、青大豆を原料にしたきな粉は淡緑色なので、青きな粉やうぐ
いすきな粉と呼ばれるが、これが植物系としては一番だろうと。因みに、きな粉には多くの蛋白質が
含まれ、食物繊維も多く含まれているため、便秘改善に役立つ。また、粉にすることで消化が良くな
り、大豆の栄養素を効率的に摂取することが出来る。他にもカルシウム、マグネシウム、カリウム、
リン、鉄などのミネラルも多く含まれている。その利便性から、近年ではプロスポーツ選手も牛乳に
溶かすなどしてよく摂取している。また、昨今の健康食品ブームで、黒豆から作られるきな粉が人気
で、黒豆には抗酸化物質のアントシアンが含まれている。アントシアンには活性酸素を自らが犠牲に
なって吸収・還元する作用が期待されている。
利用形態は、多くが和菓子などに用いられ、わらびもちやくずもち、だんご、あべかわもち、おはぎ
といったものがこれに該当する。黄大豆は、浅いりとよくいったものがあり、青大豆では青いきな粉
やうぐいすきな粉が出来上がる。製菓原料として用いられることが多いため、味、香り共に優れてい
る。ただ、他種の大豆加工製品に比較すると、消化吸収率がとても低い。関西では、よくいったこが
しきな粉が好まれる傾向にあり、一方関東では、浅いりの製品が用いられるケースが多いとされる。
保存方法は一般に、湿気に侵されないよう、密閉が可能な物にいれる。また、最近は、ごまや抹茶を
ミックスしたもの発売されてきている。
さて、仮レシピを。(1)ニンニクの二、三片の皮を剥く、(2)広口の厚めのガラスコップ(でき
れば取手付き)に入れ、擂り粉木で潰し(3)きな粉を大さじで2杯程度いれ(3)牛乳を100~200
ミリリットル注ぎ擂り粉木を取り除き、スプーンなどでかき混ぜ(4)電子レンジに~2分程度、沸
騰し吹きこぼれそうになったら停止。(5)一旦、熱に注意しコップ取り出し、牛乳や野菜ジュース
など任意に加え、(6)再び電子レンジ入れ(4)の要領で加熱し取り出し、飲みやすい温度にし飲
む。加熱したニンニクは、柔らかくなっているのでそのまま食べれば、オッケー! これを名付けて、
“安倍川蒜ミルク”の完成。早速、明日から試飲を開始。