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極東極楽 ごくとうごくらく

豊饒なセカンドライフを求め大還暦までの旅日記

石橋を敲く表面科学

2013年09月14日 | ネオコンバーテック

 



エレクトロニクス・バタフライ

 

【表面科学の深耕】

表面は表面でもさにあらず。この程、産業技術総合研究所のナノ炭素材料シミュレーショングループは、
第一原理計算(→電子状態を実験によらずコンピュータを使い計算で求める手法)による電子動態のシ
ミュレーションで、化学修飾されたダイヤモンド表面における電子の電界放出特性の違いを調べ、従来
から電界放出の高効率化に効果があると考えられていた負の電子親和性(Negative Electron Affinity:NEA)
だけが必ずしも有効ではなく、表面化学修飾により電子のポテンシャルが表面からの深さに対して単調
に変化せず、増減を繰り返す複雑な構造を持っていることが、電界放出特性に大きな影響を及ぼすこと
を突き止めたという。この理論的な研究成果により、ダイヤモンド表面を化学修飾する際の電界放出特
性と化学安定性の向上を目指す、実験的な研究や電子放出デバイスの応用研究を加速できるのだと。

 

このように、石橋を敲くがごとき表面科学の進展で、表面状態に依存する電子状態がまた解明されたわ
けで、有機・化合物・シリコン系材料の電子素子の信頼性向上の道を開くことができるという。これは、
今日成功したイプシロンの高付加価値型ロケットの発射成功の裏には緻密科学技術が欠かせない。と、
喩えられるかもしれない。

 

ソニーは、ドイツ・ベルリンで開幕した家電関連イベント「IFA 2013」において、「レンズスタイルカ
メラ」と呼ばれる、交換レンズのような形状のデジタルカメラ「サイバーショットDSC-QX10」「同DS
C-
QX100」を発表した(いずれも国内発売未定)。
 円筒形の交換レンズ型の独特なデザインを採用してお
り、モニターを搭載せず、シャッターボタン、電源ボタンといった、最小限のボタンしかない。電源を入れて、シャッ
ターボタンを押せば、そのまま撮影はできるのだが、モニターがないのは、ソニーモバイルが同時に発
表したAn
droidスマートフォン「Xperia Z1」などと接続し、スマートフォンをモニター代わりに使うこと
が前提としている。



特開_2013-183056 光電変換素子、光電変換素子の製造方法、固体撮像装置および電子機器

【符号の説明】

10…光電変換素子、11…半導体基板、11G…有機光電変換部、11B,11R…無機光電変換部、
12A,12B…層間絶縁膜、13a…配線層、14a…下部電極、1
5a,15b,15…無機絶縁
膜、16,16A…遮光層、17…有機光電変換層、18
…上部電極、19…保護層、20…平坦化層、
21…オンチップレンズ、110…シリコ
ン層、110G…緑用蓄電層、120a1,120a2…導
電性プラグ、51…多層配線
層、53…支持基板、A1~A3,A1a…凹凸形状、1…固体撮像装置、
2…電子機器

このソニーの新規考案にみられるように、固体撮像装置に複雑に電子回路および電子素子が大変小さな
空間に組み込まれた構造物が形成されているため、個々の機能に統合された複合機能との信頼性の担保、
例えば、有機光電変換素子と無機絶縁膜層との密着のロバスト(堅牢)性の確保が重要となるが、同社
のデジタルカメラ「サイバーショットDSC-QX10などの高付加価値製造技術のバックグラウンドに担保
されているというわけで、ここでも、ダウンサイジングというデジタル革命の価値法則が貫かれている。
 

 

特開2013-179740 複合型自立発電システム及びその制御方法

ここで、ちょっと話題を最近の太陽電池電池の製造技術にかえてみる。上図はシャープの「複合型自立
発電システム及びその制御方法」だが、二十四時間発電供給システム、わたし(たち)が提唱する「オ
ールソーラーシステム」を構成する部分なのだが、説明番号4のタービン発電機がバイオマス燃料(ア
ルコール、液体水素)とした、あるいはソーラシステムのエネルギーから水電気分解由来の液体水素燃
料とした燃料電池でも代替可能だし、バイオマスおよび液体水素直燃型タービン発電機であってもかま
わない。また説明番号3の蓄電装置は、リチウムイオン電池でも完全固体のリチウムイオン-空気電池
でも、レドックス型蓄電池などで代替可能だ。ここでの肝は、説明番号6、7の太陽光発電量予測装置
となる。さて、下図は同じくシャープの「特開2013-172126|光電変換素子及びその製造方法」。これは
シリコン基板の裏面上にドーパント層を形成する工程→を熱処理する工程→レーザを照射して、ドーパ
ント層にコンタクトホールを形成する工程と→コンタクトホール内に電極を形成する工程とを備えるこ
とで、高濃度領域が必要最小限の大きさで形成された選択エミッタ構造にし、変換効率を向上させる光
電変換素子を製造方法の提案だ。

【符号の説明】

10:光電変換素子、12:シリコン基板、16n:n型ドーパント層(第1ドーパント層)、16p:
p型ドーパント層(第2ドーパント層)、18n:拡散バリア層(第1拡散バリア層)、18p:拡散
バリア層(第2拡散バリア層)、20n:電極(第1電極)、20p:電極(第2電極)、22n:n
型拡散領域(第1拡散領域)、22p:p型拡散領域(第2拡散領域)、26n:n型高濃度領域、
26p:p型高濃度領域、28n:n型低濃度領域、28p:p型低濃度領域、30n:コンタクトホ
ール(第1コンタクトホール)、30p:コンタクトホール(第2コンタクトホール) 

この発明の肝は、エッチングペースト法で裏面パッシベーション膜にコンタクトホールを形成する場合、
エッチングペーストを印刷精度が低く、コンタクトホールを小さくすることが難しい、また、コンタク
トホールが小さくなると、シリコン基板の裏面側に形成された拡散領域と電極との接触面積が小さくな
り、拡散領域と電極との接触抵抗が大きくなるという問題があるが、拡散領域と電極との接触抵抗を抑
えるため、高濃度領域が必要最小限の大きさで形成された選択エミッタ構造に変えることで、変換効率
を向上させることができるということになる。

このようなことを調べていたわけだが、他にも下記の新規考案を見る限り、高品質化のための諸課題を
着実になされることが読み取る。ポストメガソーラに向けた飛躍的な技術改良、あるいあは抜本的な開
発案件の提案はみられなかった。もっとも、悲観しているわけではなく、むしろ逆で、そこへ更なるパ
ワーシフトを行えば必ず2020年までには「オールソーラシステム」は実現可能だと確信しているが、明
日もこの作業を予定している。


特開2013-172114 シースルー型太陽電池の製造方法
特開2013-172126 光電変換素子及びその製造方法
特開2010-232530 光電変換素子の製造方法および光電変換素子
特開2008-186927 裏面接合型太陽電池とその製造方法
特開2013-179740  複合型自立発電システム及びその制御方法
特開2013-183144 集光型太陽電池用レンズ及び集光型太陽電池用レンズの製造方法
特開2013-183134 太陽電池の製造方法及び太陽電池の製造装置
特開2013-183114 太陽電池の製造方法、製造装置及び太陽電池
特開2013-183098 太陽電池用保護シートおよびその製造方法、ならびに太陽電池モジュール
特開2013-183065 有機薄膜太陽電池
特開2013-183053 化合物太陽電池の製法
特開2013-183030 太陽電池およびその製造方法

 

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