【今日の3つの注目情報】
1つめは、“核兵器の不使用と廃絶共同声明”に日本政府が加盟したこと。核兵器の不使用と
廃絶への決意を宣言する共同声明が21日、国連総会第1委員会(軍縮)で発表された。日本
など国連加盟国全体の約3分の2に当たる125カ国が声明を支持。同種の声明は過去3回出
されたが、今回初めて日本が賛同し、支持国も半数を超える。米国など核保有国は声明に賛同
しなかった。日本はこれまで、米国の核抑止力に頼る自国の安全保障政策に合わないことを理
由に支持を見送っていたが、声明の文言が修正されたことなどを受け方針を転換。声明は「核
兵器の人道的結末に関する共同声明」と題し、ニュージーランドが主導した。核兵器のもたら
す「壊滅的な人道的結末」に深い懸念を表明、「いかなる状況下でも核兵器が二度と使われな
いことが人類の生存そのものにとって利益」とし、核不使用への決意を強調している。
声明は文言修正を重ねながら、2012年5月と13年4月の核拡散防止条約(NPT)再検
討会議準備委員会、12年10月の国連総会第1委員会で発表されてきた。日本政府は、核不
使用に関し「いかなる状況下でも」とした表現が米国の「核の傘」に依存する安全保障政策と
相いれず、議論も十分に尽くされていないとして支持せず、被爆地や反核団体から反発の声が
上がっていた。
2つめは“原発ホワイトアウト”を出版したキャリア官僚と朝日テレビとの独占インタビュー
の放送。本はまだ読んでいないが、本の紹介文には「キャリア官僚によるリアル告発ノベル!
再稼働が着々と進む原発…しかし日本の原発には、国民が知らされていない致命的な欠陥があ
った/キャリア官僚による、リアル告発ノベル!『三本の矢』を超える問題作、現る!!/この
事実を知らせようと動き始めた著者に迫り来る、尾行、嫌がらせ、脅迫……包囲網をかいくぐ
って国民に原発の危険性を知らせるには、ノンフィクション・ノベルを書くしかなかった!」
とある。この本に関するコメントを元菅直人首相が、「訪米中の飛行機の中で「原発ホワイト
アウト」(講談社)を読んだ。原発再稼働に反対する知事を陥れる工作など原子力ムラの実態が
赤裸々に書かれている。過去に福島県知事に対して現実にあったことだ。私が総理の時の「海
水注入を中止した」という嘘のキャンペーンも、原発ゼロを言い出した総理をやめさせる狙い
で原子力ムラムラが仕組んだもの。知事に対する謀略と同じだ/また「電力連盟広報部」と本
の中で名付けられた部署がマスコミを監視し、圧力をかける姿も生々しく書かれている。事実、
原発事故が発生した3・11の時点で勝俣東電会長がマスコム関係者を中国で接待旅行に連れ
て行っていたこととも符合する。ネット上で電力業界を擁護し、また反対者には組織的に罵詈
雑言を浴びせるための組織も紹介されている。私の知ることと共通する点が多い/著者は現役
官僚とある。確かに官邸や経産省、原子力規制委員会の内情に詳しい。事実だとすれば原子力
ムラに詳しい官僚の内部告発とも受け取れる/アメリカでも原子力産業の力は強い。しかし、
ヤツコ前NRC委員長の様な良質な原発政策批判が広がっている。ニューヨーク州にあるインデ
イアン・ポイント原発の50マイル圏内には世界の金融センターの中心があり、2000万人が住
んでいる。建設から40年近くたった古い原発。ニューヨークでも稼働延長を認めることに対
する反対が強まっている」( http://blogos.com/article/71363/)と書いている。
3つめは、長島昭久著『「活米」という流儀 外交・安全保障のリアリズム』を紹介した朝日
デジタルの記事。この本も読んでいない。記事によると「昨年9月の尖閣諸島(沖縄県)国有
化をめぐり、当時の野田政権が中国側に国有化の閣議決定方針を事前に伝えていたことがわか
った。首相補佐官としてこの問題を担当した民主党の長島昭久衆院議員が 22日発売の著書
で明らかにした/長島氏の著書「『活米』という流儀」(講談社)によると、昨年4月の石原
慎太郎・東京都知事(当時)による尖閣諸島の購入構想表明後、野田佳彦首相(同)が国有化
方針を決定。「中国外務省の張志軍次官(同)や戴秉国(タイピンクオ)国務委員(同)に通
ずる外交ルートを総動員」し、国有化に理解を求めたという。ただ、交渉に当たった日中の当
事者名は明らかにしていない/長島氏はこうした交渉の結果、「(これまでの)日中間の『暗
黙の了解』を維持するための中国による 『暗黙の容認』を引き出す確かな手応えを感じてい
た」が、中国国内での権力闘争により「『暗黙の容認』派が 影響力を低下させ、日中外交当
局の『合作』を押しつぶしてしまった」と分析」と解説する。
以上の二冊の本はネット発注するが、感想を改めてまとめて掲載することに。
【バイオマスと微生物工学】
重い腰を上げて、“オールソーラーシステム”の双璧の1つである“オールバイオマスシステ
ム”を体系的にまとめ直そうと思い立ち関連用語集を制作しながら、システム事業構想のまと
めに取りかかる。尚、双璧とは一対の宝玉を意味する中国の故事による。さて、森林(木質)
バイオマスのセルロースつまり、グルコースがβ-1,4-グルコシド結合で連結した高分子
多糖である。したがって、これを加水分解すればグルコースが得られ、グルコースの供給源と
して有効に利用することができる。このセルロースを効率よく分解し、そこからエネルギーを
取り出すための一連の反応を司るのがセルラーゼで、多数のセルラーゼが菌類や細菌などから
単離されているが、セルロースは難分解性の物質であり、セルラーゼによるセルロース系バイ
オマスの分解及びその利用は実用化までに多くの問題を抱えて、この酵素の特性を解明するこ
と及びこの酵素を効率よく生産することがセルラーゼ資源の有効活用に関わる重要なテーマで
ある。下の図のアミラーゼ特許(特開2013-078328|セルラーゼ酵素及びその製法)はシロアリ由
来のアミラーゼ酵素の製法に関するものであり、特定の塩基配列や塩基配列と90%以上の同一性を
有する塩基配列でコードされるアミノ酸配列を含むセルラーゼ酵素またはその処理物、この酵素をコー
ドするDNA及び発現系と、製造方法で、ヤマトシロアリ、オオシロアリ、コウシュンシロアリ、ムカシシロ
アリ及びキゴキブリのいずれかの昆虫の腸内共生原生生物群由来のセルラーゼ酵素及びそれをコード
するDNAを提供している。
これに対し、下図のバイオエタノール製造システムの特許であるが、まずバイオマスを加圧熱
水処理、糖化酵素処理及び固体酸触媒処理を経て糖化するプロセスで、糖化酵素処理を施す前
に叩解処理(こうかい:紙の製造工程の一。パルプの繊維を機械的に切りほぐしたり押しつぶ
したりする作業。柔軟性を与え、繊維どうしを絡みやすくさせる)を行うことによって、糖化
酵素の使用量及び処理時間を削減できるだけでなく、固体酸触媒処理における反応効率が向上
することを見出す。この単糖の製造方法は、バイオマスに加圧熱水を作用させてバイオマスに
含まれるヘミセルロースを選択的に分解する加圧熱水反応工程と、加圧熱水反応工程後の固体
残渣を叩解する叩解処理工程と、叩解処理工程後の固体残渣に糖化酵素を作用させる一次糖化
工程と、一次糖化工程による生成物に固体酸触媒を作用させる二次糖化工程で構成する。また
エタノールの製造方法は、単糖の製造方法によって得られる単糖を発酵してエタノールを生成
する発酵工程で構成することで、糖化酵素の使用量を削減し、高い収率で生産コストの削減を
実現できるというもの。
【符号の説明】
A:エタノール製造装置、 1:加圧熱水反応装置、 1a:ポンプ、 1b:加熱器、 1c:
水量調整弁、 1d:反応槽、 1e:制御装置、 2:固液分離器、 3:叩解機、 4:酵素反
応装置、 5:第1触媒反応装置、 5a:第1混合装置、 5b:第1固液分離装置、 6:第
1発酵装置、 7:第2触媒反応装置、 7a:第2混合装置、 7b:第2固液分離装置、 8:
第2発酵装置、 9:蒸留装置、 10:排水処理装置、 B:バイオマス、 E:エタノール、
W:水、 W':加圧熱水、 X:固体酸触媒、 S,S':固体残渣、 H1,C1:一次糖化液、
H2,C2:二次糖化液、 F1,F2:発酵生成物、 D:排水。
さて、あっという間に時間消化した。この双璧システムに関する作業が数ヶ月続きそうだが、
今夜はこの辺で。
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