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『コウノトリの道 心臓を運ぶ鳥』ジャン=クリストフ・グランジェ×ヤン・クーネン

2015-04-06 00:44:07 | ミステリー

コウノトリの道 心臓を運ぶ鳥
FLIGHT OF THE STORKS (2013年フランス)
 監督          ヤン・クーネン
 脚本          ヤン・クーネン
              デニス・マクギラス
 原作          ジャン=パトリック・グランジェ
 出演          ハリー・トレッダウェイ
              クレーメンス・シック
              バーディタ・ウィークス
              ルトガー・ハウアー
 
 ■ストーリー■
 フランスに飛んでくるコウノトリの数が減っていることを調査していたジョナサンは、依頼主の鳥類学者のもとへ行くが、鳥類学者は死んでいた。捜査の結果、病気で死んだことが分かるが、心臓移植を受けていたことが分かるのだった。
 ジョナサンは、鳥類学者の遺志を継ぎ、コウノトリの減少の調査を再開し、イスラエル、アフリカへと向かうのだが…。

 ■感想■
 ジャン=クリストフ・グランジェ原作「コウノトリの道」(創元推理文庫)を映像化したTVムービー。

 原作は、ミステリーファンには、すごく評判の良かった作品なので、楽しみにしていたんですが、映像化された今作を観ると、ごく普通の作品でした。

 原作通りの展開なのか、原作を未読なので良く分かりませんが、どうなんでしょう??題材が小説向きなのか、映像化には向いていないのか、普通の印象しか受けませんでした。

 ダイヤモンドを狙って襲ってくる悪徳刑事、謎のラビのかっこうをした殺し屋等、魅力的なキャラクターが登場するものの、活躍する場を与えられた直後に、すぐに退場という出し方なので、あまり印象に残らない感じです。

 主人公のジョナサンは、動物用の薬までやって、パッパラパー状態になりすぎ!!
 こういう作品の主人公の設定には向いていないのでは??
 イケメンなので、モテちゃったりしますが、絶対絶命のピンチに陥りますが、なんとなくいつも危機を脱出して、いかにもB級アクション映画の雰囲気がプンプンしてきちゃいます。
 クライマックスの危機脱出のシーンなんて、「そんなぁ、薬投与されているのに危機一髪のところで反撃なんて、あり得ない!!」とか思っちゃいます。
 動物用の薬をやっていたから、普通の薬では効果が無かったとかいう説明があれば違うんでしょうが。

 クライマックスに明かされる謎も、小説だと驚かされるようなシーンなんでしょうが、今作を観る限りは、どうも突拍子もなく突然出てきた感が強すぎかも??
 「ダイヤモンドの件も、どうなったの??」って感じで、中途半端になったまま、終了だし…。

 TVムービー(ミニシリーズ2回分)という時間枠が決まっているので、カットしようがないでしょうが、主人公がラリパッパのシーンより、もっと謎解きやら、サスペンスを盛り上げるシーンを描いて欲しかったです。

 前後編で、ランニングタイムが200分強あって、こんな風にしか描けないのはなぜなんでしょう??もったいない!!
 内容は、原作とはずいぶんちがうんでしょうか??

 でも、こういうフランスの長尺のTVムービーがソフト化されるのはウレシイ限りですね!!50点

コウノトリの道 心臓を運ぶ鳥(2枚組) [DVD]
ハリー・トレッダウェイ,ルトガー・ハウアー,ペルディータ・ウィークス
パラマウント ホーム エンタテインメント ジャパン

原作は評判が良いミステリーです。

コウノトリの道 (創元推理文庫)
Jean‐Christophe Grang´e,平岡 敦
東京創元社



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『ダークショット』レーサーvs連続殺人鬼?

2015-03-05 00:18:26 | ミステリー

ダークショット
RAW NERVE(1991年アメリカ)
 監督          デヴィッド・A・プライアー
 脚本          ローレンス・L・シメオン
              デヴィッド・A・プライアー
              ジェーソン・コールマン
 出演          グレン・フォード
              テッド・プライアー
              ジャン=マイケル・ヴィンセント
              サンダール・バーグマン
              トレイシー・ローズ
              ランドール”テックス”コッブ

 ■ストーリー■
 世間では赤いハイヒールを履いた女性が連続して殺される事件が起きていた。殺し方は、被害者の女性の顔にショットガンを撃ち殺すという手口だった。
 レーサーのジミー・クレイトンは、ある日、レース中に幻覚を見るのだった。レースの帰り道に通った遊園地のミラーハウスで起きた事件の幻覚ということに気づき、警察に行くが相手にされなかった。そんなジミーを見ていた記者のグロリアは、話を聞かせて欲しいと近づいてくるのだった。

 ■感想■
 今日も相変わらず古い作品を記事に…。
 新作はここ1か月くらい全然観ていないので、昔の作品を。

 ジャン=マイケル・ヴィンセント、サンダール・バーグマン、トレイシー・ローズ、ランダール”テックス”コッブと、B級アクション映画ファンだったら、大喜びの豪華キャストのサスペンス・ミステリー映画。
 主人公の犯人が殺しを行う現場の幻覚を見るレーサー役は、デヴィッド・A・プライアー監督の兄妹で、監督作の常連俳優のテッド・プライアー。

 

 殺人現場の幻覚を見るレーサー役は、てっきり、ジャン=マイケル・ヴィンセントだと思ったら、彼は刑事役でした。しかも、警部補役。スーツ姿が全然似合わない!!
 筋肉質の体系のせいなのか、今まで出演した役のイメージのせいなのか、やっぱりジャン=マイケル・ヴィンセントにはラフなかっこうが似合います!!

 殺人現場の幻影を見る主人公を描く、超能力系主人公の活躍する作品と思いきや、B級作品には似つかわしくない、正統派のミステリーでした。
 
 「まさか、そんなオチ??」

 あまりにも正統派の展開に全然、途中、気がつきませんでした。
 
 まぁ、途中からミスリードのように犯人が示されるので、てっきり信じちゃいました。B級アクション系ミステリーと思ったら、正統派のミステリー。
 ちょっと、ビックリでした。

 でも、面白いかどうかは別なんで、今作を観る人は、あまり期待しないで下さい。

 正統派とか言って、ほめてますが、それは全然期待していなかったからで、明らかにオカシなところもあるので、要注意!!
 
 主人公の妹ジーナが犯人に襲われるシーン、あれは物理的に犯人にできないはず!!

 まぁ、そんなコト考えなかったんでしょうねぇ。あまり深く考えずに、1980年代の2時間サスペンスでも観るつもりで観れば、楽しく観れるはず!!   40点


ダークショット [VHS]
ジャン・マイケル・ビンセント
大映



 
 

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『クリムゾン・プロジェクト』ジャン=クリストフ・グランジェ原作

2014-07-24 18:31:29 | ミステリー

クリムゾン・プロジェクト
LA MARQUE DES ANGES MISERERE(2013年フランス、ベルギー)
 監督          シルヴァン・ワイト
 脚本          ローレン・ターナー
              シルヴァン・ワイト
              ヤーン・メージュ
 原作          ジャン=クリストフ・グランジェ
 出演          ジェラール・ドパルデュー
              ジョーイ・スタール
              ヘレナ・ノゲーラ
              マルト・ケラー
              ティエリー・ラルミット

 ■ストーリー■
 世界中で孤児が拉致される事件が起きていた。孤児を輸送中だった謎の男が、検問で銃撃戦になり逃走中に砂漠に投げ出され逮捕されるのだった。この事件を捜査していたインターポールの刑事フランクは現場へ向かうが、パートナーの失敗で、目を離した隙に容疑者は自殺してしまうのだった。
 そんなとき世間を騒がせていたのは、世界最強の私兵組織を持つブラックストリーム社のシングルトン代表がテロ容疑者を拷問をした容疑で訴えられた裁判だった。
 一方、40年間刑事を勤め上げ退職したカスダンは、聖歌隊の指揮をしていた男が教会で殺されているとサルキス神父から連絡を受けるのだった。指揮をしていた男はドイツ系の移民のチリ人ウィレム・ゲッツという男だった。ゲッツの殺害現場の血だまりから発見された23cmのスニーカーの靴跡から、小柄な人間かまたは聖歌隊の少年が疑われるのだった。
 フランクは、容疑者が削除した携帯のデータから探り当てた名前にウィレム・ゲッツがあることを知り教会に行き、そこで捜査中のカスダンと出会うのだった。捜査をしたい欲求を抑えられないカスダンは、フランクに2人でコンビを組んで捜査を行うことを提案するのだった…。  


 □■□ネタバレあり!□■□

 ■感想■
 ジャン=クリストフ・グランジェ原作の映画化作品。
 
 出演はジェラール・ドパルデュー、ジョーイ・スタール。
 
 映画化されたジャン=クリストフ・グランジェ原作の映画作品というと
『クリムゾン・リバー』(2000年)
エンパイア・オブ・ウルフ』(2005年)
ストーンカウンシル』(2005年)
と、今作となりますが、色々な作品を書いていますね。
 
 映画化された作品から判断すると、
 すべてミステリー、サスペンス調で始まるのに、大がかりな007のようなアクション映画になってしまう『エンパイア・オブ・ザ・ウルフ

 超自然現象が起こるファンタジー映画になってしまう『ストーンカウンシル
 
 今作も世界的な孤児の拉致事件から、ナチスの残党が絡む国際的な犯罪が描かれる大がかりな作品と、とにかく面白い作品を書く作家ですね。

 何気なく観ていると、次から次へと展開が速くて、映画に置いて行かれそうになる感じの作品です。
 アクション映画風の冒頭のシーンから、本格ミステリー調な展開になり、いつのまにか国際的な犯罪映画に!

 未公開のこういう映画がソフト化されるのは、すごくウレシイですね。

 ネタバレになっちゃいますが、ある目的のために「声」を使うってアイデアがありますが、思わせぶりな『ザ・シャウトさまよえる幻響』(1978年)より、よっぽど良いです!

 まぁ、もともと『ザ・シャウトさまよえる幻響』はエンターテイメント度が高い作品じゃないですけどね。

 ただ、せっかくの「声」を使った今作のアイデアも、こじんまりとしていて盛り上がらない!
 
 声を使った作戦は、結局、今回しか使わないつもりだったんでしょうかね。せっかく育てたのに。

 雰囲気だけは、A級ですけど、ストーリー自体は大したコトない作品です。
 好きキライが分かれそうな感じです!リュック・ベッソンの製作した作品を観て、喜んじゃう映画ファン向けみたいな作品です! 50

クリムゾン・プロジェクト [DVD]
ジェラール・ドパルデュー,ジョーイ・スタール
松竹


 

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『解剖室殺人事件』傑作TVムービー

2013-03-18 23:50:09 | ミステリー

解剖室殺人事件』(ビデオ題:『キルジョイ』)
KILLJOY(1981年アメリカ)
 監督          ジョン・リューエリン・モクシー
 脚本          サム・ロルフ
 出演          キム・ベイシンガー
              ジョン・ルビンスタイン
              スティーヴン・マクト
              ナンシー・マーチャント
              ロバート・カルプ
              アン・デューセンベリー

 ■ストーリー■
 病院の会長の娘ローリーは、病院に勤める2人の医師、病理学部の部長ポールと外科のマックスから好意を持たれていたが、外科医マックスと婚約するのだった。 
 ショックを受けたポールは、同じく医師をしている母親からなじられるのだった。その後、ポールとローリーは行きつけのバーで女主人から、手紙を預かるのだった。文面からマックスと付き合っているであろう女性からのもので、部屋のカギが入っていた。
 その手紙を出した女性ジョイ・モーガンの家に行ったポールとローリーは、部屋でマックスの写真を発見するのだった。実は、ジョイ・モーガンという女性は存在せず、マックスとローリーの仲を裂くために、ポールが知り合いの家を借り、架空の浮気工作をしたのだった。

 ■感想■
 1982年にエドガー賞のTV映画、TVミニシリーズ部門で受賞した傑作ミステリーTVムービー。
 エドガー賞のTV映画、TVミニシリーズを受賞した作品といえば、『殺しの演出者』(ビデオ題:『謎の完全殺人』)や、『殺しのリハーサル』(DVD題:『刑事マッカロイ 殺しのリハーサル』)という傑作ぞろいなんで、今作も面白さも保証つき!

 今作はフジTVの深夜枠で放送されたあと、ビデオバブル時に「キルジョイ」というタイトルでVHSになりました!
 主演のヒロインはキム・ベイシンガーで、今でこそ映画女優ですけど、当時の印象だとTVシリーズ「女刑事JJケーン」の主人公というイメージが強かったです!
  ヒロインと恋のライバルを別れさせるために作った架空の女性ジョイ・モーガンが、なぜか、いるのか?いないのか?というミステリーに始まり、ストーリーは二転三転し、驚愕のラストに!!
 
 「本当にすごすぎ!アメリカの1980年代のTVムービー!」
 
 原作物の映像化作品でもなく、ウィリアム・リンク&リチャード・レヴィンソンが関わった作品でもないのに、この完成度!
 オリジナル脚本でこの完成度!
 ヘタなミステリー映画より、よっぽど、完成度が高いです!

 母親のマーサとポールの関係が、『サイコ』のノーマン・ベイツばりに、母親に支配されているから、犯人に違いないと思わせておいて、ストーリーは進んでいきます!犯人らしい犯人がいないまま、クライマックスに突入!
 事件にからむ謎の男にロバート・カルプですが、どう考えても、犯人には見えないのでこのキャスティングは、ちょっとどうなんでしょう?? 

 このラストは、視聴者の顔が、まるで、今作のヒロインのキム・ベイシンガーの驚いた顔のショットみたいな感じになっちゃいます!
 結局、ポールは、最初からある程度分かっていたってコトなんでしょうか??

 フジTVで放映したときの、放映音声つきで、DVD化してくれないですかねぇ?? 75点

 

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『スモーク・スクリーン疑惑の炎』サンドラ・ブラウン映像化。

2013-03-17 10:35:09 | ミステリー

スモーク・スクリーン 疑惑の炎
SMOKE SCREEN(2010年アメリカ)
 監督          ゲイリー・イエーツ
 脚本          カレン・スティルマン
 原作          サンドラ・ブラウン
 出演          ジェイミー・プレスリー
              カリー・グレアム
              ガーウィン・サンフォード
              ラリッサ・ラスキン

 ■ストーリー■
 チャールストンで人気のTVリポーター、ブリット・シェリーは遊び人の警官で、かつて警察署の火災で活躍したジェイから相談を受けるのだった。その後、夜をともにし、翌朝、目覚めたブリットはジェイがベッドで死んでいるのを見つけるのだった。不審な死に方をしていたため薬物使用の疑いを晴らすため、ブリットは尿検査を受け、世間に発表し、容疑を一時的に晴らすのだった。
 しかし、この事件は、ベッドで目覚めると隣にいた女性が死んでいたというブリットが報道した事件と酷似していたのだった。その事件の容疑者ギャノンからの接触を受け姿を隠し、事件の捜査を続けるのだった。

 ■感想■
 サンドラ・ブラウン原作「火焔」(集英社文庫)を映像化したTVムービー。
 サンドラ・ブラウンって苦手なんですよね。
 ミステリーとかサスペンス小説っていうより、なんかロマンスの度合いが高いような気がしちゃって・・・。
 今作も、ヒロインは美人、事件の捜査を一緒にする男は以前、ヒロインが報道した事件で社会的に抹殺された男なのに、良い仲になっちゃいます!
 まぁ、TVムービーで観るなら、楽しく観れるのでちょうど良い感じですけど。劇場で観るのはツライ感じがしちゃいますけど、TVムービーで観るには十分です!
 わざわざ観るのでなく、放映していたら観るみたいな感じの作品です!

 ストーリー的には、ミステリーの王道のような安心して観られる展開!

 これが1970~1980年代のTVムービーだったら、劇場映画にも負けないようなTVムービーが多かったので比べようもない感じですけど、2000年代以降の作品だし、全然OKです。
 サンドラ・ブラウンの原作ファンは今作を観て、どう思うんでしょうね??
 自分は原作を未読なので、それなりに楽しめました!

 少なくとも観ている間に、余りの内容に眠ってしまうような日本の2時間サスペンスとは比べるまでも無いですね!


 でも、アメリカのミステリーのTVムービーというとどうしても、ウィリアム・リンク・リチャード・レヴィンソンが関わった作品とかを期待しちゃうんですよね!
 『殺しのリハーサル』(DVD題:『刑事マッカロイ殺しのリハーサル』)(1982年)
 『殺しの演出者』(ビデオ題:『謎の完全殺人』)(1978年) 

 また、2人が関わっていない作品ですが、ロベール・トーマの舞台劇を基にした『ハネムーン・クライシス 新妻蒸発』(ビデオ題:『他人の向こう側 私の家に見知らぬもう1人の妻がいる』)(1975年)や、オリジナル作品としては、大傑作のミステリーになった『解剖室殺人事件』(ビデオ題:『キルジョイ』)(1981年)とか、本当に素晴らしいミステリーがありますからね!

 TV放映時の吹替え音声付きで『殺しのリハーサル』『殺しの演出者』『ハネムーン・クライシス 新妻蒸発』『解剖室殺人事件』とかDVD化してくれないですかねぇ??  40点


火焔 (集英社文庫)
林 啓恵
集英社


 

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『リンカーン弁護士』エンターテイメントミステリー

2013-02-28 22:32:03 | ミステリー

リンカーン弁護士
LINCOLN LAWYER(2011年アメリカ)
 監督          ブラッド・ファーマン
 脚本          ジョン・ロマーノ
 原作          マイケル・コナリー
 出演          マシュー・マコノヒー
              ライアン・フィリップ
              マリサ・トメイ
              ウィリアム・H・メイシー
              ジョン・レグイザモ

 ■ストーリー■
 リンカーンコンチネンタルを事務所代わりにするやり手弁護士ミック・ハラーのもとに、資産家の息子ルイスを弁護するという依頼が来る。その事件とはルイスが女性を殴り乱暴を働いたとされる事件だった。司法取引でなく、あくまでも無実を勝ち取るための裁判をすることにこだわるルイスの希望でミックは裁判をすることになるのだった。事件を捜査するミックは、今回の事件が自分が4年前に担当した事件の類似点に気づくのだった…。

 ■感想■
 マイケル・コナリー原作のベストセラー「リンカーン弁護士」(講談社文庫)の映画化作品。
 原作はマイケル・コナリーの弁護士ミッキー・ハラーを主人公にした「リンカーン弁護士」シリーズの1作目。原作シリーズは2作目の「真鍮の評決 リンカーン弁護士」(講談社文庫)まで翻訳されています。
 原作がちゃんとあるため、ストーリーもしっかりしていて、大変楽しめるエンターテイメント作品になっていました!
 これを機に未訳の続編も翻訳されると良いですね。つまらない日本の小説を出版するんだったら、ちゃんとした海外のエンターテイメント作品を出版して欲しいですね。
 2008年の作品「真鍮の評決 リンカーン弁護士」が出版されたのが2012年だから、まだまだなんでしょうけどね。


 今作は、本当に肩のこらない、誰が観ても楽しめる作品になっています!

 「やっぱりエンターテイメント作品はこうでないと!!」 

 マシュー・マコノヒーも、良い感じです。今まで観た映画では、自分は特に印象的な魅力的なキャラクターを演じていなかったですけど、今作では、魅力的な主人公を演じています。
 魅力的なキャラクターといえば、ミックの調査員フランク役のウィリアム・H・メイシーも良い感じです。

 レンタルビデオ屋に行って、借りる作品が無いなぁ~っていうときに、借りて観るには最高すぎる作品です!
 

 やっぱり、アメリカのエンターテイメント作品で、裁判をテーマにしたミステリーは面白い作品が多いですね。
 
 バリー・ニューマンが主演した1970年代のTVシリーズ「弁護士ペトロチェリー」とかも、TV放映時の吹替え音声付きで、どこかのメーカーさんソフト化してくれないですかねぇ~??
 状況的には、絶対に犯人に違いない依頼人を弁護して、いつの間にか真犯人を見つけ出しちゃう傑作TVシリーズでした。 75点

 


リンカーン弁護士 [DVD]
マシュー・マコノヒー,ライアン・フィリップ,マリサ・トメイ,ウィリアム・H・メイシー
Happinet(SB)(D)
リンカーン弁護士 [Blu-ray]
マシュー・マコノヒー,ライアン・フィリップ,マリサ・トメイ,ウィリアム・H・メイシー
Happinet(SB)(D)
リンカーン弁護士(上) (講談社文庫)
古沢 嘉通
講談社
リンカーン弁護士(下) (講談社文庫)
古沢 嘉通
講談社
真鍮の評決 リンカーン弁護士 (上) (講談社文庫)
古沢 嘉通
講談社
真鍮の評決 リンカーン弁護士 (下) (講談社文庫)
古沢 嘉通
講談社




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『エレクトリック・ミスト 霧の捜査線』ジェームズ・リー・バーク映画化

2011-08-31 23:52:42 | ミステリー

エレクトリック・ミスト 霧の捜査線
IN THE ELECTRIC MIST(2009年アメリカ、フランス)
 監督          ベルトラン・ダヴェルニエ
 脚本          イエジー・クロモロウスキ
              メアリー・オルソン=クロモロウスキ
              ジェームズ・リー・バーク
 原作          ジェームズ・リー・バーク
 出演          トミー・リー・ジョーンズ
              ジョン・グッドマン
              ピーター・サースガード
              メアリー・スティーンバーゲン
              ケリー・マクドナルド
              ジャスティナ・マシャド
              ネッド・ビーティ

 ■ストーリー■
 ルイジアナの川で売春の逮捕歴のある若い女性チェリー・ルブランの死体が発見される。デイヴ・ロビショーは捜査を始めるのだった。
 そんなとき、スピード違反をするスポーティカーを追跡、乗っていたのは映画撮影を行うエルロッド・サイクスと女優だった。エルロッドは飲酒運転とスピード違反を見逃してくれるように頼んでくるのだった。エルロッドは撮影中の現場で死体を発見したと言うのだった。エルロッドが発見した死体は、40年前にデイヴが事件を目撃した事件の被害者だった。
 その当時、デイヴの話を誰も信じてくれず、事件になっていなかったのだ。

 ■感想■
 ジェームズ・リー・バーク「エレクトリック・ミスト」(角川文庫)の映画化作品。
 
 主演は、トミー・リー・ジョーンズ。
 
 監督はフランス人監督のベルトラン・タヴェルニエ。
 
 主な出演者は、トミー・リー・ジョーンズ、ジョン・グッドマン、ピーター・サースガード、メアリー・スティーンバージェン、ネッド・ビーティと劇場未公開ながら超超超豪華なキャスティングの作品。

 残念ながら、この豪華なキャスティングも、原作がジェームズ・リー・バークのデイヴ・ロビショー物というのも、劇場公開に対してのプラス要素にならなかったようですね。 

 
 劇場未公開の作品ですが、ちゃんとした原作があり、豪華なキャスティングということで安心して観ていられるレベルの作品になっています!!
 ところが、日本語吹替えなんですが、トミー・リー・ジョーンズの声が加藤優季さんでした。自分的には、なんか、イメージが違うような気が…。加藤優季さんのファンの方、すいません。

 『ウォンテッド』(2008年)の主人公ジェームズ・マカヴォイ吹替えをやったDAIGOのような映画そのものを破壊してしまうほどの超破壊力は無いものの、自分的には、ちょっとイメージが違うような気がしちゃいました。みなさんはどうでしょう??
 

 自分的には、トミー・リー・ジョーンズと言えば、『メン・イン・ブラック』シリーズや、飲料メーカーのTVCMのイメージが強くなっちゃってます!!

 菅生隆之さんや谷口節さんは使えなかったんでしょうかね??
 菅生隆之さんや、谷口節さんだったら、より一層面白く観れたのに。

 ストーリーは、原作があるだけに特に問題なく、ランニングタイム117分、最初から最後まで面白く観ることができます!!

 キャラクターの活躍を楽しむ作品なので、ミステリー度は高くないので、本格ミステリーのような作品は期待しないで下さい!!

 でも、でも、「映画を観た!!」っていう満足感を与えてくれること必至です!!


 「これだけの完成度の作品で、有名な俳優が出演しても劇場未公開って、ちょっと悲しくなっちゃいますよね。
 ケータイ小説の映画化作品や、TVドラマの映画化作品や、恋愛映画、難病物みたいな、知能指数が観るだけで10くらい下がっちゃうような日本映画を公開するんだったら、こういうちゃんとした映画を上映して欲しいですよね。 70点

エレクトリック・ミスト -霧の捜査線- [DVD]
トミー・リー・ジョーンズ,ジョン・グッドマン,ピーター・サースガード,メアリー・スティーンバージェン
アメイジングD.C.
エレクトリック・ミスト (角川文庫)
James Lee Burke,大久保 寛
角川書店
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『23年の沈黙』

2011-06-28 00:26:11 | ミステリー

23年の沈黙
DAS LETZTE SCHWEIGEN(2010年ドイツ)
 監督          バラン・ボー・オダー
 脚本          バラン・ボー・オダー
 原作          ヤン・コスティン・ヴォークナー
 出演          セバスチャン・ブロムベルゴ
              ウルリク・トムセン
              ヴォーダン・ヴィルケ・メーリング
              カトリーン・ザース
              ブルクハルト・クラウスナー

 ■ストーリー■
 1986年、11歳の少女が暴行され殺される事件が発生するが、未解決のままだった。23年後、その事件と酷似した事件が発生し、13歳の少女が行方不明になるのだった。
 23年前の事件を起こした犯人ペアのそばにいて、その一部始終を見ていたティモは、この事件を起こしたのが、同一犯ペアの仕業ではないかと疑うのだった。ティモは事件直後に、名前を変えて行方をくらましていたのだった。
 一方、23年前の事件を捜査していた元警官のクリシャンは、独自に捜査を始めるのだった。


 ■感想■
 ドイツのミステリードラマ。
 ミステリーと言っても、犯罪を描いているだけで、いわゆる推理物やトリック物とは違うので観るときは、気をつけましょう!

  何の救いも無いラストに向かって、物語は進んでいきます。
 
 「暗い!暗い!
 
 見応えのある、しっかりしたミステリー作品なんですけど、ストーリーが真っ暗です!
 
 ”真犯人の正体を知った23年前の事件の被害者の母親が、新たに同じ手口で犯行を起こしたようにみせかけて、犯人をおびきよせようとしているのか??”
 と、思ったんですけど、全然違っていました。
 そんなミステリーのためのトリックを描く作品では無かったです!!

 今作の最大のミステリー要素は、”23年後に、なぜ同じ手口で犯罪を起こしたのか??”っていう動機の部分です!!
 

 登場人物たちのキャラクターはミステリーが好きな映画ファンにはたまらない感じです!!
 
 現役時代に解決出来なかった事件の捜査を続ける元刑事。
 妻に先立たれ、警察に復帰し、事件の真相を突き止めるが、意見を上司に無視される刑事。
 娘を殺された母親。
 娘を誘拐された夫婦。
 23年前の事件に関わったことで、良心の呵責に悩まされる犯罪の共犯者。
 共犯者と同じ性的趣向を持つ主犯の犯罪者。
 
 でも、映画はと淡々と展開していきます!!

 ハリウッドのメジャー映画的なエンターテイメント度まるっきり無し!!
 ドイツ映画、マジメすぎ!
 日本の2時間サスペンスも、これくらい、考えさせるような内容の作品を作ってくれれば、良いのに!!ムリですけど…。
 

 内容が暗いので、観る人は、ちょっと注意しましょう!! 50点   

23年の沈黙 [DVD]
ウルリク・トムセン,ヴォータン・ヴィルケ・メーリング,カトリン・ザス,ブルクハルト・クラウスナー,セバスティアン・ブロムベルク
オンリー・ハーツ

    

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『コンフェッション』ウマイ話には気をつけろ!

2011-04-25 23:58:07 | ミステリー

コンフェッション
A MURDER OF CROWS(1998年アメリカ)
 監督      ローディー・ヘリントン
 脚本      ローディー・ヘリントン
 出演      キューバ・グッテンバーグ・Jr
          トム・ベレンジャー
          マリアンヌ・ジャン=パプティスト
          マーク・ベルグリノ
          エリック・ストルツ

 ■ストーリー■
 ニューオーリーンズの弁護士ローソン・ラッセルはダンサー殺害容疑のサーマンの弁護を引き受け、裁判を優勢な状況に持ち込むが、サーマンがダンサーを殺害したであろうことを感じた彼は裁判中に弁護を放棄し被告を侮辱する言葉を発し、弁護士の権利を剥奪されてしまうのだった。
 弁護士を辞めたローソンはフロリダに移住し、本の執筆活動を始めるのだった。そんなローソンの前にマーローという老人が現れ、5人の高給取りの弁護士を登場人物にした原稿“A MURDER OF CROWS”を渡すのだった。そして、その原稿の感想を聞かせてくれと言うのだった。傑作だと感じたローソンはマーローを探すが、発見したマーローが発作で死んでいたため、その原稿を自分のものとして、出版社へ送ってしまうのだった。出版した“A MURDER OF CROWS”は大ヒッし、ローソンは一躍ときの作家となるのだったが…。

 ■感想■
 『殺しのナイフ ジャック・ザ・リッパー』(1987年)、『スリー・リバース』(1993年)のローディー・ヘリントン監督の描くサスペンス。

 ランニングタイム101分のダラダラサスペンスです。
 『殺しのナイフ ジャック・ザ・リッパー
 『スリー・リバース
 と作品を追うごとに普通の監督になって、今作は間延びしたTVムービーって印象の作品になっちゃってます!
 大体、謎の老人から、「原稿を読んで欲しい」とか言われたら、絶対に怪しいと思うはず!!
 その後、その老人が死んでいたら、事件に巻き込まれるのに決まっているのに…。

 とにかく、想像したように、どんどんストーリーが展開していくので、ミステリー映画好きには安心して観ていられます!!少し物足りないという気も…。
 少しテンポが悪いので、あと15分くらい短ければ良かったのに!!
 あとは、もう2ヒネリか3ヒネリすれば良かったのかもしれないですけどね!!
 それでも、2000年代の日本の2時間サスペンスの100000000000倍は面白いですけどね。

 監督、脚本のローディ・ヘリントンは、2002年に、ジェームズ・スペイダー主演の犯罪物“The Stickup”、2003年に“I Witness”に監督しているので、本当はスリラー映画やサスペンス映画のジャンルが好きんあんでしょうねぇ!
 日本では、この2作は未だに未公開のままなのが残念!!
 “The Stickup”の方は面白そうなので観たかったんですけどね。
 その後、監督したジャンルのまったく違うゴルファーの伝記物『ボビー・ジョーンズ球聖とよばれた男』(2004年)は、DVD化されたのにッ!!
 

 ヒマなときにTVの映画劇場で、吹替えで放映されていたら普通に面白く観れるレベルではあるんですけどね…。本格ミステリーを期待しなければ、十分な感じではあるんですけど、“DVDを買え!!”っていうほどでは無いんでしょうかね??
 今はTVの地上波では映画枠が無いから、しょうがないですけど、こういう作品が、地上波の映画枠でひんぱんに普通に放映されるとウレシイんですけどね。

 かつては、ゴールデンタイムに各局で洋画を放映する以外に、深夜や、土曜、日曜の昼間とかで映画を放映してくれていたのにね。
 土曜や日曜の昼間に、その日の夜に放映する番組の予告みたいな特番や、ちょっと前のバラエティ番組の再放送しているなら、いっそTV番組自体放送しなくても良いのに!! 60点

コンフェッション [DVD]
ローディ・ヘリントン
クロックワークス
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『ミレニアム2 火と戯れる女』スウェディッシュミステリーPART2

2011-02-14 00:06:55 | ミステリー

ミレニアム2 火と戯れる女
FLICKAN SOM LEKTE MED ELDEN(2009年スェーデン、デンマーク、ドイツ)
 監督      ダニエル・アルフレッドソン
 脚本      ヨナス・フリュクベリ
 原作      スティーグ・ラーソン
 出演      ミカエル・ニクヴィスト
          ノオミ・ラバス
          アニカ・ハリン
          ベール・オスカルソン
          レナ・エンドレ
 
 ■ストーリー■
 雑誌「ミレニアム」の記者ミカエルは、天才ハッカー、リスベットの助けを借りてヴァンゲル家の事件を解決するのだった。その後、1年近く、ミカエルはリスベットが行方をくらまし、連絡が取れないでいた。そんなとき、「ミレニアム」では、少女売春組織の記事を書こうと取材を進めていた。しかし、取材をしていた記者2名が殺されてしまうのだった。現場で発見された拳銃にリスベットの指紋が残されていたことから、警察は彼女を重要参考人として追われる身になってしまうのだった。彼女の無実を信じるミカエルは、捜査を進めるのだった。

 ■感想■
 スティーグ・ラーソン原作小説「ミレニアム」シリーズ第2弾の映画化作品。
 1作目「ミレニアム ドラゴン・タトゥーの女」とはうって変わって、ミステリー系の作品からサスペンス系の作品へと雰囲気がすっかり変わっちゃいました!
 今作の内容で、ランニングタイム130分は長すぎ!長すぎ!
 原作が長編だからでしょうけど、映画版も長くなっちゃいました。原作は未読なんで良く分からないですけど、映画化するにあたりかなり短く刈り込んでいるらしいんですけどね。

 前作で登場した、記者ミカエルと、天才ハッカーのリスベットの2人のキャラクターが巻き込まれる事件を描いているだけで、ミステリー度は、とことん低い内容に…。
 リスベットが幼いころに起こした事件が描かれたり、死んだと思っていたリスベットの父親が登場したり、謎の巨大な男、亡命したロシアからのスパイを使って諜報活動を行っていたスウェーデンの秘密の組織の存在など、いかにも面白くなりそうな要素がたくさん出てくるんですけどねぇ~。

 シリーズ物として、前作の登場人物たちが活躍するのを楽しめばOKって、コトなんでしょうね!!
 「今作が面白い!!」と思うのは、スウェーデン映画とかをあんまり観たことが無い人なんでしょうね!
 『神々のテロリスト』(1989年)
 『D(デッド)スナイパー EC爆破司令を阻止せよ!』(1993年)
 『ゼロトレランス』(1999年)
 『エグゼクティブ・プロテクション』(2001年)
 『謀殺の標的』(1984年)
 等々、エンターテイメント映画的に、すご~く面白いスウェーデン映画の傑作、佳作がいくつもありますもんね。ただ、日本未公開の作品が多いのが残念です!!
 そういうスウェーデン映画を観ていた映画ファンから見たら、この「ミレニアム」シリーズは、普通にしか思えないですよね。決して、つまらないワケでは無いですけど、声高に「大々傑作!!」って言うほどでも無いですよね。
 でも、ハリウッドの映画しか洋画を観ないような映画ファンには、ぜひ観て欲しいですね!!アメリカ以外の国のエンターテイメント映画の実力を知って欲しいですからね!! 50点


ミレニアム2 火と戯れる女 [DVD]
ミカエル・ニクヴィスト,ノオミ・ラパス
アミューズソフト
ミレニアム ドラゴン・タトゥーの女 [DVD]
ノオミ・ラバス,マイケル・ニクヴィスト,スヴェン・バーティル・トープ,ステファン・サウク
アミューズソフトエンタテインメント




 

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『パーフェクト・ゲッタウェイ』他人を盗む症候群

2010-11-24 22:43:33 | ミステリー

パーフェクト・ゲッタウェイ
A PERFECT GETAWAY(2009年アメリカ)
 監督     デヴィッド・トゥーヒー 
 脚本     デヴィッド・トゥーヒー 
 出演     ミラ・ジョヴォヴィッチ
         スティーヴ・ザーン        
         ティモシー・オリファント
         キエレ・サンチェス        
         マーリー・シェルトン
         クリス・ヘムズワース
         

 ■ストーリー■
 クリフとシドニーの新婚カップルは、新婚旅行でハワイのトレッキングコースにやってくる。一方、ハワイでは、カップルが2人の殺人者に殺されるという事件が起きていた。クリフとシドニーは怪しげなカップル、ケイルとクレオに出会い危険を感じるがケイルとクレオは別行動で別れていくのだった。トレッキングコースを進むクリフとシドニーは、また、別のカップル、ニックとジーナと出会い、不安を感じながらも行動を共にすることになるのだった。                                                                                                                                                                      
 
 
 ■感想■
 デヴィッド・トゥーヒー監督の描くミステリー系スリラー。
 デヴィッド・トゥーヒーのフィルモグラフィーの主だった作品をあげると
 『ウォーターワールド』(1995年) 脚本
 『アライバル 侵略者』(1996年) 監督、脚本
 『G.I.ジェーン』(1997年) 脚本
 『クローン』(2001年) 脚本
 『ビロウ』(2002年) 監督、脚本
 『リディック』(2004年) 脚本
 です!
 このフィルモグラフィーから見て、SF系、ホラー系、アクション映画系の作品が得意なんだと、勝手に思ってましたけど、いやいや、今作を観る限り、ミステリーの方が10000万倍良いですね!
 こんな、面白いミステリー映画が撮れるなら、もっと早くから、こういうミステリー系の作品をバンバン撮って欲しかったです!!
 “心地良いだまされ方しちゃいました!”
 “最高です!デヴィッド・トゥーヒー”
 映画を観て、こんなに感動したのは、数ヶ月ぶり!!
 ハッキリ言って、すごく面白かったです!

  金田一耕介も、ビックリのミステリー!
 “こんな作品の脚本が書けるのに、なんで、今までミステリーの脚本を書かなかったの??”
 サスペンス映画??
 ホラー映画??
 スリラー映画??
 と、思わせておいて、実は、しっかりとしたミステリー映画になっています!!
 
 今作は、本当に面白いミステリー映画になっています!!
 今作を観て、「フェアじゃない!」とか思う映画ファンもいるかとは思いますけど、そんなコト言ったら、リチャード・ニーリィのミステリーなんて1冊も読めないです!!
 リチャード・ニーリィといえば、原作が映画化されたミステリー映画『プラスティック・ナイトメア 仮面の情事』(1991年)は、それなりにフェアでしたけど、それだけに全然驚けなかった記憶があります!親切すぎな演出でした!そういえば、『プラスティック・ナイトメア 仮面の情事』のDVDも日本語吹替え音声がついていないんですよね!VHS版は、日本語版があったはずなんで、日本語吹替え音声つきでDVDを再発して欲しいですね!
 

 今作を観て、フェアじゃないとか言ったら、ミステリー映画を楽しむ喜びを自ら捨てているような気がしちゃいます!
 そんなコト言ったら、アン・バクスターが謎の男に追いつめられる『生きていた男』(1958年)とかもフェアじゃないとか言われちゃいそうですね!なぜか、名作なのに『』も未DVD化のままです!どこかのメーカーさん、DVD化よろしくお願いします!
 あと、「刑事コロンボ」のクリエイター、リチャード・レヴィンソン、ウィリアム・リンクが脚本を書いた『謎の完全殺人』(1978年)も、あのオチは、フェアじゃないとか言われちゃいそうですね。『謎の完全殺人』もNHKで放送されたときの日本語吹替え音声付きでDVD化お願いします!同じく、リチャード・レヴィンソン、ウィリアム・リンクが脚本を書いた『殺しのリハーサル』(1982年)も、日本語吹替え音声付きでのDVD再発してくれないですかね??

 クライマックスは、なぜか、ハリウッド得意のアクション映画になってしまいますけど、今作『パーフェクト・ゲッタウェイ』はミステリー映画ファンにこそ観て欲しい1本です!
 今作のDVDは、劇場公開したランニングタイム97分版と、アンレイテッド・ディレクターズカット版の108分版がついています!超お買い得です!! 90点
 

パーフェクト・ゲッタウェイ [DVD]
ミラ・ジョヴォヴィッチ,ティモシー・オリファント,キエレ・サンチェス,スティーヴ・ザーン,マーリー・シェルトン
東宝
パーフェクト・ゲッタウェイ
ミラ・ジョヴォヴィッチ,ティモシー・オリファント,キエレ・サンチェス,スティーヴ・ザーン,マーリー・シェルトン
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『シャッター・アイランド』またまた禁断のオチ

2010-09-12 07:46:01 | ミステリー

シャッターアイランド
SHUTTER ISLAND(2009年アメリカ)
 監督    マーティン・スコセッシ
 脚本    レータ・カログリディス
 原作    デニス・ルヘイン
 出演    レオナルド・ディカプリオ
        マーク・ラファロ、ベン・キングズレー
        ミッシェル・ウィリアムズ、エミリー・モーティマー
        マックス・フォン・シドー、パトリシア・クラークソン

 ■ストーリー■
 1954年、ボストンの沖合に浮かぶ島シャッターアイランドにある精神病院からレイチェルという患者が、ある日、突然姿を消す事件が発生する。重犯罪を犯した者も収容する警備が厳重な病院での失踪事件だったため、連邦保安官のテディと相棒のチャックが捜査のために派遣されてくるのだった。実は、テディは今回の失踪事件以外に、過去に因縁のある人物アンドルー・レディスを探そうとしていたのだった。

□■□ネタバレあり!□■□

  ■感想■ 
 デニス・ルヘインの「シャッター・アイランド」(ハヤカワ文庫)の映画化作品。
 マーティン・スコセッシ監督、レオナルド・ディカブリオ主演です。
 マーティン・スコセッシ監督とレオナルド・ディカプリオのコンビは『ギャング・オブ・ニューヨーク』(2001年)、『アビエイター』(2004年)、『ディパーテッド』(2006年)に続いて4度目になりますが、ディカプリオは、スコセッシ監督と相性が良いんでしょうね??
 
 「孤島にある警戒厳重な収容施設から、患者が1人行方不明になり、そこへ主人公が捜査に現れる」っていうストーリーだけで、もしかしたら、禁断のオチでは無いと良いなぁ!
 と、不安に駆られながら、鑑賞していたんですけど、ストーリーが進むに連れて、不安度が、増していきました!
 
 ミステリー映画やミステリー小説が、多少なりとも好きな人だったら、始まって1時間くらいしたところで、ネタが割れちゃうはず!

 それも、ミステリー的にやってはいけない“禁断のオチ系のトリック”
 もう絶対にやめて!
 実は、主人公は死んでいました!
 実は、夢でした!
 実は、双子の兄弟と入れ替わっていました!
 実は、双子の兄弟の片割れはすでに死んでいました!
 実は、地球でした!
 
 最後の「地球でした」は、禁断のオチじゃ無いです・・・。
 それ以外はそのままオチにしないで欲しい禁断のオチ!ミステリー、サスペンス系の脚本家が100人いたら、100人は思い浮かぶオチですからね!
 
 禁断のオチの変形パターンもやめて下さい!
 実は、映画の内容は、主人公が死ぬ間際に見た夢でした!
 実は、主人公が×△□×でした!
 
 今作は、その「主人公が×△□○×でした」パターンのトリックでした!
 
 「誰でもトリックが見破れる禁断のオチ…
 
 自分なんか、病院のある島について、銃を預けるシーンで、ある程度オチが分かっちゃいました。本当にやめて欲しいなぁ。
 その後も、ベン・キングズレーのセリフとか、他の医者の驚いた顔とか、演出で、説明しすぎ!!
 今作のネタ、分かりすぎ!
 それに、今作は、ランニングタイムが138分!!長すぎ!長すぎ!
 これが、ランニングタイム85分くらいだったら、そんなに怒らないですけど、138分も使って、このオチッ!
 「ありえない!」
 マーティン・スコセッシ監督向きなテーマじゃ無かったんでしょうね。
 原作では、もう少しスッキリした感じだったのに、説明しすぎの演出!
 禁断のオチ”とか言われても、原作と同じだから、監督のマーティン・スコセッシや脚本家のレータ・カログリディスが悪いワケじゃ無いのは分かるんですけど、
 “説明しすぎ!”です!

 TVシリーズ「刑事コロンボ」のクリエイターの1人、ウィリアム・リンクが、原作を離れて、脚本&監督すれば、もっともっと面白くなったろうに!!ウィリアム・リンクだったら、今作の主人公は、レオナルド・ディカプリオでなく、ベン・キングズレーかマーク・ラファロになるんでしょうね。
 それにランニングタイムも100分くらいで作っちゃうんでしょうね!
 「マーティン・スコセッシは、もうミステリー映画は撮らないで!」
 「脚本家のレータ・カログリディスも、エンテータイメント作品の脚本には、関わらないで!」
 って感じです!
 
 マーティン・スコセッシ監督の作品は長い作品が多いですから、今作の138分も普通の長さなのかもしれないですけど、普通に内容と合わせて考えても30~40分は長いです!
 
 原作から離れて、ダリオ・アルジェントが監督したら、面白くなったかもしれないですけどね。でも、そうなったら、もう原作者がいるから「あれは“シャッターアイランド”じゃない」とか言われてトラブリそうですね!原作は未読なんで、分からないですけど、映画とまるっきり同じ内容だったら、映画化向きの作品じゃ無いですよね。
 
 ところで、最後のレオナルド・ディカプリオのセリフは、精神はまともになったってコトですよね。 15点

シャッター アイランド [DVD]
レオナルド・ディカプリオ,マーク・ラファロ,ベン・キングズレー,ミシェル・ウィリアムズ,パトリシア・クラークソン
パラマウント ホーム エンタテインメント ジャパン
シャッター アイランド スペシャル・コレクターズ・エディション [Blu-ray]
レオナルド・ディカプリオ,マーク・ラファロ,ベン・キングズレー,ミシェル・ウィリアムズ,パトリシア・クラークソン
パラマウント ホーム エンタテインメント ジャパン



 

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『ボーダー』デ・ニーロ、パチーノ

2010-09-05 08:28:21 | ミステリー

ボーダー
RIGHTEOUS KILL(2008年アメリカ)
 監督    ジョン・アヴネット
 脚本    ジョン・アヴネット
 出演    ロバート・デ・ニーロ、アル・パチーノ
        カーティス・ジャクソン、カーラ・グギーノ
        ドニー・ウォルバーグ、ジョン・レグイザモ
        トリルビー・グローヴァー、ブライアン・デネヒー

 ■ストーリー■
 ある日、野放しになっている街の悪党たちが至近距離から銃で撃ち殺される事件が連続して起きるのだった。現場には韻を踏んだ詩が手書きでカードに残されていた。長年コンビを組んできたタークとルースターのコンビは、この事件の捜査にあたるが、被害者が無用心に殺されているコトから、警察関係者が犯人だと疑惑が生まれるのだった。連続殺人鬼に殺された被害者たちの事件に関わっているタークが怪しいと疑われ始めるのだった。

□■□ネタバレあり!□■□
 
 ■感想■
 ロバート・デ・ニーロ、アル・パチーノ主演の刑事、犯罪物。
 映画の冒頭で、ロバート・デ・ニーロがビデオに向かって告白を!
 殺しのシーンのあとにも、何回かロバート・デ・ニーロの告白シーンが挿入されます!
 ミステリー映画好きだったら、このシーンだけで、ある程度、ネタが割れちゃいます!

 まず、このデ・ニーロの告白シーンのせいで、まず思い浮かぶのが、
 
 “犯人はデ・ニーロじゃ無い!”

 まさに、その通りの展開!!

 だとしたら、誰が犯人??
 デ・ニーロ演じる刑事のパートナー、ルースター??
 デ・ニーロの恋人の女性刑事、カーラ・グギーノ??
 同僚の刑事、ペレズ??
 ペレズのパートナー、ライリー??
 上司のヒンギス警部補??
 
 今作は、一応、共演者もそれなりの俳優をキャスティングしているので、誰が犯人か、けっこう分からない展開になっています。
 1番怪しい人間が、犯人でした!
 
 「う~ん、単純すぎ!」

 まぁ、今作の場合、ストーリーや、“犯人は誰??”みたいなミステリー要素を楽しむ作品でなくて、あくまでも、ロバート・デ・ニーロとアル・パチーノの共演を楽しむ作品なんで、ミステリー度は低くて良いんでしょうね。監督、脚本が『88ミニッツ』(2007年)のジョン・アヴネットなんで、ミステリー的には期待できないのは観る前から分かっていたんですけどね。
 刑事アクション度 ★
 ミステリー度    ★★
 って感じです!でも、『88ミニッツ』の方がまだミステリー度が高かったような…。
 今作は、ロバート・デ・ニーロ、アル・パチーノのシーンを撮るので、精一杯だったんでしょうね。
 
 とにかく、デ・ニーロの告白を撮ったビデオ映像のシーンは余計です。あのシーンは無い方が良かったのに…。
 
 ところで、ロバート・デ・ニーロとアル・パチーノの刑事ってイヤですよねぇ。あんな貫禄のある2人が、普通の刑事だなんて。警部補も扱いづらいですよね。あの2人が刑事って、どうなんですか??
 警部(キャプテン)役か、警視補(デヴュティインスペクター)役か、警視(インスペクター)役でも全然おかしく無い2人が刑事役ですからね。  65点
 

<声の出演>
ロバート・デ・ニーロ(ターク)    堀   勝之祐
アル・パチーノ(ルースター)    山路  和弘
カーラ・グギーノ(カレン)      田中  敦子
ブライアン・デネヒー(ヒンギス)  間宮  康弘
ジョン・レグイザモ(ペレズ)     井上  剛
ドニー・ウォルバーグ(ライリー)   里   卓哉
カーティス・ジャクソン(スパイダー) 西村 晃範 

ボーダー [DVD]
ロバート・デ・ニーロ,アル・パチーノ,カーティス・ジャクソン,カーラ・グギーノ,ジョン・レグイザモ
Happinet(SB)(D)

 

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『オックスフォード連続殺人』アルゼンチンミステリ

2010-07-03 10:50:23 | ミステリー
オックスフォード連続殺人
THE OXFORD MURDERS(2008年イギリス、スペイン、フランス)
 監督   アレックス・デ・ラ・イグレシア
 脚本   アレックス・デ・ラ・イグレシア
       ホルヘ・ゲリカエチェバァリア
 原作   ギジェルモ・マルティネス「オックスフォード連続殺人」
 出演   イライアジャ・ウッド、ジョン・ハート、レオノール・ワトリング
       ジム・カーター、ジュリー・コックス、アレックス・コックス
       バーン・ゴーマン、ドミニク・ビノン

 ■ストーリー■
 伝説的な数学教授セルダムと知り合うため、アメリカからイギリスにやってきたマーティンはセルダム教授に会うことが出来ずショックを受ける。しかし、ある日、セルダム教授の知人のイーグルトン夫人の下宿に帰ると、家の前にセルダム教授がいるのだった。教授は、夫人のジュリアの様子を見にきたのだった。マーティンとセルダム教授が家に入ると夫人が殺されていた。一見、夫人は自然死にみえたが、セルダム教授は殺人だということに気がつくのだった。

 ■感想■
 アルゼンチンのミステリー作家ギジェルモ・マルティネス原作「オックスフォード連続殺人」(扶桑社ミステリー)の映画化。
 監督は『ビースト獣の日』(1995年)、『マカロニ・ウエスタン800発の銃弾』(2002年)、『スパニッシュ・ホラー・プロジェクト ベビー・ルーム』(2006年)のアレックス・デ・ラ・イグレシア。

 劇場未公開のDVDスルーだったから出来たのかもしれないですが、原作通りのタイトルということで、まず好感が持てます!

 原作小説があるにも関わらず、まるっきり違うタイトルにしてしまって、
 「この映画って○○の映画化作品だったのぉ~??」って思うことも多々ありますからね!!
 
 で、映画の内容なんですけど、驚愕のラストになっていない!ごくごく普通のミステリーでした。
 「そういうオチ??」
 って感じで、あまり驚けないトリックの作品でした。
 アガサ・クリステティが書かれた時代だったら、ある意味、それなりのミステリーになったでしょうけど、今作のオチも今となっては、定番系のオチですよね。
 トリックを楽しむというより、主人公の学生と伝説的な数学の大学教授の素人探偵コンビの設定と活躍を楽しめってコトですよね。

 原作小説がある場合は、やっぱり原作の魅力に負うところが大きいですから、面白くてもつまらなくても監督や脚本に責任は、そんなにはないと思うんですけどね。特にミステリーのジャンルの場合は、その傾向が強いんですかね??

 今作は、“犯人”や“トリック”を当てようと思わないで、ミステリー映画の雰囲気を楽しめば十分って感じで鑑賞すれば、それなりに楽しめます。
 もちろん、日本の2時間サスペンスの10000000000000000000000000000000倍面白いですけど。
 オチ的には、普通のミステリー作品ですけど、ジョン・ハート、イライジャ・ウッド、レオノール・ワトリングといった俳優の演技もあって、見応えのある作品になっています。
 
 あまりミステリー映画を観ない人や、ミステリー小説を読まない人だったら、それなりに楽しめるオチにはなっているので、興味のある映画ファンの方は楽しんで鑑賞して下さい。
 まぁ、でも原作があるので、ストーリーが良く出来ているのは当たり前といえば、当たり前なんですけどね。

 でも、こういうしっかりとした劇場未公開作品がDVD化されるのはウレシイですね。
 ハリウッド製でなく、イギリス、スペイン、フランス製の今作が観れただけでも喜ばないとダメですよね!
 ミステリー、ホラー、香港映画のジャンルは、未公開のままってコトが多いですからね。
 まぁ、ホラー映画は、製作される本数が多いからどうしても未公開作品の数が多くなってしまうんでしょうけど、けっこう話題になった作品でも未公開ってことがありますからね。 55点
 
 
オックスフォード連続殺人 [DVD]
アレックス・デ・ラ・イグレシア,ホルヘ・ゲリカエチェバリア,ギジェルモ・マルティネス
ファインフィルムズ

 
オックスフォード連続殺人 (扶桑社ミステリー)
Guillermo Mart´inez,和泉 圭亮
扶桑社
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『ロフト.』ベルギーミステリー

2010-06-26 10:15:52 | ミステリー
ロフト.
LOFT(2008年ベルギー)
 監督   エリック・ヴァン・ローイ
 脚本   バルト・デ・バウ
 出演   ケーン・デ・ボーウ、フィリップ・ベータース、ブルーノ・ヴァンデン・ブルーク
       ヴェルル・バーテンス、マティアス・スーナールツ、ケーン・デ・グレーヴェ

 ■ストーリー■
 建築家のビンセントは、4人の友人たち精神科医クリス、クリスの弟フィリップ、ルク、マルニクスとあるマンションの最上階のロフトを共有するというアイデアを提案するのだった。5人は好きなときに、その部屋を使い浮気に使用するというのだ。ある朝、ヴィンセントは、そのロフトの部屋で女性の死体を発見するのだった。鍵を持った5人の男たちはその部屋に集合するのだが…。

 ■感想■
 ベルギーの傑作アクション『ザ・ヒットマン』(2003年)のエリック・ヴァン・ローイ監督の描くミステリー映画。
 本国ベルギーでは10人に1人が観たという大ヒットした作品だそうです。
 ベルギーの映画ファンはミステリー映画が大好きなのね…。
 10人に1人!
 10人に1人!
 すごい!ミステリー映画がそんなにヒットするなんて!

 日本とは大違い!
 特に、今の日本とは。
 今の日本映画っていうと、アイドル映画や、TVドラマの映画化みたいな作品やアニメばっかりって、印象ですからね。ちゃんと調べれば、他のジャンルもあるんでしょうけど、ヒットする作品は、アニメか、アイドル映画かTVドラマの劇場版ですからね。

 ミステリーといっても、トリックがすごいとか、「全員にアリバイがあるのに、犯人は誰??」とかいう本格ミステリーではなくて、どちらかといえば、超豪華なサスペンスドラマ系みたいなミステリーです。
 事件が起きて、過去にかつて起きたコトが次々と暴かれていき、事件の真相に近づいていきます。

 特になじみのない俳優ばかりで、なおかつ登場人物のキャラクター的に誰にも感情移入できないまま、事件の真相が徐々に明らかになっていきます。金持ちで、どちらかといえばあまり好きになれないキャラクターのおかげで、突き放した感がちょうど良い感じで、観ている観客は完全に傍観者に!!

 “誰が犯人??”

 っていうより、誰が犯人でもOK!って感じになってしまっているのが難点かも??
 金持ちで、秘密の部屋を愛人と過ごすために共有していた登場人物たちだから、誰が犯人でも良いって思っちゃいます。
 
 最後、犯人と事件の真相がわかっても、なんかスッキリしない感じ。
 今作は、どこまでも、観客に感情移入させない距離感が良いんでしょうけどね。
 事件の真相的には、大したコトないです! 60点 

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