『コウノトリの道 心臓を運ぶ鳥』
FLIGHT OF THE STORKS (2013年フランス)
監督 ヤン・クーネン
脚本 ヤン・クーネン
デニス・マクギラス
原作 ジャン=パトリック・グランジェ
出演 ハリー・トレッダウェイ
クレーメンス・シック
バーディタ・ウィークス
ルトガー・ハウアー
■ストーリー■
フランスに飛んでくるコウノトリの数が減っていることを調査していたジョナサンは、依頼主の鳥類学者のもとへ行くが、鳥類学者は死んでいた。捜査の結果、病気で死んだことが分かるが、心臓移植を受けていたことが分かるのだった。
ジョナサンは、鳥類学者の遺志を継ぎ、コウノトリの減少の調査を再開し、イスラエル、アフリカへと向かうのだが…。
■感想■
ジャン=クリストフ・グランジェ原作「コウノトリの道」(創元推理文庫)を映像化したTVムービー。
原作は、ミステリーファンには、すごく評判の良かった作品なので、楽しみにしていたんですが、映像化された今作を観ると、ごく普通の作品でした。
原作通りの展開なのか、原作を未読なので良く分かりませんが、どうなんでしょう??題材が小説向きなのか、映像化には向いていないのか、普通の印象しか受けませんでした。
ダイヤモンドを狙って襲ってくる悪徳刑事、謎のラビのかっこうをした殺し屋等、魅力的なキャラクターが登場するものの、活躍する場を与えられた直後に、すぐに退場という出し方なので、あまり印象に残らない感じです。
主人公のジョナサンは、動物用の薬までやって、パッパラパー状態になりすぎ!!
こういう作品の主人公の設定には向いていないのでは??
イケメンなので、モテちゃったりしますが、絶対絶命のピンチに陥りますが、なんとなくいつも危機を脱出して、いかにもB級アクション映画の雰囲気がプンプンしてきちゃいます。
クライマックスの危機脱出のシーンなんて、「そんなぁ、薬投与されているのに危機一髪のところで反撃なんて、あり得ない!!」とか思っちゃいます。
動物用の薬をやっていたから、普通の薬では効果が無かったとかいう説明があれば違うんでしょうが。
クライマックスに明かされる謎も、小説だと驚かされるようなシーンなんでしょうが、今作を観る限りは、どうも突拍子もなく突然出てきた感が強すぎかも??
「ダイヤモンドの件も、どうなったの??」って感じで、中途半端になったまま、終了だし…。
TVムービー(ミニシリーズ2回分)という時間枠が決まっているので、カットしようがないでしょうが、主人公がラリパッパのシーンより、もっと謎解きやら、サスペンスを盛り上げるシーンを描いて欲しかったです。
前後編で、ランニングタイムが200分強あって、こんな風にしか描けないのはなぜなんでしょう??もったいない!!
内容は、原作とはずいぶんちがうんでしょうか??
でも、こういうフランスの長尺のTVムービーがソフト化されるのはウレシイ限りですね!!50点
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原作は評判が良いミステリーです。
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