『捜査線上の女』
UNDER INVSTIGATION(1993年アメリカ)
監督 ケビン・メイヤー
脚本 ケビン・メイヤー
出演 ハリー・ハムリン
ジョアンナ・パクラ
エド・ローター
ジョン・メセ
リチャード・ベイマー
■ストーリー■
身体中をペイントされ女性が殺される事件が発生する。刑事キートンとチャニングのコンビは捜査を進めると、殺害現場の家の持ち主で画家ストロングは行方不明となっていた。
被害者はストロングの教え子で、ストロングのことが前から好きで、検査の結果、妊娠していることが判明するのだった。水族館で働くストロングの妻アビー・ジェーンに聞き込みに行ったキートンは彼女の魅力の虜になってしまうのだった。
■感想■
ジョアンナ・パクラ主演のサスペンス映画。
主人公の刑事が容疑者の女性と恋愛(&セックス)絡みで深みにハマッっていくっていうストーリーから、今作は、シャロン・ストーン&マイケル・ダグラスの『氷の微笑』(1992年)の影響で作られた作品ってコトですよね。
ある作品がヒットすると、似たような作品が作られるのが映画業界のルールですもんね。
『ダーティハリー』(1971年)がヒットすればダーティな刑事が主人公のポリスアクションが作られ、『ゴッドファーザー』(1972年)がヒットすれば似たようなマフィア物が作られ、『エクソシスト』(1973年)がヒットすればオカルト映画が作られ、『JAWSジョーズ』(1975年)がヒットすれば動物パニック映画が作られる・・・って感じですからね!!
同じような作品がいくつも作られて1つのジャンルになっちゃうくらいなこともしばしば!
1980年代初頭には、『コナン・ザ・グレート』(1982年)や『ニューヨーク1997』(1981年)や『マッドマックス2』(1981年)がイタリア映画を中心に似たようなエピゴーネンを大量に生み出しましたもんね。
でも、自分的には、そういう作品もかなり好きだったりして!
特に『マッドマックス2』系の作品は大好きなんですよね!!
『ニューヨーク2019』(1984年)
『カー・バイオレンス』(1983年)
『ブロンクス・ウォーリアーズ』(1982年)
とか大好きなんですよね!!
オリジナルさのかけらも感じさせない、どこかで観たことあるようなシーンの寄せ集めなのに、1本の作品としてオリジナルの作品に迫る面白い作品に仕上げちゃってるんですから!!
イタリア映画大好き!!
話題を『捜査線上の女』に戻すと、『氷の微笑』以前にも、アル・パチーノ、エレン・バーキン出演の『シー・オブ・ラブ』(1989年)っていうちょっとだけエロチック系ミステリーサスペンスがありました!!
主人公が容疑者の女性に翻弄されるミステリーなんて、ある意味、定番中の定番の展開の作品ですけど、今作はまさに“氷の微笑”チックな平凡な作品になっちゃってます。
ビデオのパッケージを良く見たら
“シャロンよりも危険な女、ジョアンナがすべてを見せるノンストップ・セクシャル・サスペンス!”
って書いてありました!!もう宣伝するときから、そういうのが謳い文句だったんですね!!
まぁ、それでも完全にパクリって言われるのを避けるためか、主人公がオープンカーに乗っていたり、ジーンズにジャンパーだったりして主人公のキャラクターに特長を出そうとしています。
ていねいに主人公のハリー・ハムリンが朝ごはんをキッチンで作るシーンまで描かれてますからね!その他にも飼っているペットは大型のヘビだったりして、まさにハードボイルドの探偵小説の主人公っぽい設定を出そうとしています!!
ランニングタイムが100分とエンターテイメント作品としては、ちょうど良い長さの作品なんでそれなりに楽しく観れちゃいます!!
TV東京の「午後のロードショー」とか「水曜シアター9」で放映されたら十分楽しく観れちゃうくらいには面白いです!!
でも「午後のロードショー」でも放映して欲しい作品が山ほどあるんで、こういう作品は放映しないで良いですからね。
ジャンルは違いますけど、上記の『ニューヨーク2019』『カー・バイオレンス』『ブロンクスウォーリアーズ』や、『ナポリ犯罪ルート』(1976年)『空飛ぶ十字剣』(1977年)とか放映してくれないですかねぇ~!!
どこかのメーカーさんが“日本語吹替えつきでDVD化”してくれたら、1番ウレシイですけどね!! 50点
『ブラック・ボックス記憶の罠』
LA BOITE NOIRE(2005年フランス)
監督 リシャール・ベリ
脚本 リシャール・ベリ
エリック・アスス
出演 ジョゼ・ガルシア
マリオン・コティヤール
ミシェル・デュショーソワ
■ストーリー■
アルチュール・セリグマンはシェルブールで交通事故を起こし病院に担ぎ込まれるのだった。パリにいたはずのアルチュールは、なぜシェルブールで事故を起こしたのか記憶が無いのだった。退院したアルチュールは、入院中にうなされてつぶやいた言葉を看護師がノートに書き留めていてくれたので、そのノートを元に記憶を辿っていくのだった。
■感想■
リシャール・ベリ脚本、監督のサスペンス映画です。
リシャール・ベリと言えば傑作刑事アクション『愛しきは女 ラ・バランス』(1983年)を始めとして、『フレンチ・ポリス 殺しのムーブメント』(1985年)『エンジェル』(2001年)等で活躍する俳優ですけど、今作では出演は控えて、スタッフとして監督、脚本を担当しています!
リシャール・ベリ出演作って、『愛しきは女 ラ・バランス』も『フレンチ・ポリス殺しのムーブメント』も未だDVD化されていないです!
「なぜ??なぜ??こんな傑作が未DVD化のままなの??」
そういえば、同じくリシャール・ベリ出演、『フレンチ・ポリス 殺しのムーブメント』のミッシェル・ビアネイ監督の『切り裂きジャック・イン・パリ』(1981年)も未ソフト化のまま!観たい作品なんですけどね~!
今作は、「主人公が実は死んでいた!!」とか「死ぬ前に見た夢だった」とかそういう禁断のオチ的な使い古されたオチの作品なのかな??と思っていたら、中盤から正統派のミステリーに変わっていくんで思わず驚いちゃいました!!
でも、本当に中盤から、前半とまるっきり違う雰囲気の作品になるんで、その点でもビックリしちゃいます。
それまでの入院中の主人公の夢のシーンは何だったの??って感じです。
多少なりとも、ストーリーにつながりがあるので夢のシーンも無駄にはなっていないですけど、夢のシーンにそんなに時間を使わなくても良いのに!!って思っちゃいます!!
最後の犯人の正体もあまりにも偶然すぎて、“観客置き去り状態”な感じも拭えないコトも無いですけど、それなりにはミステリーとして面白いのでミステリー映画ファンは必見です!! 70点
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GEN(2006年トルコ)
監督 トーガン・ゴックベーカー
脚本 ミュラット・トクタミソグル
原案 ギュレイ・オルグ
アイデア サハン・ゴークベーカー、アルパー・メスシ
出演 マーゴット・ゴークゴーズ、ハルデュン・ボイサン
■ストーリー■
女医のデニスは、山奥にある精神病院に赴任してくるのだった。病院では建物から落ちて死亡した患者がおり、刑事2人がこの件を捜査していた。そんなとき、地すべりがおき、病院は交通が遮断されてしまうのだった。刑事2人は、事件、事故、2つの可能性から捜査を進めるが、病院では2番目、3番目の事件が起きるのだった。
□■□ネタバレあり!!□■□
■感想■
トルコ製のサスペンス映画です。
精神病院を舞台にしたスリラー映画ですけど、こういう作品って、大体、ネタが決まってることが多いような気がするんですけど、それは思い違いですかね??
自分的には
「ヒロインの夢オチ」
「実験ネタ」
って感じなのかな??って思って軽い気持ちで観てたんですけど、けっこうストーリーが練られてたんで、ビックリしちゃいました!!
ハリウッドの大作のミステリーにも負けないくらいストーリーが練られてました!あれ、これってあんまりホメてないかな??
それどころか1970年代のイタリアの低予算のジャッロくらいには練られてました!(←イヤ、イヤ、これじゃ、ホメすぎかな??)
ストーリーがそれなりに良く出来ているのに、なのに、なのに、見せ方がヘタ!ヘタ!ヘタ!なんでこんなに見せ方がヘタなの??せっかくのストーリーが台無しの演出!!
あと、ランニングタイム102分も長すぎ!長すぎ!超長すぎ!なんでこんなに長いの??あと25分くらい短かったら、もっと面白く観れたのに!!
あと、画面が暗すぎ!暗い!暗い!暗すぎです!!肝心なシーン何にも見えないです!何でこんなに画面が暗いの??
ミステリーとして1番大切なストーリーは、それなりなのに見せ方のせいで、マイナス40点って印象です!!(´△`)
ミステリーの種あかしのシーンが、余りにもさらっと流し過ぎ…。この種あかしのシーンも、良く考えないと種あかしのシーンの意味自体分からないです!!!!!
ミステリー映画のくせに、ミステリーとして重要な種あかしのシーンに何の思い入れのない演出としか思えないくらい、あっさりとした演出!!これじゃぁ、ミステリー映画として1番大切な犯人の動機を話すシーンに音楽がかかってセリフが消えてしまう相米慎二監督の『雪の断章 情熱』(85年)みたいです!あれ、そこまで言ったら今作に失礼すぎですか??
今作と同じストーリーで、ハリウッドでリメイクしたら、けっこう面白い作品になるだろうにね、残念~!!
ダリオ・アルジェントが製作総指揮で、リメイクしたら良いのにね。1番目の事件と、それ以降の事件の犯人が違うって、そんなストーリーのトリック自体、ダリオ・アルジェント監督の作品にもありましたっけ??(←あれ、これじゃ、今作のネタバレだぁぁぁ!!すいません)
ミステリー映画好きなら、外せない作品ですけど、映画としてのデキはかなり悪いのでちょっと注意かも??
でも、今作の犯人も、かなりオカシイですよね!刑事とかを殺しちゃったら、大事件になって捜査されちゃうのに!
40点
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『スマイルコレクター』
LA CHAMBLE DES MORTS(2007年フランス)
監督 アルフレッド・ロット
脚本 アルフレッド・ロット
原作 フランク・ティリエ
出演 メラニー・ロラン
エリック・カラヴァカ
ジル・ルルーシュ
ジョナサン・ザッカイ
■ストーリー■
会社をリストラされて頭に来ていた元社員のヴィゴとシルバンの2人は、深夜、会社の工場に落書きをしたあと車を無灯火で飛ばして、道に立っていた男性を轢き殺してしまうのだった。その男のそばにあったカバンには200万ユーロもの大金が入っていた。死体を処理し金を持ち去る2人だったが、その金は誘拐犯に払うための身代金だったのだ。金が手に入らなかった犯人は誘拐した娘を殺してしまうのだった。刑事課のモレノ警部補は刑事課に新しく配属される巡査部長のリューシーと、この誘拐事件の捜査にあたるのだった。
■感想■
フランスのミステリー作家フランク・ティリエ「死者の部屋」(新潮文庫)の映画化作品です。
フランス映画際でも上映されたそうです。
原作があるしっかりとした作品なので、見ごたえ十分のサイコサスペンス映画になってます。
誘拐犯に払うはずだった身代金を奪ってしまった2人組みの男性。
誘拐した少女を殺してしまったことに快感を覚え、第2の誘拐事件を起こす犯人。
その事件を追う刑事たち。
3組のグループのストーリーが絡み合って映画が進んでいきます!
やっぱり原作物のフランス映画のミステリーは違いますね!普段、未公開の作品を中心に映画を観るコトが多いですけど、今作は、未公開なのが信じられないほどのしっかりした作品です。思わず画面に引き込まれちゃいました。
原作が【フランス国鉄ミステリー大賞】受賞」の作品だから、それなりに映像化すれば面白くなるんでしょうけどね。
いや~、久々に映画らしい映画を観ました!
これくらいの作品をいつも観れると幸せなのにね~!!サイコサスペンスは、あんまり得意なジャンルじゃないですけど、今作はかなり面白いです!!
ミステリー系の要素以外にも、男を轢き殺した2人の男たちの葛藤や争いも描かれていて犯罪物系の作品の要素もあって見ごたえ十分です!!
原作のおかげなんですけど、ヒロインの刑事の設定も、変わってて楽しめます!
父親のいない双子の幼い子どもの母親で美人で、推理力、プロファイリング力もすぐれているっていう設定です。
その上、幼いころのトラウマを抱えてて、愛読書は恐い本ばっかり!!
そういえば、持っている本の中には「羊たちの沈黙」もちゃんとありました!!まぁ、ここは映画ファンをニンマリさせるためのシーンなんでしょうけどね。
今作の内容も「羊たちの沈黙」ミーツ・“ノワール”みたいな感じですしね。
映画的には、主人公は、警部補のモレノなのかな??って思って観始めると、徐々にヒロインのリューシーの見せ場が増えてきて、今作の主人公は、リューシーなのが分かる感じになっています。
本国、フランスでは原作を知っている人が観るから、主人公がリューシーって最初から分かっているんでしょうけどね。
最初から最後まで緊張感のある作品ですけど、狼の毛が犠牲者の少女についていたことから剥製を作る人間が怪しいと思って、剥製士の家に捜査に行くシーンとかは、けっこうなごみました。緩急ついていてこういうところも、監督デヴュー作とは思えないほど手堅く演出されてます!!
パトカーの中でヒロインたちが笑ってるシーンとか、緩急つけるというより、あのシーンだけ良い意味で浮いてました!!
フランス映画は苦手っていうサイコスリラー映画ファンにこそ、絶対観て欲しい1本です!!大満足です! 80点
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原作も発売中
死者の部屋 (新潮文庫)フランク ティリエ新潮社このアイテムの詳細を見る |
今作とは関係ないシャルコ警視シリーズ
タルタロスの審問官 (ランダムハウス講談社 テ 1-1) (ランダムハウス講談社文庫)フランク・ティリエランダムハウス講談社このアイテムの詳細を見る |
七匹の蛾が鳴く (ランダムハウス講談社文庫)フランク ティリエランダムハウス講談社このアイテムの詳細を見る |
『ナンバー23』
THE NUMBER 23(2007年アメリカ)
監督 ジョエル・シューマカー
脚本 ファーンリー・フィリップス
出演 ジム・キャリー
ヴァージニア・マドセン
エド・ローター
■ストーリー■
野犬捕獲の仕事をしているウォルターは、妻から「ナンバー23」というミステリーをもらう。だが、その本を読み始めて、ウォルター自身がモデルになったのではと思う描写があることに気づくのだった。そしてまた、その本に書かれている「23」という数字に、世の中のすべてのが支配されているという脅迫観念に襲われるのだった。
■感想■
ジム・キャリー主演のミステリー映画。
監督は、なんでもそつなく監督する職人監督のジョエル・シューマカー。
あんまり特長が無く何でもソツなくこなす職人的な印象の監督です!自分の好み的には、悪い意味で職人って印象なんで、自分はあんまり好きな監督さんじゃないです。
でも、なぜか、なぜか、なぜかジョエル・シューマカーって、作品には恵まれているんですよね!!
ラリー・コーエン原案のタイトな傑作スリラー『フォーン・ブース』(2002年)をはじめ、「バットマン」シリーズの『バットマン・フォーエバー』(1995年)、『バットマン&ロビン Mrフリーズの逆襲』(1997年)、クリス・ロック、アンソニー・ホプキンス主演のアクション『9デイズ』(2002年)等、色んなエンターテイメント映画を撮っています。
どの作品もそれなりに「観れる作品」にするので、けっこう重宝されるんでしょうね。
エンターテイメントがまるっきり分かっていない監督よりは、いくらかマシですけど、だからといって積極的にジョエル・シューマカーに監督して欲しいとは思わないんですけどね。
でも、さんざん言っていますけど、今作の場合は、映画的に、かなり中身の無いどうしようも無い作品なんで、ジョエル・シューマカーに監督してもらって全然OKなんです!!
こういう作品を撮るにはうてつけの「職人監督」ですよね!!
ちょっとしたアイデアだけの中身の無い作品はこれからも、ジョエル・シューマカーに監督してもらいたいですね!!
偶然、入手したミステリー小説を読んで、すべてのものが「23」という数字に支配されてると思うなんて、頭がオカシイとしか思えないです。
今作の主人公に、普通の観客なら、まるっきり感情移入できないと思うんですが、どうなんでしょう??
それに、今作を観て「すごいミステリーだなぁ!!」なんて思う映画ファンはいるんですかね??
周りの人間が「そんなの偶然」って言ってるのに、取り付かれたように「23!」「23!」「23!」ってオカシイでしょ!!
何かが起きたのが、23日とか2月3日とかならわかりますけど、
10を引いたら23とか、5を足したら23とか、それって、もう23じゃないでしょ!!オカシイ!!オカシイ!!
登場人物もおかしければ、この脚本を書いた人間もおかしいし、今作にOK出した製作者もおかしいでしょ!!
ジム・キャリーが演じた主人公もおかしければ、息子まで「23」「23」って「23」にこだわりだしちゃって!!
今作が、メジャーな俳優も出演しない、80分弱くらいのマイナーな作品ならまだしも、メジャーな作品で、この脚本!!ダメダメ!!
実際、今作もランニングタイムが99分しかないのに、120分くらいに感じる長さ!!あと20分くらいカットして欲しいくらいです!!
主人公が、数字の“23”にこだわるのもオカシイですけど、今作のオチのトリックも、いつも通りのオチでガッカリ!!10点
ナンバー23 アンレイテッド・コレクターズ・エディション [DVD] | |
ジム・キャリー | |
角川映画 |
ジョエル・シューマカー監督作なら、ラリー・コーエン脚本の『フォーンブース』を!
フォーン・ブース [DVD] | |
ラリー・コーエン | |
20世紀 フォックス ホーム エンターテイメント |
フォーン・ブース [Blu-ray] | |
コリン・ファレル,キーファー・サザーランド,ラダ・ミッチェル,フォレスト・ウィテカー | |
20世紀フォックス・ホーム・エンターテイメント・ジャパン |
PARS VITE ET REVIENS TARD(2007年フランス)
監督 レジス・ヴェルニエ
脚本 ジュリアン・ラプノー、アリアーヌ・フェーレ、レジス・ヴェルニエ、ローランス・ショー、アリエット・マラン
原作 フレッド・ヴァルガス
出演 ジョゼ・ガルシア、マリー・ジラン、リュッカ・ベルヴォー、ミッシェル・セロー、オリヴィエ・グルメ、リン・ダン・ファン
■ストーリー■
パリでアパートのドアに、数字の4をさかさまにしたような字を書かれる事件が起きる。いたずらだと思われたが、苦情の件数の多さから事件性を感じた特捜部は調査を始めるのだった。アダムスベルグ警視は、調査の結果、そのマークが中世に流行したペスト除けの呪文であることを知るのだった。そんなとき、身体中に黒い斑点が出た死体が発見されるのだった。死因はペストではないかと、厳戒態勢の捜査が行われる中、第2の死体が発見されるのだった。
■感想■
フランスの人気ミステリ作家フレッド・ヴァルガス原作の映画化作品!
アダムスベルグシリーズの1篇の映画化作品です。フレッド・ヴァルガスは、日本でも人気があるフランスの女流ミステリ作家で「青チョークの男」(創元推理文庫)、「死者を起こせ」(創元推理文庫)が翻訳されてます。フレッドといっても女性の名前ですからね。フレデリックは一般的な女性の名前のようです。
「いやぁ~、それにしても、日本版のDVDタイトル『サイン・オブ・デス』ってやめて!やめて!やめて!」
こんな、アメリカのB級サスペンスかC級SF映画みたいなタイトル!すっかり見逃すところでした!DVDのパッケージも原作者の表示ってありましたか??実はビデオレンタル屋のバーコードシールが貼ってあって見れないようになっていました。
今作の原作も翻訳されていないフレッド・ヴァルガスですけど、日本って、海外のミステリ小説にホントに冷たい!!もっと翻訳して!!日本人ももっともっと小説を読んで欲しいですね!
今作は、フランス映画祭2007で『逃げろ!いつか戻れ』として公開されました。『逃げろ!いつか戻れ』が『サイン・オブ・デス』って、タイトル変わりすぎでしょ!今作の場合、原作が翻訳されてないから、どういうタイトルにしてもそんなに影響ないでしょうけど、フレッド・ヴァルガス原作ということもほとんどメインにうたって無いなんて!!
自分的には『逃げろ!いつか戻れ』のタイトルの方が、1980年代のフランス映画の日本タイトルみたいな雰囲気で断然好きです!
ところで、主人公アダムスベルグの設定なんですけど、直感で犯人を当てることが出来る能力(直感がするどいという設定)があるらしいんですが、映画の中で何の説明も無いです。広場の中で「この中に犯人が!」ってまわりを見回して、しばらくして「わからなくなった」って言うシーンがあるんですけど、説明が無いと、このシーンの意味が分からないですよ!
映画祭でしか公開されていない今作ですけど、すごく重厚な雰囲気な、まさに劇場公開映画って言っても全然おかしくない面白さの作品です。こういう作品を観ちゃうと、ハリウッドのノーテンキな作品がバカに見えてきちゃいます。
「良いなぁ、フランスの警察映画!」
ミステリー映画(というより警察映画なのかな??)を劇場作品としてこんなにマジメに作れるフランス映画界って良いですね!「元気、元気」とか言われているのにマトモな作品が全然なさそうな日本映画より何倍も良い!!何倍どころか何千倍も良いです!
フランスでは人気の喜劇俳優ジョゼ・ガルシアが主演してます!日本では喜劇が公開されにくいので良く分からないですけど、ジョゼ・ガルシアは『ル・ブレ』(02年)に出演してました。また、昨年お亡くなりになった名優ミッシェル・セローも競演してます。フランスの喜劇俳優って渋いですね。演技派の俳優のように主人公を演じてます。
本格ミステリーとして観ちゃうとストーリーは大したことないですけど、警察物ムービーとしてマジメに作ってるので、捜査物として見ごたえある作品になってます。なんで、こんなに面白いのに、なぜ、タイトルがB級の香りプンプンの『サイン・オブ・デス』なの??
こういうマジメな重厚な捜査物の警察映画のミステリー作品を、何も知らずにDVDで観れると、すごく得した気分です!!!75点
サイン・オブ・デスアルバトロスこのアイテムの詳細を見る |
フレッド・ヴァルガスの小説です。
死者を起こせ (創元推理文庫)フレッド ヴァルガス,Fred Vargas,藤田 真利子東京創元社このアイテムの詳細を見る |
こちらは、アダムスベルグ警視シリーズです。
青チョークの男 (創元推理文庫)フレッド ヴァルガス,Fred Vargas,田中 千春東京創元社このアイテムの詳細を見る |
THE PRESTIGE(2007年アメリカ)
監督 クリストファー・ノーラン
脚本 クリストファー・ノーラン、ジョナサン・ノーラン
出演 ヒュー・ジャックマン、クリスチャン・ベール、マイケル・ケイン、スカーレット・ヨハンソン、レベッカ・ホール、デビッド・ボーイ
■ストーリー■
19世紀末のロンドン、2人の才能あるマジシャンがいた。偉大なるダントン、ロバート・アンジャーと、教授ことアルフレッド・ボーデン、2人は若いときからお互い同じステージに立っていたが、ある日、アンジャーの妻が水槽から脱出するマジックに失敗して死んでしまう。その原因がボーデンのロープの結び方にあったことから、アンジャーはボーデンへの復讐心を抱くのだった。一方、ボーデンはサラという女性と出会い結婚するのだった。アンジャーが、自分が築けなかった幸せな家庭を築いたボーデンに復讐心を燃やす中、ボーデンは瞬間移動のマジックで評判を取るのだった。瞬間移動のマジックに異様な執念を燃やすアンジャーは、自らも瞬間移動のマジックを行うために替え玉を用意するのだった。
■感想■
クリストファー・ノーラン監督、ヒュー・ジャックマン、クリスチャン・ベール主演のミステリー映画。
今作の予告を劇場で観たときに「面白そうな作品だなぁ!」って思って期待してたんですけど、ごくごく普通の作品でした。
内容的にも大したミステリーじゃないですけど、わざと分かりづらく作ってるみたいに時間軸が行ったり来たりしてます。
ストーリーを分かりづらくして、大したコトない内容をごまかしてるみたいです。ランニングタイム130分も長すぎ!長すぎ!せいぜい100分くらいにできる内容でしょう。それも時間軸が行ったり来たりしないで描いても100分くらいに出来るでしょ。
クリストファー・ノーラン監督って、『メメント』(00年)でも時間軸いじってませんでしたっけ?ってそこがメインの作品でした。今作の内容ならストレートに時間通りに映像化して欲しかったです。それにこんなに格調高く映像化しなくても良かったのに。
発明家ニコラ・テスラが出てくるんですけど、なんの説明も無しって、西洋(欧米)では、説明要らないくらいメジャーなんですよね。日本では今一、有名じゃないですけどね。(あれ、自分だけ??)
ところで、今作って原作と同じなんですかね??ちょっと興味がわきました。今度、関東に遊びに行ったときに原作買って読んでみようかな??
こういう映画としては、最後のオチや、テスラが作った瞬間移動装置のネタも途中でネタを割っていたし、ホントに中途半端な印象が伴うミステリー映画になっちゃってます。こんな見せ方で誰が驚くの??
これなら、もっともっと早くネタを割っちゃって、展開でビックリさせて欲しかったです。途中でネタを割っちゃう『ラッキーナンバー7』(06年)の方が見せ方は上でしょう。まぁ、でもこういう19世紀末のロンドンの町並みとかを楽しむ(楽しむほど出てきませんけど)ってレベルでは、こういう作品も良いのかも。ただ、自分的には、こういう思わせぶりな作品はダメです!とにかくランニングタイム130分は長すぎ!長すぎ!長すぎ!
この長さだけで観るのを躊躇しちゃうほどでは無いですけど、観終わったあとでちょっと後悔する長さです!これで面白ければ、130分でも140分でもOKなんですけど、今作の130分はちょっとネ!同じお金払うんなら、少しでも長い方が良いって観客もいらっしゃるでしょうけど、自分は最適な時間の作品の方が良いですね。まぁ、DVDをレンタルして観てるんだから、偉そうなことは言えないですけど、早送りだけはしたくないですからね。
時間通りに描いてくれて、100分くらいだったら(せめて110分くらいでも)もうちょっと面白く観れたのに!
確かにニコラ・テスラが発明した瞬間移動装置には驚きですけど、もはやマジックとは言えないですよね。マジックだったら、デビッド・カッパーフィールドのマジックとかを観た方がビックリできるはず!
「ジェット機」や「自由の女神」や「オリエント急行」を消しちゃうんだから!「万里の長城」を通り抜けたことも!!デビッド・カッパーフィールドの大掛かりなイリュージョン、もう1回観てみたいなぁ!60点
プレステージ コレクターズ・エディションギャガ・コミュニケーションズこのアイテムの詳細を見る |
〈プラチナファンタジイ〉 奇術師 (ハヤカワ文庫 FT)クリストファー・プリースト,古沢 嘉通早川書房このアイテムの詳細を見る |
テスラを知ったのはこの本でした。
テスラの最終兵器〈上〉ジョン マルコム,汀 一弘扶桑社このアイテムの詳細を見る |
テスラの最終兵器〈下〉ジョン マルコム,汀 一弘扶桑社このアイテムの詳細を見る |
THE BLACK DAHLIA(2005年アメリカ)
監督 ブライアン・デ・パルマ
脚本 ジョッシュ・フリードマン
出演 ジョッシュ・ハートネット、アーロン・エッカート、スカーレット・ヨハンソン、ヒラリー・スワンク、ビル・ファンレイ
■ストーリー■
1946年ロサンゼルス、元ボクサーの警官バッキー・ブライカートとリー・ブランチャードは、特捜課に配属される。バッキーとリーはコンビを組むことになる。仕事以外でもリーの恋人ケイと3人で過ごすようになる。ある日、顔を引き裂かれ、腰から切断された女性の死体が発見されるのだった。被害者は女優を目指してハリウッドにやってきたエリザベス・ショートということだと分かるのだった。手柄を立てようとリーは、この事件に執着していくのだった。
□■□ネタバレあり!□■□
■感想■
ブライアン・デ・パルマ監督、ジェームズ・エルロイ原作の犯罪物。
2006年に最も話題になった作品の1本です!(“ブライアン・デ・パルマ監督のファンの間で”っていう条件つきかも??)
原作がしっかりとあるためか、残念ながら、どちらかというとブライアン・デ・パルマ的な雰囲気は少し薄いかもしれないです!
前作『ファム・ファタール』(02年)が“ブライアン・デ・パルマ監督ファンのためのブライアン・デ・パルマ映画”だったので、今作はその反動からか、普通の映画ファン向けのエンターテイメント作品になっているのかも。
でも、今作のジャンルがブライアン・デ・パルマ監督が好きなサスペンス系なんで、大作系のエンターテイメント作品と巻き込まれ型のスリラー系の作品のちょうど真ん中って感じの印象かもしれないですね。
自分的には、ブライアン・デ・パルマ監督の作品の中だと『ミッドナイト・クロス』(81年)、『ボディ・ダブル』(84年)、『ファム・ファタール』といいたスリラー映画のジャンルの作品の方が好きなんですけどねぇ~。
でも、今作も明らかにブライアン・デ・パルマ監督らしさが出てます!特に後半のウィリアム・ファンレイが、アーロン・エッカートを襲うシーンのあたりから最後の方の展開までの演出は、まさにブライアン・デ・パルマ監督のタッチ!
画面を観ながら、思わず拍手しちゃいました!
ところで、今作は当初、デビッド・フィンチャー監督が映画化する予定だったのが、デビッド・フィンチャー監督が降板したために、監督がブライアン・デ・パルマになった作品です。
なんでも、デビッド・フィンチャー監督版では、かなり原作どおりだったらしいですけど、映像化すると3時間くらいになってしまう脚本だったらしいです。
それを、今作はランニングタイム120分で納めてます!テンポが良いです!良いっていうより、良すぎかも!冒頭のキャラクターの紹介から、本編に入るまでの20分くらいの展開はまさに、畳み掛けるような感じです!さすがブライアン・デ・パルマ!でも、自分的には、ブライアン・デ・パルマ監督だったら、150分でも、180分でも全然OKなのに!好きな監督には甘いです。
ブライアン・デ・パルマ監督の作品にしては、珍しいタイプの主人公です!肉体的にも精神的にも強いタイプ!珍しいって言うより、こういうヒーロータイプって、『アンタッチャブル』(87年)、『ミッションイン:ポッシブル』(96年)とか大作系の作品だと、多いんですよね。
作品も個人的な巻き込まれ型スリラーが好きなんですけど、主人公も、トラウマを抱えたような、ブライアン・デ・パルマ監督スリラー映画の主人公の方が、自分は好きなんですよね!
ジェームズ・エルロイ原作の『L.A.コンフィデンシャル』(97年)のカーティス・ハンソン監督が、もし今作を撮ったら、どんな作品になったんでしょうね! 『窓ベッドルームの女』(86年)、『ゆりかごを揺らす手』(91年)、『激流』(94年)と、サスペンス映画のベテランだと思ってたのに、最近は『イン・ハー・シューズ』(05年)を撮って、「どこに行っちゃうの~?????」って感じですけどね。早くミステリーの世界に戻って来て!
ブライアン・デ・パルマ監督の、こういう大作を観ると、どうしても違和感を感じちゃうのは自分だけですか??今作も面白いことは面白いんですけど、普通に面白い!って感じです。それにしても、この内容の作品を120分に収めましたね!ここまでまとまってると、逆に“完成されすぎ!”って感じちゃいます!
でも、やっぱりブライアン・デ・パルマ監督には、こういう大作系の作品よりも、もっと個人が巻き込まれるスリラー映画を撮って欲しいです。でも、デ・パルマ監督が撮りたかった作品ですからOKですよ!
ブライアン・デ・パルマ監督だから10点オマケで80点
ブラック・ダリア コレクターズ・エディション 2枚組東宝このアイテムの詳細を見る |
『青い部屋の女』
LA HABITACION AZUL(2002年メキシコ)
監督 ワルテル・ドエネル
脚本 ビセンテ・レニェエロ
ワルテル・ドエネル
原作 ジョルジュ・シムノン
出演 ホアン・マヌエル・ベルナル
パトリシア・ジャカ
エレナ・アナヤ
■ストーリー■
トーニョが美しい妻アナと幼い娘マリアナを連れ、9年ぶりに故郷に戻ってきた。しかし、トーニョは、幼馴染のニコラスの美しい妻アンドレアと親密な関係になってしまう。病弱だったニコラスが突然死したことで、ニコラス殺害の容疑がトーニョに降りかかってくるのだった。
■感想■
ジョルジュ・シムノン原作のメキシコ製サスペンス映画。
ジョルジュ・シムノンといえば「メグレ警視」シリーズが有名ですね。
映画的には『仕立て屋の恋』(1989年)の原作者ですね。まぁ、小説に少しでも興味があれば「メグレ警視」でお馴染みの作家さんですね。
今作は、珍しいメキシコのミステリー映画です。
メキシコ映画としてテンポが良いのか?悪いのか?分からないですけど、今作のランニングタイム102分は、ちょっと長すぎ!!
その上、最近の映画の流行に乗ってってことも無いんでしょうけど、ストーリーの時間軸が行ったり来たりしちゃいます!
この“時間軸が行ったり来たり”って、もうやめて欲しいです!観る方が疲れちゃいますから!!それに大して、効果も出てないと思いますしね。
思わせぶりな演出ってコトかもしれませんけど、「だから何??」って感じです!
ところで、今作のストーリーですが、トーニョの弟の言ってるコトが正しいです。
「やめろ!」って言ってるのに、どんどん深みにハマっていちゃって!
あんなにキレイな奥さんがいるのに!
でも、事件の捜査を担当した刑事じゃないですけど、女のカンは鋭いのに、あの奥さん、主人公の浮気に全然きがつかなかったの??
夫の浮気に全然気が付かない!!そこが、今作、最大のミステリーです!
それにしても、今作の主人公トーニョって、
「もう、自業自得!」としか言いよう無いですね!!
って、そういったら、この映画の感想、その一言で全部終わっちゃいますね。
でも、やっぱりストーリーが、かなり薄い気が!
1960~70年代のアメリカの刑事物か弁護士物の1時間のTVシリーズの1エピソードくらいの内容です!まぁ、1歩譲って、いや、100歩譲っても、アメリカの1970年代の90分枠の実質74分くらいのTVムービーと同じくらいの内容です!
原作が、そうなのかもしれませんけど、どう考えてもミステリーとして100分以上、持たせるようなストーリーじゃないです!
顔を見ただけで犯人がわかりますよ!(←あ、ちょっと言いすぎでした。ウソです)
最後の展開にも、驚かないですしね!
ミステリーとしては基本中の基本の展開です。でも、まぁ、2002年のメキシコのミステリー系のサスペンス映画が、観れることは、すばらしいコトですけどね。
期待しないで、観る分には良いかもしれないですけどね~。 40点
青い部屋の女 [DVD] | |
ジョルジュ・シムノン | |
オンリー・ハーツ |
監督 ポール・ザジェルマン
出演 ヴァンサン・ウィンターアルター、フランソワ・ベルルアン、オドレイ・トトゥ
■ストーリー■
フランスの田舎町で、暖房を取り付けようとして地下を掘っていた郊外のピアンセ家から子どもの骸骨が発見された。捜査に当たった刑事のデブールは、家の持ち主の父親である市長が絡んだ事件に行き当たるのだった。
■感想■
パスカル・バセ=シェルコ原作「ベイビー・ブルース」(新潮文庫)を映像化したフランスのTVムービー!原作は第一回パトリシア・ハイスミス賞を受賞した作品です。
続編は、2000年に“LE BAPTEME DU BOITEUX”が同じくTVムービーとして映画化されてます。
主人公の刑事デブールは、片足が不自由な設定なんですけど、その足が不自由になるエピソードはオープニングでちょっとだけ語られるだけで、映画本編には全然関係ありません!
なら、この銃撃戦のシーンを入れなくても良かっただろうに!ただ、この銃撃戦で足を撃たれて足が不自由になったことが、夢のシーンやら何やらで、主人公のトラウマになってるんで、ハードボイルド的なキャラクター設定に必要だったのかな??
でも、やっぱり、その設定があまり、活きていない気が…。
まぁ、原作どおりの足の不自由な設定なんで、そこを文句言ってもしょうがないですけど…。でも、今作の主人公の1番の特徴が、足が不自由ってことなんで、やっぱり、銀行強盗のシーンは無いとダメですかネ??
はっきり言って、刑事が主人公のハードボイルド作品で、オドレイ・トトゥは完全な脇役です。脇役としては、重要な役ですけど、タイトルに“オドレイ・トトゥの”ってつけるような感じじゃないです。
「多分、そうなのかな??」とは思ってはいたんですけど、ここまでサブキャラクターだとは…。
フランスのTVムービーだけあって、フランス人が喜びそうな、ユルユルな音楽がただでさえ大したこと無いストーリーを、より一層、だらけさせてます。
日本の2時間サスペンスなみのデキです。でも、日本の2昔前の2時間サスペンスくらいには良く出来てます!
まぁ、原作がしっかりあるんで、そんなにつまらなくなりようが無いですけどネ。
ミステリーとしては、謎解きの要素は、ホントに大したコト無いです。日本の2時間サスペンスと、ほとんど変らない謎解きです。イヤ、それよりヒドイかも…。
謎を解くきっかけ自体も検死官が見つけちゃうし。大体、怪しそうな登場人物も少ないしネ。
ミステリーって言うよりも探偵モノ(刑事モノ)として、ハードボイルドな主人公の生き方に共感して、楽しめ!って感じですかネ??
それにしても、日本版のタイトル『オドレイ・トトゥ氷の海で眠りたい』って何とかならないの??オドレイ・トトゥファン向けってことなのかな??
でも、『アメリ』(01年)のオドレイ・トトゥみたさに、今作を見たら
「あれ、オドレイ・トトゥが完全な脇役!騙された!」って思っちゃいます!
でも、フランスのTVムービーのユルユルミステリーだから、ミステリーとして謳っても、中途半端だしネ。宣伝する方も大変かな??
でも、こういうわけのわからないタイトルをつけてでも、見れただけで十分です。オドレイ・トトゥがキレイだったし、プラス10点オマケで55点
THE DA VINCI CODE(2006年アメリカ)
監督 ロン・ハワード
脚本 アキヴァ・ゴールズマン
原作 ダン・ブラウン
出演 トム・ハンクス、オードレイ・トトゥ、イアン・マッケラン
ジャン・レノ、ユルゲン・プロフノウ、ポール・ベタニー
■ストーリー■
ルーブル美術館で館長ジャック・ソニエールが殺され、そのダイイングメッセージから、パリにいたハーバード大学の教授ロバート・ラングドンが協力を求められる。しかし、フランス警察は、ジャックと会う約束をしていたロバートを疑っていた。そこへ、フランス警察の暗号解読官ソフィー・ヌヴーが現われ、ロバートが疑われていることを彼に告げ、事件解決のため逃亡し、真犯人を探すため行動を共にするのだった。
□■□ネタバレあり!□■□
■感想■
ダン・ブラウンの同名ベストセラーを映画化したミステリー映画。
「まぁ、キリスト教が中心の国々で話題になった作品だし、観ておこうかナ??」
ということで、鑑賞。
モチロン、今回もなるべく事前情報は得ないようにして観に行きました!
とは言っても、今作は、世間的にも話題の作品ということもあり、イヤがおうでも、ある程度情報が入ってきます。
どんな情報かと言うと
「原作を読んでないとわかりずらい!」
「原作をなぞっているだけで、ストーリー展開が速すぎる!」
「原作を読まないまでも、“ダ・ヴィンチコード”のガイドブックを読んでから、映画を見ないとチンプンカンプン!」
ハッキリ言って、すべて“嘘です”
原作を売りたいから、そんな宣伝をしたのかーッ!!
「なぜ??なぜ??」
「どこがむずかしい??」
「分かりやすい!分かりやすすぎ!」
“余り分かりやすすぎて、バカにされてるのかーッ!!って思っちゃいました!
本当に中学生レベルのミステリーですよ!ジュヴナイル作品が原作なの??って思っちゃいました!中学生レベルっていうより、小学生レベルのジュヴナイル的な内容!!
はっきり言って知能指数マイナス30って感じ!!
まぁ、原作もヒドイんでしょうけど、監督ロン・ハワードだから、分かりやすい映画しか撮れない監督ですもんね。
ロン・ハワード監督といえば、『スプラッシュ』(1984年)、『コクーン』(1985年)、『バックドラフト』(1991年)、『身代金』(1996年)と“分かりやすさだけが取り柄”みたいなエンターテイメント派ですもんネ。
ハッキリ言って最も苦手なメジャー監督の1人です。
ロン・ハワード監督の作品に
“分かりやすい!”
なんて文句言っちゃいけませんよね!!スティーブン・セガールの作品を観て「なんで、セガールは不死身なんだ!」って文句を言うのと同じですから!ロン・ハワード監督の作品なんだから期待しちゃいけなかったです!
出演はトム・ハンクス。他には『アメリ』(2001年)、『愛してる、愛してない...』(2002年)、『ロング・エンゲージメント』(2004年)のオードレイ・トトゥ。またまた刑事役のジャン・レノ。『X-メン』シリーズのイアン・マッケラン。ユルゲン・プロフノウも出演してます。
キャラクター的に言うと、この映画版を観る限りトム・ハンクス演じるラングドンって「バカ??」て感じに思えちゃいます。
オードレイ・トトゥの正体なんてみんな最初の方で分かっちゃうでしょ!!
思わず突っ込んじゃいました!!
「テンプル教会の建物行くまで気づかなかったのか!!!」
気づくのが遅すぎ!こんなバカが主人公と思うだけで悲しくなってきちゃいます。原作と映画版って同じストーリーなんですか??トム・ハンクスはなんで、こんな役を引き受けちゃったんでしょう???
敵の手先のシラスも魅力が全然感じられないです!なんか映画的には小物って感じだし。ポール・ベタニーは熱演してるのに、なんかもったいない感じです。
映画的なキャラクターで言うと、007映画に出てくるような殺し屋みたいなのが出てきても良かったんじゃないんでしょうかね??
これが、3人も4人も殺し屋が出てくるんなら良いですけど、1人しかいないのに、ポール・ベタニー演じるシラスだとキャラクターとして魅力が薄いかも。
キャラクターだけじゃなく、ストーリーも、謎解きの要素が無さすぎ!ダ・ヴィンチの絵に“隠された謎”って、トム・ハンクスがすぐ解いてます!!その他の謎だって、イアン・マッケランが、ほとんど中盤で解いちゃってるじゃない!こんな作品で「分かりづらい!」ってどういうこと??エンタメ映画ファンをバカにしてるの??
なんでルーヴル美術館の館長は、銃で撃たれて瀕死の状態なのに、裸になって孫にメッセージを残すの??????そんな時間があるなら病院に電話する時間があるでしょ!!すぐ救急車がくれば命が助かったかも??瀕死の状態なのに、裸になって、メッセージをいくつも残すって、Z級の映画でしかありえない状態です!!
『ダ・ヴィンチ・コード』が難しいだなんてどういうこと??ハッキリ言って、『悪魔が最後にやってくる!』(77年)や、『エクソシスト2』(77年)の方が、1000000000倍難しいですよ!
あ、でも『悪魔が最後にやってくる!』や、『エクソシスト2』の方が、面白さも100000000000倍ですけどネ。
それにしても、今作のランニングタイム149分なんて、どういうこと!!ミステリー要素が薄くて、観光映画なだけなんだから!!
長すぎ!!長すぎ!!超長すぎ!あと70分以上カットした方が良いですよ、この内容ならッ!!
でも、映画的には、メチャクチャに脚色したら、いくらでも面白くなりそうな題材なのに、惜しいです!!
原作を無視して、スティーブン・セガール主演、アンドリュー・デイビス監督でアクション風の映画にしたらけっこう面白かったかも。そのときは制作費50分の1かもしれないですけどネ。
でもセガールも映画の内容に口を出してうるさそうだから、マーク・ダカスコス主演でアクション風のオカルト映画として映画化して!
砂漠の原子力発電所を爆破しようとする反キリストとか、キリストの遺伝子を持ったクローンとか出てきたら、すごく面白そうですけど、それってもう『ダ・ヴィンチ・コード』じゃ無いですよね。 0点
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監督 マックス・フィッシャー
出演 ジャド・ネルソン、ローレンス・トレイル、ピアース・ブロスナン
■ストーリー■
作家のデビッド・マーキンは、カフェでモデルのアナベルと出会い恋に落ちる。美人モデルのことが気になるデビッドだったが、ある日、友人のカメラマンが古城でアナベルが男友達マークといるのを目撃してしまい、浮気していると確信するのだった。逆上したデビッドは、マークと言い争ううちに誤って事故でマークは死んでしまうのだった。そんなとき発表した小説「アンナとの日々」が大ヒットしてしまうのだった。マークの死亡現場にいたデビッドのモンタージュが新聞に載ってしまい、作者だと公表できなくなってしまうのだった。
■感想■
ピエール・ボワロー、トーマ・ナルスジャック原作のミステリー映画です。
ボワロー&ナルスジャックといえば、フランスの超有名なミステリー作家ですネ。
ボワロー&ナルスジャック原作の映画と言えば、1番有名な1作目『悪魔のような女』(55年)があります。96年にシャロン・ストーン、イザベル・アジャーニ、キャシー・ベイツ主演でリメイクされました。あまりの評判の悪さに未見なんですよネ。今度いつか見てみます。
その他にボワロー&ナルスジャック原作の映画と言えば、
ヒッチコックの『めまい』(58年)。
イギリス、フランス製ミステリー『ミステリー牝狼(めろう)』(85年)。
エリック・レッド監督のホラー『ボディ・パーツ』(91年)とかがありますネ。移植系ホラーの『ボディ・パーツ』がボワロー&ナルスジャック原作だったなんて知りませんでした!みなさん知ってました??
もうボワロ&ナルスジャックの作品なんで、
「最後の方に何かあるんじゃないの??」って、疑いながら思って見てたんですけど、ごくごく普通のミステリー映画の展開でした。
最後の展開を見るまでは!
「うわ~、そう来たか!!」って感じでした。油断しちゃいけません!見ている間に、「なんだ、普通のミステリーかぁ…」って思わされちゃいました。
でも、今作って、そのサプライズを取っちゃうと、ごくごく普通の映画になっちゃうんですよネ。
主人公のキャラクターに、魅力が無さすぎかな??主人公のジャド・ネルソンが悪い!って感じ。まぁ、ボワロ&ナルスジャック原作の作品だから、登場人物のキャラクターの魅力を見せるんじゃなくて、登場人物は見てる観客を驚かせるために存在しているようなものだから、これはこれでいいでしょ。
いや~、それにしても、今作のビデオパッケージって、ピアース・ブロスナン主演のアクション映画風のサスペンスみたいなパッケージですけど、ちょっと、それこそ1番のダマシです!
もっとボワロ&ナルスジャック原作を、大きくうたって下さい。前面に大きく出せ!とまでは言いませんけど、今まで、今作の存在知りませんでした。
レンタルビデオ屋で「借りるもの無いなぁ」とか思いながら、ビデオを手にとって、パッケージ読んでたら
「えー、ボワロ&ナルスジャックじゃないかー!」
って速攻で借りました!
まぁ、ミステリー映画ファンは、1度は見てもいいかもネ!でも、ランニングタイムが90分ですけど、少し長いかも。テンポを考えると、あと10分くらいカットした方が良いかもネ。50点
DEDALES(2003年フランス)
監督 ルネ・マンゾール
出演 シルヴィー・テステュー、ランベール・ウィルソン、フレデリック・デフェンタール、ミッシェル・デュショーソワ
■ストーリー■
フランス、パリ、銃砲店で若い小柄な女性がショットガンで店主を殺害し逃走した。その後も銃砲店から奪った銃で殺人を繰り返した。犯人としてクロードという女性が逮捕されるが、多重人格の疑いがあるため精神鑑定にかけられることになるのだった。心理カウンセラーのブレナックは、精神鑑定をしている親友のカールからクロードの精神分析をたのまれるのだった。一方、時間はさかのぼり、警察のプロファイリラー、マチアスが、この事件を解決するため連続殺人犯クロードを追いつめていくのだった。
□■□ネタバレあり!勘の鋭い人は読まないように!□■□
■感想■
ヴァネッサ・パラディの『奥サマは魔女』(97年)のルネ・マンゾール監督が描くサイコスリラー映画です。
出演はシルヴィー・テステュー、『タイムライン』(03年)のランベール・ウィルソン、『TAXi』シリーズのフレデリック・ディフェンタール。
今作は、ミステリーですけど、犯人当てではなく、シルヴィー・テステューが演じる連続殺人犯クロードは、映画が始まってすでに逮捕されちゃいます。
ストーリーのメインは、「犯人が誰か?」ではないってコトですネ。逮捕されたあと、彼女が“精神が不自由かどうか”を精神鑑定をする心理学者ブレナックの治療篇と、時間軸が戻って逮捕される前のクロードを追う警察のプロファイラー、マチアスの捜査篇が平行して描かれていきます。
主人公は、2人!精神科医のブレナックと、刑事のマチアス。2人の捜査が平行しながら、時間軸が行ったり来たりして映画が進んでいきます!
最近のこういう作品の流行な感じの時間軸が行ったり来たりする構成になってます。
「時間軸が行ったり来たりするの、面倒だなぁ~!」とか思って観ちゃいました!
ブレナック編とマチアス編が平行して描かれていますけど、犯人のクロードを追うマチアスの捜査編が、かなり面白いので、もう1人の主人公ブレナックの治療編が無くても良いのかな??って思うくらいです!
今作の警察のプロファイラーのマチアスって、スゴイです!!犯罪現場に現われたとたん、周りの刑事たちから
「ノストラダムスの登場だ!水晶で見てもらおう!!」
とか言われて、まわりの刑事たちから茶化されてますから。でも、そんな風に茶化されるマチアスも、銃砲店の店主の死体の運び方、カーペットの跡からわかっちゃうんですから、ホントにスゴイです!!あんた、スゴスギ!刑事コロンボよりすごい??
でも、「こんなに捜査編が面白いのに、なんで治療編があるの~??」って思って見てました。
まぁ、100歩譲って「治療編があっても良いけど、時間軸行ったり来たりしなくても良いのに!!」って。
今作は、フランス製のサイコサスペンス映画ですけど、ホントに良く出来てます!!!
「やられちゃいました!!」
そうです!気がつきませんでした!!
ギリシャ神話のテセウス、アドリアナ、ミノタウロスの名前を、クロードの多重人格の違う人格の名前に使って、ストーリー的にも、ギリシャ神話のミノタウロスのエピソードのエッセンスを入れて、まるで、ギリシャ神話のミノタウロスの話が謎解きのキーのように見せてますけど、それも、観てる人へのミスディレクションだったんですネ!!
イヤ~、ホントにやられちゃいました!!全然気がつきませんでした!
そう思ってから、思い返してみると、いくつものヒントが映画の最初から、たくさんちりばめられてました!!!ヒントが山ほどあるのに、観ている間は全然気がつかない!
確かに、途中から少しオカシイなぁ、このシーン!な~んて思うシーンもあったんですけど、全然気にしてませんでした!!
ショック!こういう作品のネタはすぐわかっちゃう方なのに!!もうフランスのスリラー映画の力を見せつけられちゃいました!!
でも、今作を観てて、ネタがわかっちゃった人っているんですか??いたらスゴイです!香港映画『ベルベット・レイン』(04年)のときよりもビックリしました!本当です!!
もう、今年度、自分が見た映画マイベスト10入りです!ホントに面白かったです!ミステリー映画ファン必見です! 90点
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WILD THINGS3(2005年アメリカ)
監督 ジェイ・ロウイ
脚本 アンディ・ハースト
ロス・ヘルフォード
出演 サラ・レイン、サンドラ・マッコイ
リンデン・アシュビー、ディナ・メイヤー
ロン・メレンディス
■ストーリー■
母親が遺産として遺した高価なダイヤをめぐり、高校生のマリーは義理の父のジェイと争っていた。そんなとき、ジェイはマリーの同級生で保護監察中のエレナからレイプされたと訴えられてしまう。貧乏なエレナは金を要求してくるはずだと、マリーは拘留中のジェイにエレナに金を渡すようアドバイスし、ダイヤを換金するためダイヤを相続するのだった。エレナに金を渡し裁判での証言を取り消させるはずだったジェイだったが、エレナはジェイに不利な発言をするのだった。しかし、エレナの発言から、保護監察官クリステンはエレナのレイプ事件が偽証ではないのかと感じるのだった。
■感想■
1998年の傑作エロチックミステリー『ワイルドシングス』の第3弾です。
シリーズといっても毎回毎回独立したストーリーのエロチックなミステリー映画です。
あと、シリーズ3作目と言っても、1作目の面白さを期待すると、かなりガッカリします。
1作目とはまるっきり別物のミステリーです。
どれくらい違うかと言えば
日本のTVドラマのサスペンス物と「弁護士ペトロチェリー」くらい違います。
「太陽にほえろ」と「特捜班CI☆5」くらい違います。
「サンゲリア2」と「サンゲリア」くらい違います。
それくらい違うので、注意!注意!
1作目は、脚本がミステリ作家スティーブン・ピータース、出演はネーブ・キャンベル、ケビン・ベーコン(製作総指揮も彼です)、マット・ディロン、テレサ・ラッセル、デニース・リチャーズと、スタッフ、キャストともに豪華なちゃんとした劇場作品でしたけど今作は、どうやらTVムービーのようです。
エロチックなシーンも用意されているので、ケーブルTV用の作品なんでしょうね。
でも、まぁ、でもそんなアドバイスは要らないですね。
今作を観る映画ファンは、当然、シリーズ2作目の『ワイルドシングス2』(2003年)も観ているでしょうからネ。
『ワイルドシングス2』は、どんな作品だったか観終わった瞬間に、内容を忘れてしまうような作品でしたからね。
『ワイルドシングス2』を観ていれば、このシリーズは、
1作目とはストーリーも面白さもまるっきり別物の作品だとそれなりの覚悟して見るでしょうからネ。
でも、何の期待もしないで観るには十分面白い作品です。1980年代の「土曜ワイド劇場」とか「火曜サスペンス」のレベル以上には楽しめるハズ!
このシリーズの目玉のシーンの、エロエロシーンがほんの少しだけ過激なので、小さなお子さんと家族みんなで楽しみながら見るというわけには行きませんけどね~。
でも、観てる方も、「どうせ、ストーリーも、クライマックスで2転3転するんだろうなぁっ」て思って観てるんで、よっぽどのことが無い限り、サプライズ出来ないです!
案の定、ビックリ出来ないストーリー!!特に目新しいトリックもオチも無いですしね。
誰が1番悪いヤツで、得をしてもビックリしないでしょ。でも、2作目よりは面白いかも??どんな作品だったか観終わったあとも覚えられる分だけですけど…。
今作『ワイルドシングス3』は、PART3というより、1作目の『ワイルドシングス』の出来の悪いリメイクって感じでした。 50点
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ORIGINAL SIN(2001年アメリカ)
監督 マイケル・クリストファー
脚本 マイケル・クリストファー
原作 ウィリアム・アイリッシュ
出演 アントニオ・バンデラス、アンジェリーナ・ジョリー
トーマス・ジェーン、ジョーン・プリングル
アリソン・マッキー
■ストーリー■
19世紀後半のキューバ。コーヒーの輸出業で成功したルイスは、写真による見合いでアメリカ人女性ジュリアとの結婚を決意する。しかし、港に迎えに行ったルイスの前に現われたジュリアは写真と似ても似つかぬ美女だった。
■感想■
コーネル・ウーリッチ(ウィリアム・アイリッシュ)の「暗闇のワルツ」の映画化です。
1969年にジャン・ポール・ベルモンド、カトリーヌ・ドヌーブ主演、フランソワ・トリフォー監督で『暗くなるまでこの恋を』として1度映画化されてます。なので、今作はリメイクってことになりますネ。
でも、1969年版はフランス映画ですし、30年以上前の作品なんでネタ切れハリウッドとしてのリメイクも、今回はアリでしょう。だって、古いフランス映画なんて、よっぽどフランス映画好きでもない限り観ないでしょうからね。
舞台も、19世紀のキューバに移して、まるっきり違う印象の映画になってます。どちらかというと気侯やら雰囲気が寒くて暗い印象の『暗くなるまでこの恋を』でしたが、リメイクの今作は、舞台がキューバということで南国の映画になっています。
今作も観よう、観ようと思いつつ観ていなかったですけど、本日(2005年12月15日)、TV東京の木曜洋画劇場で放映されたんで鑑賞しました。TVの映画劇場のオンエア版なんでカット版ですね。ランニングタイム116分の作品なんで20分くらいカットされているんでしょうね。
出演は、濃い濃いアントニオ・バンデラスと濃い濃いアンジェリーナ・ジョリーに、
『ドリームキャッチャー』(2003年)、『パニッシャー』(2004年)のトーマス・ジェーン。
監督は、『イーストウィックの魔女たち』(1987年)、『虚栄のかがり火』(1990年)の脚本のマイケル・クリストファー。
TV情報誌「TVブロス」の映画紹介欄見たら、本作って公開時R18だったんですね。TV版で観たからわからないですけど、そんなにHでした??
『暗くなるまでこの恋を』はフランス映画らしく、上品なロマンチックな作品で、ウジウジ、イジイジ映画でした。フランス映画というより、フランソワ・トリフォー監督だからってことですね。
リメイクの今作は、良い意味でも、悪い意味でも、いかにもハリウッド映画らしい作品になっています。今作の場合、悪い意味の方が強い印象ですけど…。
「え”~ッ、そんな!!」みたいなラストまで、まぁ退屈しないで、観れることは確かです。
特に『暗くなるまでこの恋を』を観ていた映画ファンには、超驚きのラスト!
本格的なミステリー映画としてではなく、TVの2時間ミステリーを観るような感覚で観るならかなり楽しめる作品です!! 50点
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