エヴァン・パーカー
with ジョエル・ライアン, 木村まり, 石川高
開場 19:00 / 開演 19:30
料金 予約4000円 / 当日4500円 (ドリンク別)
出演:
エヴァン・パーカー [soprano & tenor saxophone] from UK
ジョエル・ライアン [sample and signal processing] from アムステルダム
木村まり [violin] from NYC
石川高 [笙 sho]
昨年<超フリージャズ>としてウィリアム・パーカー、土取利行とのトリオで来日ツアーを行ったイギリス・フリー・ミュージックの雄エヴァン・パーカーが2年連続で来日。今回はソロと日本のミュージシャンとの共演のツアー。本音を言えばぜひともソロ公演を観たいところだったが、千葉・稲毛キャンディのソロ公演は発表と同時に売り切れたという。スーデラ公演は2000年にEvan Parker Electro-Acoustic Quartetのメンバーとして来日した音響アーティスト、ジョエル・ライアンを加えたコラボレーション。唯一の都内公演なので、超満員の盛況。圧倒的に男性客が多い。
⇒エヴァン・パーカー×土取利行×ウィリアム・パーカー@青山 草月ホール 2015.7.22(wed)
●エヴァン・パーカー+ジョエル・ライアン
(写真の撮影・掲載については主催者の許可を得ています。以下同)
ソプラノサックスの循環呼吸奏法による円環サウンドが、ジョエルのPCを通して電気変調され、立体的な二重旋律を描き出す。昔のビートルズのレコードのダブルトラックのボーカル処理を思わせる。徐々に変調の度合いが高まり、エヴァンのフレーズを離脱して全く別の音の霊魂が姿を現す。後半の催眠性は半端無かった。
●石川高+ジョエル・ライアン/木村まり+ジョエル・ライアン
2セット目は日本人ミュージシャンがそれぞれジョエルと共演。最初は霊的な持続音の囁きだった石川の笙が次第に角ばったエレクトロ波形に侵食される破滅の美。木村の断続的なヴァイオリンのスタッカートは、時間軸を斜めに断ち切るジョエルのマウスパッドの動きに合わせて雨粒となって着弾する。
●エヴァン・パーカー+木村まり+石川高+ジョエル・ライアン
ラストは全員でセッション。エヴァンのテナーと木村のヴァイオリンの親和性は、細かいタンギングと弓弾きの二重唱が、この世に存在する即興パートナーの存在意義を問いただすかのようである。だから誰か、水谷孝を連れて来て、一緒にギターを弾かせてくれないか。
二人の間歇に侵入する石川の笙の持続音とそれすら呑み込み十把一絡げに咀嚼して再び三位崩壊して吐き出すジョエルの電子制御机上の磁気は、聴こえる姿と見える音が決してピッタリ重なることはありえない、という非相対性理論主義者の呟きである。
アイドルも
そうじゃなくても
金がない
●圧巻のパフォーマンスはナポレオン・ソロかも知れない。
Evan Parker, Toshi Tsuchitori, William Parker @Gujo,Japan Live 2015