A Challenge To Fate

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橋本孝之氏一周忌に寄せて、コラボ音源プレイリスト『Takeshi Goda & Takayuki Hashimoto / KAITAI』公開

2022年05月11日 00時32分04秒 | 素晴らしき変態音楽


Takeshi Goda & Takayuki Hashimoto / KAITAI

剛田武 Takeshi Goda : turntable, reed-flute, noise dolls, drums
橋本孝之 Takayuki Hashimoto : alto sax, harmonica, guitar, drums

1 2020-01-26 sun Shibuya EdgeEnd
TG : turntable, noise doll, toy ducks, reed-flute / TH : harmonica, alto saxx

2 2021-01-23 sat Kichijoji Studio Penta take3
TG : reed-flute, noise dolls / TH : guitar

3 2021-01-23 sat Kichijoji Studio Penta take2
TK & TH : drums

4 2021-01-23 sat Kichijoji Studio Penta take1
TG : reed-flute / TH : guitar

Recording location and date:
1 : "Disque Daemonuim vol. 32" at Shibuya DJ Bar EdgeEnd, January 26, 2020
2-4 : Studio Session at Studio Penta Kichijoji Southside, January 23, 2021

In memory of Takayuki Hashimoto, April 21, 1969 - May 10, 2021

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大阪のコンテンポラリーミュージックユニット.es(ドットエス)の橋本孝之氏が2021年5月10日に52歳の若さで急逝してから早くも1年。音楽的ソウルメイトのsaraはソロ・アルバム『Esquisse~Piano Improvisation』を完成させ翌日の5/11発売日を迎える。.esのプロデューサーでギャラリーノマル・ディレクター林聡も新たな展覧会の企画を続々進めている。かく言う筆者も昨年7月にインプロ・アンビエントユニットMOGRE MOGRUを結成するなど、音楽・演奏活動に精を出している。そのきっかけが橋本君との交流にあることは間違いない。
Disc Review『sara (.es) / Esquisse~Piano Improvisation』

2017年にDJイベント「盤魔殿」に橋本氏がゲスト出演したのをきっかけに、2019年からDJ+サックスのデュオとして共演を始めた。無駄な装飾が削ぎ落された彼のサックスは、ミュージック・コンクレートや物音ノイズのレコードとの相性がバッチリだった。彼の演奏に感化されて筆者の表現欲求が刺激された。大阪時代に彼が尺八にサックスのマウスピースを付けた楽器を使っていたことにヒントを得て、フルートにサックスのマウスピースを付けて、40年前と同じように出鱈目インプロヴィゼーションを再開した。その当時に植え付けられた「ジャズ」への負い目を気にすることがなくなったのは、年齢と環境の変化もあるが、ジャズを聴かない即興演奏家の橋本氏のおかげでもある。2020年の緊急事態宣言以降に何度か二人でスタジオに入ってセッションをした。橋本氏はサックスではなく、エレキギターを金属で擦ったり叩いたりして爆音を鳴らした。「他のミュージシャンと共演するときのような緊張感無しでやれるから楽しい」と言ってくれた。彼と一緒だと筆者の拙い表現欲求が無理なく解放される気がした。

2017/6/2 盤魔殿 vol.2@渋谷EdgeEnd
2019/4/12 盤魔殿 vol.23@幡ヶ谷Forestlimit
2020/1/26 盤魔殿 vol.32@渋谷EdgeEnd
2020/1/27 FIRE MUSIC極秘上映会@渋谷EdgeEnd
2020/6/21 Studio Session@渋谷Studio NOAH
2020/8/2 Studio Session@渋谷Studio NOAH
2021/1/23 Studio Session@吉祥寺Studio Penta

一周年を機に、橋本氏と二人で作った音楽を聴き直して、1枚のアルバムとしてまとめてみた。中には完全な録音が残っていないものもあるが、すべてを聴いたうえで選んだのは2020年1月26日のDJ+Saxの共演ライヴと、最後になった201年1月23日のスタジオでの共演の音源である。Track 1のライヴDJで筆者が使った音源は2019年3月に訪れたイギリスでのフィールドレコーディング、NECRONOMIDOL、ピエール・アンリ、シュトックハウゼン、黛敏郎などである。Track2~4のスタジオでは橋本氏はギターを膝に乗せて金属片等で演奏。筆者はリード・フルートとノイズ・ドールを使用。たまたまスタジオにあった2台のドラムがを二人で叩いたトラックもある。とにかくリラックスして自由に音楽を楽しめる時間だった。

タイトルのKAITAIとは懐胎(身ごもること)・解体(分解すること)・戒体(戒を受けることによって備わる、悪を防ぎ止め善を行う力)・改替(物事をあらため、新しいものにかえること)・芥蔕(わずかな心のわだかまり)といった意味がある。

橋本孝之氏の思い出のひとつとして聴いていただければ幸いである。


天国で
サウンドクラウド
聴けるかな

いつの日か盤魔殿レーベル"Les Disques Du Daemonium"からリリースしたいと夢見ている。

▼これは2019/4/12 盤魔殿 vol.23でのコラボライヴ動画
DJ Necronomicon + 橋本孝之(.es) Live at FORESTLIMIT
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