2月28日(火) 高円寺Oriental Force
「織部」
19:00 Open 19:30 Start
剛田武 x Uzl
よくばりChameleon
藤井美陽
VOQ
●剛田武 x Uzl
10日前にハードオフ三鷹店の閉店セールで購入したバイオリンベースとPlaytech製フルートを使用。Uzlが自宅から持ち込んだシンセ2台とギターアンプと並ぶと、リック・ウェイクマンとクリス・スクワイアのLoFi版といった風情。前半はフルートとキーボードでメロディアスに、中盤にベースをバイオリンの弓弾きドローンに浮遊するシンセ、終盤ファズベースの地響きとエレクトロノイズの爆音でエンディング。二人とも出自がロックということもあり、プログレ風味のインプロになった。ベースをライヴで弾くのは高校以来だが、低音の振動が心臓の鼓動と共鳴し精神が高揚するエクスタシーは癖になる。このデュオは面白くなりそう。
●よくばりChameleon
これまで何度か対バンしたりライヴペインティングを観たりしてきたよくばりChameleonだが、ソロライヴを観るのは初めて。小さな身体で大きなレスポールを抱えてのヴォーカルに始まり、エレクトロ演奏でPC映像のコラージュ、さらにリキッドアートからライヴペインティングと、複数のサウンドとアートが重層的に連続する30分。名前通りの「よくばり」で濃厚な世界をたっぷり堪能した。出来上がった絵画は彼岸花。
●藤井美陽
川口雅巳(ニューロックシンジケート、The Hardy Rocks)の大学時代のサークルの後輩という予備知識があった。女性シンガーソングライター藤井美陽がOrietal Forec初出演。いつもはアコースティックギターらしいがこの日はテレキャスターの弾き語り。透明な声でシンプルなメロディを歌うスタイルは現代版アシッドフォーク。渚にてや工藤礼子、朝生愛などを思い出したが、筆者が一番感じたのは谷山浩子かもしれない。自然や動物が出てくる歌詞はメルヘンぽくもあり、シュールでもあり、暗さや儚さをアピールしがちな旧来のアシッドフォークとは異なる薄暮の光と軽い空気を感じて、頭の中でフルートやバイオリンを重ねながら夢見心地で聴いていた。
●VOQ
以前Orienal Forceで対バンして美しいヴォーカルに感動したVOQ(ヴォク)。今回は急遽よくばりカメレオンのリキッドライティングとのコラボレーションになった。アコースティックギターやタンバリンを音源としてヴォーカルをエレクトロ変調し重ねていくハーモニーが、カメちゃんの描く色彩の渦の中へ溶け込んでいく幻想的な時間をもたらした。色に色が重なり、最後にビッグバンのような宇宙が描かれるにつれて、アコギの弾き語りへ回帰していく流れは壮大な物語のような素晴らしい体験だった。Oriental Forceに新たな宇宙が生まれた。
2/28 Oriental Force@oriental_force @VOQ_hndhrs @murasakimidori @yokubariChamael @mirokristel @Uzl_Yaglma pic.twitter.com/XGrnYMoNJF
— Masafumi Teruyama (@faummias) March 1, 2023
この日に搬入された次回展示”なかがわ寛奈個展「深淵」”の不思議なアートに囲まれた不思議な空間で不思議な音楽とアートを体験できた貴重な夜だった。
音楽と
アートの深淵
新宇宙
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