浜名史学

歴史や現実を鋭く見抜く眼力を養うためのブログ。読書をすすめ、時にまったくローカルな話題も入る摩訶不思議なブログ。

考えること

2012-09-17 20:22:21 | 日記
 中国で、若者たちが、「尖閣」は中国領だと主張して、大きな騒動を起こしている。彼らは日系企業や日系の店を襲撃し、略奪し、あるいは放火している。これは、絶対に許すことはできないことだ。これは犯罪であり、中国にとっても、あるいは「尖閣」は中国領だと主張する若者にとってもマイナスになるだろう。

 「尖閣」は小さな島々だ。近代以前は、おそらくいろいろな地域の人々が、国籍という観念もなく、島々にたどりつき、仲良くやっていたことだろう。中世には、「倭寇」という海賊がいた。その集団は、決して倭人だけ(当時の日本列島に住んでいた人々)ではなく、大陸に生まれた者、朝鮮半島に生まれた者など、いろいろな人間によって構成されていたはずだ。

 この島は、「俺たちの国のもの」なんていう観念など持っていなかったはずだ。

 欧米の価値観(「万国公法」)が入ってきてから、「領土」なんていう意識が生まれてきた。小さな島で構成された「尖閣」は、あまり利用価値もなかったのだろう。だから、「俺の国のものだ」なんていう意識もなかったのだろう。

 「尖閣」はどこの国家の「領土」なのか。日本にも、中国にも、あるいは「琉球王国」にも、それぞれの「根拠」があるのだろう。

 「領土」の問題で、双方が憎悪をかき立て、対立を深めていく。そこに何の良いことがあるのだろうか。

 中国と日本、隣国同士だ。今後もずっと隣国であり続ける。戦争なんてしたくはないし、絶対に戦争はあってはならない。だとするなら、話し合いしかない。じっくりと話し合って、譲り合い、妥協点を見つけ出そうではないか。

 「日中不再戦」は、1945年以降の両国の国是であらねばならない。

 今回の騒動の発端は、石原都知事の「尖閣」買い取り問題に発する。それも、日本ではなく、アメリカ・ワシントンでの発言から始まっている。こんなことをすれば、「発火」することは予想できた。


 私は、疑惑を抱く。日中の対立をかき立てようとする意志の存在を。ふと考えれば、オスプレイの沖縄配備の問題が暗礁に乗り上げている。日本国民に「対中国」という視線をつくりだし、それを背景にアメリカの意志を実現させようとする動きを。

 石原さん、あなたアメリカのために動いているの?
コメント
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