トップダウンとは、「企業経営などで、組織の上層部が意思決定をし、その実行を下部組織に指示する管理方式。」とデジタル大辞泉にはある。要するにトップダウンとは、私企業の経営に馴染むものであったが、今やあらゆる分野でこのトップダウン方式が幅をきかせている。
先日言及した『公の時代』(朝日出版社)には、大阪城公園のことが書いてあった。大阪は、新自由主義的な発想を借りた政治家諸氏が「大阪維新の会」をつくり、勝手なことをしている。池田市長の市役所にサウナをもってきたりしたのはまさにそれである。トップは何をしても許されるというのが、「トップダウン」時代の特徴である。
また大阪城公園には「公」がついているが、民営化されて桜を見るときにはカネを払うんだってさ。「大阪維新の会」の支配下にある大阪市や大阪府は民営化が進み、新型コロナウイルスのPCR検査を行う地方衛生研究所も数が少なく、また民営化されている。これなんかもトップダウン方式でなされたことだろう。ふつうの自治体ではやらないから。
「公」がトップダウンにより「私」のものにされ、「公」が消し去られる。そして「公」といわれるところのトップが「私」と手を組み、私腹を肥やす。そういう構図が大阪を代表として、全国で蔓延している。
私は現在の時代を、「トップダウンの時代」と呼びたい。