浜名史学

歴史や現実を鋭く見抜く眼力を養うためのブログ。読書をすすめ、時にまったくローカルな話題も入る摩訶不思議なブログ。

野枝さん(1)

2017-10-11 23:01:37 | その他
 伊藤野枝を読む。今日、『伊藤野枝と代準介』(矢野寬治、弦書房)を読み終えた。代準介の自叙伝をもとに、野枝と野枝を生涯包み込んだ叔父・代準介の二人を軸に書かれた本だ。

 史料価値のある自叙伝をもとに、様々な文献を渉猟して書かれていて、たいへん参考になった。代準介という人物の大きさにまず感動した。器の大きい人の生き方は、とにかく魅力的だ。私のような小人物は、ただただ感嘆するだけである。

 今まで、野枝にかかわる評伝をいくつか読んできた。これからは、野枝全集を読み始める。野枝とはいかなる人物であったのか、なぜ私が惹きつけられるのかを、これから解明していくのだ。

 野枝さんは、日清戦争中の1895年生まれ。1923年に虐殺されているから、28歳でこの世を去った。あまりに若い。しかし野枝さんは、もう十代から、文才を発揮していた。文才を発揮すると言うことは、自己が確立していたというか、自分自身を客観的に見つめることができていた、そうした自覚を野枝さん自身が持っているが故に、みずからの運命を主体的に切り開こうと生きていったのである。

 ある意味早熟だったから、28歳でも、もうみずからの人生を充実して生きてきた。

 私は、野枝さんの生き方をうらやましく思う、自分自身がそうした生き方ができないが故に。
コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 議員になり大病 | トップ | 総選挙序盤戦の情勢 »

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。

その他」カテゴリの最新記事