今年も行ってきた小千谷のひな祭り。
今年からメイン会場をお寺の会館に変えて、ボランティアガイド協力のもと、行われている。
会場では「今年はなかなか来なくて待っていました」と言われてしまったすっかり馴染みの私である。まぁ、芳名帳に東京の住所を書くのは私ぐらいなのだろう。
会場会場で展示している絵紙が前もって確認され、何の絵柄がどう描かれているのかが分かっている。会場はそれぞれのお宅やお店だったりするので、そこの住人が素人ながら頑張って説明してくれるのがうれしい。
今年の展示で個人的に目を引いたのは芳年の絵があったこと。「奥州安達が原ひとつ家の図」などによって絵師の人気番付で一番になった、最後の浮世絵師と称される人物である。チラッと見た瞬間、これはひょっとして…と思ったが、いつもの方が説明してくれて、芳年の作と分かった。他にも名の知れた絵師の作品がぽつぽつ出てきている。
会場で売っていた手作りの解説書を買ってきた。また、元々商店街のイベントであるから、各商店からこのひいなまつりに所縁の商品を何かひとつ開発するようにとお達しが出ていたことで、手軽に買えるお菓子やら濁り酒やらが販売されていた。酒は、このためにわざわざ蔵元に作ってもらったという特注品で人気らしい。私は地元のパン屋さん特製のクッキーを購入した。
小千谷に帰って知ったのだが、上記の商店街(平成商店街)以外に、本町の商店街でもひな祭りイベントが催されていた。もっともこちらは始めたばかりで、とりあえず展示してみましたー的なところが多い。でも120年前のお雛様だったり、おそらくそれより古いお雛様が商品に囲まれて展示されており、手作りのイベント感が漂う。おそらく本町で一番充実している呉服店に、ご不幸があったのでお休みになってしまったのが残念ではあるが、これも時間をかけて大きくしていってほしいと思う。
そして当たり前すぎて気付かなかった、雛あられが今なお厳然として売られているということ。やはり、この辺りは旧暦のお雛様が浸透しているんだなぁと実感した次第である。
そして翌日…。
体中から吟醸香が…。
大吟醸を呑みすぎました~。ちっちゃなお猪口の底の方にチョロっとしか注いでくれないんだけれど、それが10や20ともなれば話は別。
それが「にいがた酒の陣」である。
新潟には100近くの蔵元があり、そのほとんどがこの2日間、ここに集結する。
各蔵が「ひとつだけ」酒を出すはずも無く、吟醸酒に、大吟醸に純米酒に純米大吟醸に燗酒に生酒に原酒に生貯に無ろ過にetc…。
人に注がれているのを見れば、つい己のお猪口も差し出してしまうのが人情である。まぁ、会場に来る大人全員「酔っ払ってやるぞー!」って気合で来ているからね~(笑)。
酒だけではない。新潟のウンメーもんもブースがたくさん出ている。寿司なんて、本格カウンターを設けているし、鍋なんて予約制だ。他にもエビしんじょなどの練り物、越後餅ブタに村上牛、当然へぎそばも新潟ラーメンも…。モツ煮におでんにイカのわた焼、鮎の塩焼き、新潟バーガーなどもあるし、おかきメーカーは日本酒に合うおかきを提供している(マヨネーズおかきとかにんにくおかきとかおいしかった~)。
椅子席には座れない人のために「立ち飲みブース」なども設けられたが、どちらかと言うと立ち食いブースと化している。
まぁ、呑んで食えってことだ(身もふたもない)。
今回買ってきたのは純米吟醸「奥越後」。豪雪地帯として有名な津南町の「滝澤酒造」の酒である。
ここの酒が飲めるのって、本当にここ位で、県内でもよっぽどの品揃えでないとめったにお目にかかれない。まぁ、新潟県の酒って、大抵地産地消だから、そういうものなんだけれどね。
有名なのは「苗場山」というお酒。すっきりとしておいしい酒だ。だけど、奥越後は新潟県が開発した酒造好適米「越端麗」を磨いて造った酒で、華やかな飲み口ですっきりとうまい。
この蔵の魅力のひとつは「おっかさま」が現役でがんばっていること。推定年齢80~90と思われる小さなおっかさまが先頭に立って試飲を進めてくれる。毎年見かけるとホッとするんだよ。いつまでもお元気に頑張って欲しいものである。
出口で、3回目にしてガラポンの景品が当たる。カップ酒ゲットである。
そして帰りの新幹線は超爆睡であった。幸い、福島の地震の時にはすでに東京に着いていて、全く影響が無かった。