「内海聖史 - 千手 - 」 ギャラリエアンドウ

ギャラリエアンドウ渋谷区松濤1-26-23
「内海聖史 - 千手 - 」
7/7-25



壮大なスケールのスパイラルはもちろんこと、打って変わっての手狭なスペースでも内海の魅力は変わりません。ギャラリエアンドウで開催中の「内海聖史 - 千手 - 」へ行ってきました。



今回のポイントは、ズバリ作品の位置にあるのではないでしょうか。おそらくは10畳もない、画廊の小さな展示室に12点の油彩が並んでいますが、その何れもが床面から2メートル近く、ようは天井に限りなく近い場所に掲げられています。また入口より順に青、そして赤、ピンク、黄色、緑、そしてまた青と、色が連環的に変化する様子も見逃せません。部屋の一部の尖った角で相対する色のドットは、いつもに増して濃密な空間を演出しているように思えました。



最上段のDM画像は、見る側に展示の一番のベストポジションを教えてもくれます。作品を高い場所に置くことで、観客は下から作品のドットを見上げて楽しめることが出来るようになりました。あごが壁面にくっ付くほど近づき、そこから作品の表面を見据えて下さい。緑の粒子がまるでモネの絵画の如く、草原を生み出すかのように広がっています。正面からだけではなく、その表面にある色の凹凸を横から見ても美しいというのもまた見所の一つでした。



そもそもはタイトルの「千手」の如く、それこそ千手観音の手のように、作品を四方八方へ散らすように並べるアイデアがあったそうです。残念ながらそれは見送られたようですが、逆にこれはこれで一つの完成した展示だと感心しました。

近日に出来たばかりという超新作の小品も合わせて紹介されています。そちらも必見ではないでしょうか。

25日までの開催です。

*関連エントリ
「内海聖史 - 色彩のこと - 」 スパイラルガーデン(明日12日まで開催中)

注)写真の撮影と掲載については許可をいただいています。
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