都内近郊の美術館や博物館を巡り歩く週末。展覧会の感想などを書いています。
はろるど
「東北画は可能か? - 方舟計画」 イムラアートギャラリー東京
イムラアートギャラリー東京
「東北画は可能か? - 方舟計画」
5/7-5/21

イムラアートギャラリー東京で開催中の「東北画は可能か? - 方舟計画」へ行ってきました。
展覧会の概要については同ギャラリーWEBサイトをご覧ください。
「東北画は可能か? - 方舟計画」@イムラアートギャラリー東京
「東北画は可能か?」は、東北芸術工科大学の三瀬夏之介や鴻崎正武らが、学生を交えて企画運営するチュートリアル活動です。昨年始まったこのプロジェクトは、これまでにも山形や宮城、それに東京などで展示を繰り広げてきました。

さて今回は「方舟」をテーマに、学生、及び作家の平面作品が紹介されています。その様子を一言で表せば絵画の森です。絵画という絵画の全てが、ギャラリーの壁面を埋め尽くすさんとばかりに並んでいました。
当然ながら展示に関係するのが2ヶ月前に東日本を襲った大震災です。そもそも今回の展示自体が気仙沼のリアス・アーク美術館での開催を予定していましたが、美術館自体が被災、休館となったため、急遽このイムラアートでの開催が実現しました。
展示は必ずしも震災後に描かれた作品だけではありません。会場では作品に添えられたテキストに印があるものが震災後、そしてないものが震災前として区別されていました。

「東北八重山景」
しかしながらその前後の変化だけに注意するのはあまり意味をなさないことかもしれません。学生の共作の2点、「東北八重山景」(震災前)と「方舟計画」(震災後)を見ても感じられるように、その細部の描き込みはともかくも、震災前の「東北八重山景」にもどこか不穏な気配が漂っています。

「方舟計画」
全てを焦がすように下から燃え盛る炎の描写は鮮烈です。また天国と地獄の同居した光景は、全てをない交ぜにして剥き出しにぶつかり合う破壊と再生のカオスでした。
震災後の「方舟計画」にはまさに災害そのもの、ようは津波や原発なども描かれています。その目を覆いたくなるような惨禍の上をダイナミックに駆ける東北の大地、つまり方舟の原動力は、未来へ眼差しをもった全ての人々の希望であるのかもしれません。

学生のテキストの前に言葉を失いました。絵とともに全身で向き合う必要があります。簡単に整理出来ません。
5月21日まで開催されています。
「東北画は可能か? - 方舟計画」 イムラアートギャラリー東京
会期:5月7日(土)~5月21日(土)
休廊:日・月・祝休廊
時間:12:00~19:00
場所:新宿区西五軒町3-7 ミナト第三ビル4階
交通:都営大江戸線牛込神楽坂駅A3出口より徒歩10分。東京メトロ東西線神楽坂駅1番出口より徒歩約5分。
「東北画は可能か? - 方舟計画」
5/7-5/21

イムラアートギャラリー東京で開催中の「東北画は可能か? - 方舟計画」へ行ってきました。
展覧会の概要については同ギャラリーWEBサイトをご覧ください。
「東北画は可能か? - 方舟計画」@イムラアートギャラリー東京
「東北画は可能か?」は、東北芸術工科大学の三瀬夏之介や鴻崎正武らが、学生を交えて企画運営するチュートリアル活動です。昨年始まったこのプロジェクトは、これまでにも山形や宮城、それに東京などで展示を繰り広げてきました。

さて今回は「方舟」をテーマに、学生、及び作家の平面作品が紹介されています。その様子を一言で表せば絵画の森です。絵画という絵画の全てが、ギャラリーの壁面を埋め尽くすさんとばかりに並んでいました。
当然ながら展示に関係するのが2ヶ月前に東日本を襲った大震災です。そもそも今回の展示自体が気仙沼のリアス・アーク美術館での開催を予定していましたが、美術館自体が被災、休館となったため、急遽このイムラアートでの開催が実現しました。
展示は必ずしも震災後に描かれた作品だけではありません。会場では作品に添えられたテキストに印があるものが震災後、そしてないものが震災前として区別されていました。

「東北八重山景」
しかしながらその前後の変化だけに注意するのはあまり意味をなさないことかもしれません。学生の共作の2点、「東北八重山景」(震災前)と「方舟計画」(震災後)を見ても感じられるように、その細部の描き込みはともかくも、震災前の「東北八重山景」にもどこか不穏な気配が漂っています。

「方舟計画」
全てを焦がすように下から燃え盛る炎の描写は鮮烈です。また天国と地獄の同居した光景は、全てをない交ぜにして剥き出しにぶつかり合う破壊と再生のカオスでした。
震災後の「方舟計画」にはまさに災害そのもの、ようは津波や原発なども描かれています。その目を覆いたくなるような惨禍の上をダイナミックに駆ける東北の大地、つまり方舟の原動力は、未来へ眼差しをもった全ての人々の希望であるのかもしれません。

学生のテキストの前に言葉を失いました。絵とともに全身で向き合う必要があります。簡単に整理出来ません。
5月21日まで開催されています。
「東北画は可能か? - 方舟計画」 イムラアートギャラリー東京
会期:5月7日(土)~5月21日(土)
休廊:日・月・祝休廊
時間:12:00~19:00
場所:新宿区西五軒町3-7 ミナト第三ビル4階
交通:都営大江戸線牛込神楽坂駅A3出口より徒歩10分。東京メトロ東西線神楽坂駅1番出口より徒歩約5分。
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