「東松照明 新宿騒乱」 MISA SHIN GALLERY

MISA SHIN GALLERY
「東松照明 新宿騒乱」
4/23-6/12



MISA SHIN GALLERYで開催中の東松照明個展、「新宿騒乱」へ行ってきました。

本展の概要については同ギャラリーのリリースをご覧ください。

東松照明 TOMATSU Shomei 新宿騒乱(PDF)

写真家の東松が主に1960年代の新宿を捉えた作品、約20点で構成されていました。

激しくぶつかりあうデモ隊や一方でのストリッパーたちの性の乱舞など、まさにカオスとも言うべき新宿の破滅的なエネルギーの原初はこの時代にあったのかもしれません。

モノクロームに包まれた新宿の景色は一時たりとも休むことはありません。全力でこの時代を駆け抜けたという東松のファインダーは、まさに人々がうごめき、衝突し、また時に愛し合い、そして泣き叫ぶ新宿の全てを捉えています。

またストリッパーたちの乱れた部屋、さらには家屋の建ち並ぶ中を這うようにのびる都電の軌道を見ると、どこか今は殆ど失われてしまったかのような独特の生活臭が漂っているように思えてなりませんでした。

私はこの時代をリアルに経験していませんが、それでも何か身体にまとわりついてくるような人々の根源的な営みのようなものをひしひしと得ることが出来ました。時代性や場所性を通り越して語りかけてくる力が確実に存在しています。

空にのびる架線捉えた「都電」(1966)が忘れられません。真っ白な空、そしてちぎれそうになってに広がる雲の巣のような架線、また下に断片的に写された人々の全てが、何とも言えない緊張感をもって対峙しています。その希有な瞬間は東松の巧みな感覚によって永遠に切り取られました。

なお現在、東松の出身地である名古屋の市美術館で回顧展が開催中です。



「写真家・東松照明 全仕事」@名古屋市美術館 4月23日(土)~6月12日(日)

6月11日まで開催されています。

「東松照明 新宿騒乱」 MISA SHIN GALLERY
会期:4月21日(木)~6月11日(土)
休廊:日・月・祝
時間:12:00~19:00
住所:港区白金1-2-7
交通:東京メトロ南北線・都営三田線白金高輪駅4番出口より徒歩4分。
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