「臼井良平展 PET」 無人島プロダクション

無人島プロダクション
「臼井良平展 PET (Portrait of Encounterd Things)」
1/28-2/26、3/6-3/11



無人島プロダクションで開催中の臼井良平個展、「PET (Portrait of Encounterd Things)」へ行ってきました。

前もって様々な評判を聞いていたこともあり、その素材については頭に入っていたつもりでしたが、実際に見ても俄には信じ難いほどの完成度で驚きました。



ずばり、このペットボトル、何で出来ているかお分かりいただけるでしょうか。

これまでにも臼井は身近なものの見方を変化させる、「見立て」(ギャラリーサイトより引用)の作品を発表してきましたが、ひょっとすると今回ほどトリッキーなものはなかったかもしれません。

種明かしをすると、これら一連のペットボトルは、全てガラスによって出来ています。

ようはペットボトルのガラス彫刻です。臼井は石膏の型を用い、一つ一つ手間ひまをかけてガラスのペットボトルを制作しました。



またテーブル上に並ぶペットボトルは必ずしも全て同じではありません。表面をよく見ると浮き上がってきますが、その磨き方の如何により、ボトルの透明度は変化しています。曇ったものからほぼ透き通り、中の気泡が見えるまでのものと様々でした。

本来的に素材として軽いプラスチックが、ガラスという重厚でかつ存在感のある作品に変化します。一方で日頃、ほぼ使い捨てにされるペットボトルと、落とすとすぐ割れてしまうガラスという意外な共通項(脆さや儚さ)も、興味深いポイントなのかもしれません。

それにしてもここに挙げた写真はもとより、会場でもぱっと見ただけではガラスとは分かりません。実際にもペットボトルだと思って帰られる方すらおられるそうです。



色を取り込んだ瓶もガラスです。また会場内でギャラリーの方にお声がけすると、瓶のいくつかを触ることが出来ます。それを持ち上げて重みを感じた時、ようやく間違いなくガラスだということが分かりました。視覚の危うさを再認識させられるような作品といえるかもしれません。

最後にキャップもガラスと聞いて改めて驚いたわけですが、唯一、すぐさまこれらが間違いなくガラスであると分かる箇所があります。(下写真)



ヒントは冷蔵ケースです。お見逃しなきようご注意下さい。

なお臼井は横浜の竜宮美術旅館でのグループ展、「RYUGU IS OVER!!」にも出品中です。



「RYUGU IS OVER!! -竜宮美術旅館は終わります」
会期:2月17日(金)ー3月18日(日)
開館:月・金・土・日 13:00~21:00 *一部作品は20時まで。
会場:竜宮美術旅館(横浜市日ノ出町1-53-2)
作家:青田真也、淺井裕介、臼井良平、狩野哲郎、志村信裕、武田陽介、冨井大裕、丹羽良徳、森田浩彰+大久保あり、八木貴史、安田悠、SHIMURABROS、mamoru、Yu Cheng-Ta

こちらも何とか伺いたいと思います。

なお会場では初めてLEDライトを一部照明として導入したそうです。ガラスの煌めきは確かに際立っていました。

3月11日までの開催です。*2/27-3/5はイベントのため展示の観覧は出来ません。

「臼井良平展 PET (Portrait of Encounterd Things)」 無人島プロダクション
会期:1月28日(土)~2月26日(日)、3月6日(火)~3月11日(日)
休廊:月・祝日
時間:火~金、12:00~20:00 土~日、11:00~19:00
住所:江東区三好2-12-6 SNAC内
交通:東京メトロ半蔵門線清澄白河駅B2出口より徒歩2分。都営大江戸線清澄白河駅A3出口より徒歩4分。
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