都内近郊の美術館や博物館を巡り歩く週末。展覧会の感想などを書いています。
はろるど
2020年11月に見たい展覧会【ベルナール・ビュフェ/琳派と印象派/トライアローグ】
朝晩を中心に冷え込むようになり、関東では紅葉の季節を迎えようとしています。
11月も興味深い展覧会が目白押しです。まずは気になる展覧会をリストアップしてみました。
展覧会
・「工藝2020―自然と美のかたち」 東京国立博物館表慶館(9/21~11/15)
・「日本の美術を貫く 炎の筆《線》」 府中市美術館(9/19~11/23)
・「生誕100年 石元泰博写真展 生命体としての都市」 東京都写真美術館(9/29~11/23)
・「後藤克芳 ニューヨークだより」 渋谷区立松濤美術館(10/3~11/23)
・「ふたつのまどか―コレクション×5人の作家たち」 DIC川村記念美術館(6/16~11/29)
・「国立公園―その自然には、物語がある」 国立科学博物館(8/25~11/29)
・「式場隆三郎 腦室反射鏡」 練馬区立美術館(10/11~12/6)
・「性差(ジェンダー)の日本史」 国立歴史民俗博物館(10/6~12/6)
・「生誕100年 石元泰博写真展 伝統と近代」 東京オペラシティアートギャラリー(10/10~12/20)
・「根津美術館の国宝・重要文化財」 根津美術館(11/14~12/20)
・「M meets M 村野藤吾展 槇文彦展」 BankART KAIKO / BankART Temporary(10/30〜12/27)
・「STARS展:現代美術のスターたち―日本から世界へ」 森美術館(7/31~2021/1/3)
・「光―呼吸 時をすくう5人」 原美術館(9/19~2021/1/11)
・「だれも知らないレオ・レオーニ展」 板橋区立美術館(10/24~2021/1/11)
・「上田薫」 埼玉県立近代美術館(11/14~2021/1/11)
・「生命の庭―8人の現代作家が見つけた小宇宙」 東京都庭園美術館(10/17~2021/1/12)
・「1894 Visions ルドン、ロートレック展」 三菱一号館美術館(10/24~2021/1/17)
・「本城直季 (un)real utopia」 市原湖畔美術館(11/7~2021/1/24)
・「東郷青児 蔵出しコレクション〜異国の旅と記憶〜」 SOMPO美術館(11/11〜2021/1/24)
・「琳派と印象派 東⻄都市文化が生んだ美術」 アーティゾン美術館(11/14~2021/1/24)
・「ベルナール・ビュフェ回顧展 私が生きた時代」 Bunkamuraザ・ミュージアム(11/21~2021/1/24)
・「東山魁夷と四季の日本画」 山種美術館(11/21~2021/1/24)
・「138億光年 宇宙の旅」 東京都写真美術館(11/21〜2021/1/24)
・「国宝の名刀 日向正宗と武将の美」 三井記念美術館(11/21~2021/1/27)
・「生きている東京」 ワタリウム美術館(9/5~2021/1/31)
・「さかざきちはるの本づくり展 手のひらサイズの大冒険」 市川市文学ミュージアム(11/7~2021/1/31)
・「MOTアニュアル2020 透明な力たち/石岡瑛子 血が、汗が、涙がデザインできるか」 東京都現代美術館(11/14~2021/2/14)
・「トライアローグ:横浜美術館・愛知県美術館・富山県美術館 20世紀西洋美術コレクション」 横浜美術館(11/14~2021/2/28)
・「国立ベルリン・エジプト博物館所蔵 古代エジプト展 天地創造の神話」 江戸東京博物館(11/21~2021/4/4)
ギャラリー
・「ポーラ ミュージアム アネックス展2020 後期」 ポーラ ミュージアム アネックス(10/15~11/15)
・「フィリップ・ワイズベッカーが見た日本 大工道具、たてもの、日常品」 ギャラリーA4(10/2~11/20)
・「小西紀行 内なる基準」 ANOMALY(10/24〜11/21)
・「第14回 shiseido art egg 橋本晶子展」 資生堂ギャラリー(10/30~11/22)
・「福永大介 はたらきびと」 小山登美夫ギャラリー(11/7〜12/5)
・「宮島達男 Uncertain」 SCAI THE BATHHOUSE(11/7〜12/12)
・「渋谷敦志写真展:GO TO THE PEOPLES 人びとのただ中へ」 キヤノンギャラリー S(11/5~12/14)
・「内藤礼」 タカ・イシイギャラリー(11/27〜12/26)
・「内海 聖史 : squid」 アートフロントギャラリー(11/27〜12/27)
・「名和晃平 ORACLE」 GYRE GALLERY(10/23~2021/1/31)
・「ダグ・エイケン New Ocean:thaw」 エスパス ルイ・ヴィトン東京(11/13〜2021/2/7)
まずは西洋絵画です。20世紀後半のフランスの画家、ベルナール・ビュフェの回顧展が、Bunkamuraザ・ミュージアムにて開催されます。
「ベルナール・ビュフェ回顧展 私が生きた時代」@Bunkamuraザ・ミュージアム(11/21~2021/1/24)
これは近年、パリ市立近代美術館で回顧展が行われるなど、再評価の進むビュフェの画業を年代を追いながら探るもので、ベルナール・ビュフェ美術館の油彩を中心とした80点の作品が公開されます。
なおベルナール・ビュフェ美術館とは、静岡県のクレマチスの丘の中に位置していて、世界でも随一の画家のコレクションで知られています。私も二、三度出かけたことがありますが、特に大展示室での「キリストの受難」などの見応えのある力作揃いばかりで、もはや国内でのビュフェの聖地と思えるほどでした。今回はビュフェの作品を渋谷でまとめて楽しめる絶好の機会となりそうです。
洋の東西の美術の意外な接点を探る展覧会となるかもしれません。アーティゾン美術館にて「琳派と印象派 東⻄都市文化が生んだ美術」が開かれます。
「琳派と印象派 東⻄都市文化が生んだ美術」@アーティゾン美術館(11/14~2021/1/24)
17世紀の俵屋宗達から18世紀の尾形光琳、そして19世紀に酒井抱一や鈴木其一へと連なる琳派は、いわば京都の町人から江戸へと変奏を遂げた都市の美術でした。一方で印象派は19世紀後半のフランス・パリを中心に、マネやモネ、ルノワールやセザンヌらにより、主に日常的な経験の印象や市民生活を表した新しい芸術でした。
そうした日本とヨーロッパの東西の都市文化の生んだ作品を通し、互いの美意識を比較しようとするのが「琳派と印象派」で、アーティゾン美術館の印象派コレクションに加え、国内の寺院や博物館から集められた琳派の名品など約100点の作品が公開されます。かつて東京国立近代美術館にてクリムトやボナールの作品などと併せて見た「RIMPA」展が行われましたが、また琳派の魅力を思わぬ観点から引き出す展覧会となるかもしれません。
長期休館前の最後の展覧会です。横浜美術館にて「トライアローグ:横浜美術館・愛知県美術館・富山県美術館 20世紀西洋美術コレクション」が行われます。
「トライアローグ:横浜美術館・愛知県美術館・富山県美術館 20世紀西洋美術コレクション」@横浜美術館(11/14~2021/2/28)
これは「トライアローグ」、つまり3者による話し合いの鼎談を1つのキーワードに、横浜美術館と愛知県美術館、それに富山県美術館の各公立美術館のコレクションを紹介するもので、ピカソからクレー、そしてウォーホルやリヒターへと至る20世紀の西洋美術作品が約120点が一堂に展示されます。
なお横浜美術館は同展を終えると、2021年3月より大規模改修工事のため、2年を超える長期休館に入ります。1910年代から60年代にかけての横浜のアートシーンを探るコレクション展「ヨコハマ・ポリフィニー」と合わせて、しばらく見納めとなりそうです。
それでは11月もどうぞよろしくお願いします。
11月も興味深い展覧会が目白押しです。まずは気になる展覧会をリストアップしてみました。
展覧会
・「工藝2020―自然と美のかたち」 東京国立博物館表慶館(9/21~11/15)
・「日本の美術を貫く 炎の筆《線》」 府中市美術館(9/19~11/23)
・「生誕100年 石元泰博写真展 生命体としての都市」 東京都写真美術館(9/29~11/23)
・「後藤克芳 ニューヨークだより」 渋谷区立松濤美術館(10/3~11/23)
・「ふたつのまどか―コレクション×5人の作家たち」 DIC川村記念美術館(6/16~11/29)
・「国立公園―その自然には、物語がある」 国立科学博物館(8/25~11/29)
・「式場隆三郎 腦室反射鏡」 練馬区立美術館(10/11~12/6)
・「性差(ジェンダー)の日本史」 国立歴史民俗博物館(10/6~12/6)
・「生誕100年 石元泰博写真展 伝統と近代」 東京オペラシティアートギャラリー(10/10~12/20)
・「根津美術館の国宝・重要文化財」 根津美術館(11/14~12/20)
・「M meets M 村野藤吾展 槇文彦展」 BankART KAIKO / BankART Temporary(10/30〜12/27)
・「STARS展:現代美術のスターたち―日本から世界へ」 森美術館(7/31~2021/1/3)
・「光―呼吸 時をすくう5人」 原美術館(9/19~2021/1/11)
・「だれも知らないレオ・レオーニ展」 板橋区立美術館(10/24~2021/1/11)
・「上田薫」 埼玉県立近代美術館(11/14~2021/1/11)
・「生命の庭―8人の現代作家が見つけた小宇宙」 東京都庭園美術館(10/17~2021/1/12)
・「1894 Visions ルドン、ロートレック展」 三菱一号館美術館(10/24~2021/1/17)
・「本城直季 (un)real utopia」 市原湖畔美術館(11/7~2021/1/24)
・「東郷青児 蔵出しコレクション〜異国の旅と記憶〜」 SOMPO美術館(11/11〜2021/1/24)
・「琳派と印象派 東⻄都市文化が生んだ美術」 アーティゾン美術館(11/14~2021/1/24)
・「ベルナール・ビュフェ回顧展 私が生きた時代」 Bunkamuraザ・ミュージアム(11/21~2021/1/24)
・「東山魁夷と四季の日本画」 山種美術館(11/21~2021/1/24)
・「138億光年 宇宙の旅」 東京都写真美術館(11/21〜2021/1/24)
・「国宝の名刀 日向正宗と武将の美」 三井記念美術館(11/21~2021/1/27)
・「生きている東京」 ワタリウム美術館(9/5~2021/1/31)
・「さかざきちはるの本づくり展 手のひらサイズの大冒険」 市川市文学ミュージアム(11/7~2021/1/31)
・「MOTアニュアル2020 透明な力たち/石岡瑛子 血が、汗が、涙がデザインできるか」 東京都現代美術館(11/14~2021/2/14)
・「トライアローグ:横浜美術館・愛知県美術館・富山県美術館 20世紀西洋美術コレクション」 横浜美術館(11/14~2021/2/28)
・「国立ベルリン・エジプト博物館所蔵 古代エジプト展 天地創造の神話」 江戸東京博物館(11/21~2021/4/4)
ギャラリー
・「ポーラ ミュージアム アネックス展2020 後期」 ポーラ ミュージアム アネックス(10/15~11/15)
・「フィリップ・ワイズベッカーが見た日本 大工道具、たてもの、日常品」 ギャラリーA4(10/2~11/20)
・「小西紀行 内なる基準」 ANOMALY(10/24〜11/21)
・「第14回 shiseido art egg 橋本晶子展」 資生堂ギャラリー(10/30~11/22)
・「福永大介 はたらきびと」 小山登美夫ギャラリー(11/7〜12/5)
・「宮島達男 Uncertain」 SCAI THE BATHHOUSE(11/7〜12/12)
・「渋谷敦志写真展:GO TO THE PEOPLES 人びとのただ中へ」 キヤノンギャラリー S(11/5~12/14)
・「内藤礼」 タカ・イシイギャラリー(11/27〜12/26)
・「内海 聖史 : squid」 アートフロントギャラリー(11/27〜12/27)
・「名和晃平 ORACLE」 GYRE GALLERY(10/23~2021/1/31)
・「ダグ・エイケン New Ocean:thaw」 エスパス ルイ・ヴィトン東京(11/13〜2021/2/7)
まずは西洋絵画です。20世紀後半のフランスの画家、ベルナール・ビュフェの回顧展が、Bunkamuraザ・ミュージアムにて開催されます。
「ベルナール・ビュフェ回顧展 私が生きた時代」@Bunkamuraザ・ミュージアム(11/21~2021/1/24)
これは近年、パリ市立近代美術館で回顧展が行われるなど、再評価の進むビュフェの画業を年代を追いながら探るもので、ベルナール・ビュフェ美術館の油彩を中心とした80点の作品が公開されます。
2020年11月21日~2021年1月24日、東京・渋谷のBunkamura ザ・ミュージアムにて、当館の収蔵品約80点による「ベルナール・ビュフェ回顧展 私が生きた時代」が開催されます。https://t.co/DwFRiythDA 会期中も当館では引き続き「或る画家の航海」展を開催中。2会場でビュフェをたっぷりお楽しみ下さい!
— クレマチスの丘 (@clematis_no_oka) October 8, 2020
なおベルナール・ビュフェ美術館とは、静岡県のクレマチスの丘の中に位置していて、世界でも随一の画家のコレクションで知られています。私も二、三度出かけたことがありますが、特に大展示室での「キリストの受難」などの見応えのある力作揃いばかりで、もはや国内でのビュフェの聖地と思えるほどでした。今回はビュフェの作品を渋谷でまとめて楽しめる絶好の機会となりそうです。
洋の東西の美術の意外な接点を探る展覧会となるかもしれません。アーティゾン美術館にて「琳派と印象派 東⻄都市文化が生んだ美術」が開かれます。
「琳派と印象派 東⻄都市文化が生んだ美術」@アーティゾン美術館(11/14~2021/1/24)
17世紀の俵屋宗達から18世紀の尾形光琳、そして19世紀に酒井抱一や鈴木其一へと連なる琳派は、いわば京都の町人から江戸へと変奏を遂げた都市の美術でした。一方で印象派は19世紀後半のフランス・パリを中心に、マネやモネ、ルノワールやセザンヌらにより、主に日常的な経験の印象や市民生活を表した新しい芸術でした。
🍂11月の開館情報🍂#アーティゾン美術館 の11月の開館時間は、10:00~18:00です(入館は17:30まで)。以下の日付は休館日です。ご注意くださいね。11/1(日)、2(月)、9(月)、13(金)、16(月)、24(火)、30(月)11月より新しい展覧会が始まります✨お楽しみに!▽詳細はこちらhttps://t.co/GTTDPRsgdK pic.twitter.com/SgmMnBljPe
— artizonmuseumjp (@artizonmuseumJP) October 30, 2020
そうした日本とヨーロッパの東西の都市文化の生んだ作品を通し、互いの美意識を比較しようとするのが「琳派と印象派」で、アーティゾン美術館の印象派コレクションに加え、国内の寺院や博物館から集められた琳派の名品など約100点の作品が公開されます。かつて東京国立近代美術館にてクリムトやボナールの作品などと併せて見た「RIMPA」展が行われましたが、また琳派の魅力を思わぬ観点から引き出す展覧会となるかもしれません。
長期休館前の最後の展覧会です。横浜美術館にて「トライアローグ:横浜美術館・愛知県美術館・富山県美術館 20世紀西洋美術コレクション」が行われます。
「トライアローグ:横浜美術館・愛知県美術館・富山県美術館 20世紀西洋美術コレクション」@横浜美術館(11/14~2021/2/28)
これは「トライアローグ」、つまり3者による話し合いの鼎談を1つのキーワードに、横浜美術館と愛知県美術館、それに富山県美術館の各公立美術館のコレクションを紹介するもので、ピカソからクレー、そしてウォーホルやリヒターへと至る20世紀の西洋美術作品が約120点が一堂に展示されます。
【11/14開幕!コレクション展】コレクション展「ヨコハマ・ポリフォニー:1910年代から60年代の横浜と美術」間もなく開幕!大正期から高度経済成長期の横浜における美術の動向とは。選りすぐりの名品約150 点から約60年にわたる横浜のアートシーンをひも解きます。 #yokobihttps://t.co/DT3h2sJnf2 pic.twitter.com/8youlce2Xa
— 横浜美術館 (@yokobi_tweet) October 30, 2020
なお横浜美術館は同展を終えると、2021年3月より大規模改修工事のため、2年を超える長期休館に入ります。1910年代から60年代にかけての横浜のアートシーンを探るコレクション展「ヨコハマ・ポリフィニー」と合わせて、しばらく見納めとなりそうです。
それでは11月もどうぞよろしくお願いします。
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