『動物会議 緊急大集合!』 ギンザ・グラフィック・ギャラリー

ギンザ・グラフィック・ギャラリー
『動物会議 緊急大集合!』
2023/2/9~3/25



ギンザ・グラフィック・ギャラリーで開催中の『動物会議 緊急大集合!』を見てきました。

1949年、ドイツの作家のエーリッヒ・ケストナーは、絵本『動物会議』において、「子どもたちのために、戦争のない世界をつくろう。」と、動物たちを主人公にして戦争を繰り返す人間を批判する物語を描きました。



この絵本『動物会議』にインスピレーションを受けて企画されたのが『動物会議 緊急大集合!』で、DNPグラフィックデザイン・アーカイブの中から、ケストナーの「人間と動物との共存と平和」という意思を体現するようなポスター約120点が公開されていました。



それらはいずれも日本のグラフィックデザイナー、アートディレクター、アーティストらが、動物を主役、もしくは脇役にして、生命、環境、戦争、文化、社会に対する問題意識や危機感を表したもので、写真、絵画、インスタレーション、またグラフィックなどさまざまな表現が用いられていました。



亀倉雄策から田中一光、それに佐藤晃一や横尾忠則、また監修を担った永井一正といった錚々たるメンバーによる名作ポスターからしても見応え十分といえるかもしれません。またそれぞれの展示室において動物をモチーフとしたポスターが向きあうなど、あたかも会議室をイメージさせるような空間構成も印象に残りました。



なお2階のライブラリーのスペースではケストナーの「動物会議」を実際に閲覧できるとともに、海外アーティストらによる動物をモチーフとしたポスターも展示されていました。



2022年5月から7月にかけ、ローマ日本文化会館にて同タイトルの企画展が開かれると、多くの来場者を数えるなどして話題を集めました。その後、規模を縮小し、パリ日本文化会館へと巡回していて、今回ギンザ・グラフィック・ギャラリーでは、ローマでの展覧会を再構成するかたちにて展示を行いました。



各地で戦争や紛争が続く昨今の世界の状況を鑑みながら、一連のポスターを追っていくと、70年前のケストナーのメッセージが今もなお重要な意味を持ち得ていることを強く感じてなりませんでした。


3月25日まで開催されています。

『動物会議 緊急大集合!』 ギンザ・グラフィック・ギャラリー@ggg_gallery
会期:2023年2月9日(木)~3月25日(土)
休廊:日曜・祝日。
時間:11:00~19:00
料金:無料
住所:中央区銀座7-7-2 DNP銀座ビル1F
交通:東京メトロ銀座線・日比谷線・丸ノ内線銀座駅から徒歩5分。JR線有楽町駅、新橋駅から徒歩10分。
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