『キャラクターデザインの先駆者 土方重巳の世界』 横須賀美術館

横須賀美術館
『キャラクターデザインの先駆者 土方重巳の世界』
2023/2/11~4/9



横須賀美術館にて開催中の『キャラクターデザインの先駆者 土方重巳の世界』を見て来ました。

1915年に生まれた土方重巳は、戦前から戦後を通してグラフィックデザイナーとして活動すると、映画のポスターから子ども向けのキャラクターデザイン、また絵本や企業広告など幅広い分野に業績を残しました。

まずはじめに並ぶのが土方が戦前から戦中に手がけた映画のポスターなどで、『白鳥の湖』や『ハムレット』といった舞台公演のポスターも目立っていました。東宝映画会社に入社した土方は、同社の映画のポスターから広告、チラシのデザインを担っていて、戦後に退社した後は他社の演劇やバレエのグラフィックデザインも制作しました。

1949年、劇作家の飯沢匡の勧めによって子ども向けの仕事を手がけるようになると、童画の制作からラジオ、テレビ番組の仕事も担い、とりわけNHKテレビ『おかあさんといっしょ』の人形劇「ブーフーウー」をはじめ、「ダットくん」や「とんでけブッチー」人形劇のデザインで人気を集めました。

さらに構成と文章を飯沢、デザインを土方、また人形制作を川本喜八郎が担った『人形絵本』では、ヨーロッパやアメリカを中心とする世界78ヶ国にて80種類の作品が出版されるなど海外でも評価を得ました。

こうした子ども向けの仕事と並び、土方が旺盛に制作していたのが企業広告やテレビCMの分野で、朝日麦酒のキャラクター人形や花王や大丸、ヤマハといった企業のためのデザインを手がけました。



その企業向けの仕事で今もよく知られるのが、1959年に佐藤製薬の店頭ディスプレイ人形として発表されたサトちゃんで、展示では「サトちゃんワールド」と題し、多くのサトちゃんをはじめ、チラシやデザインの原画が紹介されていました。



これほど知名度のある製薬メーカーのキャラクターも他に存在しないかもしれません。なお「サトちゃんワールド」については撮影も可能でした。


土方重巳の世界展が開催中。あの「サトちゃん」の生みの親! | イロハニアート



4月9日まで開催されています。

『キャラクターデザインの先駆者 土方重巳の世界』 横須賀美術館@yokosuka_moa
会期:2023年2月11日(土)~4月9日(日)
休館:3月6日(月)、4月3日(月)。
料金:一般1000(800)円、大学・高校生・65歳以上800(640)円、中学生以下無料。
 *( )内は20名以上の団体料金。
 *市内在住または在学の高校生は無料。
時間:10:00~18:00
 *入館は閉館の30分前まで
住所:神奈川県横須賀市鴨居4-1
交通:京急線馬堀海岸駅1番乗り場より京急バス観音崎行(須24、堀24)にて「観音崎京急ホテル・横須賀美術館前」下車、徒歩約2分。
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