『トンコハウス・堤大介の「ONI展」』 PLAY! MUSEUM

PLAY! MUSEUM
『トンコハウス・堤大介の「ONI展」』
2023/1/21〜2023/4/2



PLAY! MUSEUMで開催中の『トンコハウス・堤大介の「ONI展」』を見てきました。

2014年に当時ピクサーで同僚だった堤大介とロバート・コンドウが立ち上げたアニメーションスタジオ「トンコハウス」は、デビュー作『ダム・キーパー』がアカデミー賞短編アニメーション賞にノミネートされるなどして注目を浴びました。

その堤が監督を務め、2022年秋にNetflixにて公開されたのが長編アニメーション『ONI ~ 神々山のおなり』 で、日本の鬼を題材に、森に暮らす妖怪や神々たちが心に潜む恐れと向き合いながら成長する物語が描かれました。



まず会場で紹介されるのが、10歳の女の子で主人公のおなりと父とされるなりどんで、人形やアニメーションの映像を通して『ONI』の世界観を知ることができました。



一連の映像にて目を引くのが、トンコハウスによる美しい自然描写と光と陰影の映像表現で、空調によってゆらゆらと揺れる手漉きの和紙へとアニメを投影した展示では、まるで作品の中の風や光の移ろいまでが再現されているかのようでした。



今回の展覧会は映像作家の菱川勢一とブルーシープが共同で手がけたもので、手づくりの和紙提灯やお面、それに凧や祭りやぐらなど日本の伝統的なものと『ONI』の映像美とが一体となって、異空間へトリップできるように作られていました。



鬼の村とおなりが住む神々山をつなぐ「戻り橋」を進む広がるのが「迷いの森」で、その先には物語のハイライトに登場するやぐらが設置され、作品のさまざまな場面が映像にて紹介されていました。



またここでは森の中の精霊であるモリノコに関する演出も行われていて、実際に太鼓を叩いて光を生み出すこともできました。



こうした空間演出のほかに充実していたのは、『ONI』の制作プロセスを紹介したメイキングの展示でした。



そこにはパイロット版のためにつくられたコマ撮り用の人形やスタジオセットから、キャラクターを描いたスケッチ、またカラースクリプトやライティングといったトンコハウスの映像づくりがパネルなどにて紹介されていて、どのように『ONI』が着想され、映像化していったのかをたどることができました。



会場の最後には特設シアターが設けられていて、『ONI』をはじめとしたトンコハウスの4つアニメーション作品が紹介されていました。なお『ONI』は1日数回時間指定で、会期中期間を区切って全4話が上映されます。スケジュールは公式サイトをご確認ください。



トンコハウス・堤大介の「ONI展」の見どころレポート! | イロハニアート

事前に『ONI』の内容を知らずとも楽しめるように工夫されていますが、先にアニメーションを鑑賞した上で展示を見た方がより面白いかもしれません。みんなで「どんつこつこつこ わっしょい!わっしょい!」と歌うラストの感動的なシーンが蘇りました。



会場内はシアターを除いて撮影も可能です。


4月2日まで開催されています。

『トンコハウス・堤大介の「ONI展」』 PLAY! MUSEUM@PLAY_2020
会期:2023年1月21日(土)〜2023年4月2日(日)
休館:会期中無休。ただし3月5日(日)を除く
料金:一般1800円、大学生1200円、高校生1000円、中・小学生600円、未就学児無料。
 *当日券で入場可。ただし休日および混雑が予想される日は事前決済の日付指定券(オンラインチケット)を販売。
時間:10:00~17:00。
 *土日祝は18:00まで
 *入館は閉館の30分前まで。
住所:東京都立川市緑町3-1 GREEN SPRINGS W3 2F
交通:JR立川駅北口・多摩モノレール立川北駅北口より徒歩約10分
コメント ( 0 ) | Trackback ( 0 )