『ABSTRACTION 抽象絵画の覚醒と展開 セザンヌ、フォーヴィスム、キュビスムから現代へ』 アーティゾン美術館

アーティゾン美術館
『ABSTRACTION 抽象絵画の覚醒と展開 セザンヌ、フォーヴィスム、キュビスムから現代へ』
2023/6/3~8/20


ヴァシリー・カンディンスキー『自らが輝く』 1924年 石橋財団アーティゾン美術館

フランスを中心としたヨーロッパ、およびアメリカ、また日本における抽象絵画の展開をたどる展覧会が、アーティゾン美術館にて開かれています。

それが『ABSTRACTION 抽象絵画の覚醒と展開 セザンヌ、フォーヴィスム、キュビスムから現代へ』で、石橋財団のコレクションを中心に、国内外の美術館、また個人蔵の作品をあわせ約250点もの作品が公開されていました。


ウィレム・デ・クーニング『リーグ』 1964年 石橋財団アーティゾン美術館

今回の『ABSTRACTION』の見どころとしてあげられるのが、20世紀美術の抽象絵画の歴史を、その発生からおおよそ1960年代までの展開に沿って紹介していることで、オルフィスムやバウハウス、また戦後アメリカの抽象表現主義から日本の具体などと幅広く網羅していました。


フランティセック・クプカ『赤い背景のエチュード』 1919年頃 石橋財団アーティゾン美術館

またアーティゾン美術館における近年の新収蔵作品が95点も公開されていて、人気のカンディンスキーやクレーはもとより、国内ではなかなかまとめて見る機会の少ないドローネーやクプカの優れた作品も鑑賞することができました。


ロベール・ドローネー『街の窓』 1912年 石橋財団アーティゾン美術館

さらに海外からポンピドゥー・センターやフィリップス・コレクションなどの美術館、また個人コレクションからも初公開作品を含む計30点余りの作品がやって来ていて、展示にいわば厚みを与えていました。これほどのスケールで抽象表現に関する作品を目にすること自体が、極めて稀といえるかもしれません。


ザオ・ウーキー『07.06.85』 1985年 石橋財団アーティゾン美術館

フランス抽象絵画を切り開いたアルトゥング、スーラージュ、ザオ・ウーキーの3名の作家の後期作品に着目した展示も見どころだったのではないでしょうか。


リタ・アッカーマン『愚かな風』 2022年

このほか、リタ・アッカーマン、鍵岡リグレ アンヌ、婁正綱ろうせいこう、津上みゆき、柴田敏雄、髙畠依子、横溝美由紀といった現代の7名の作家の作品を紹介する展示も充実していました。


モーリス・エステーヴ『ブーローニュ』 1957年 石橋財団アーティゾン美術館

イロハニアートにも展覧会の見どころについて寄稿しました。

アーティゾン美術館で開催中の『ABSTRACTION 抽象絵画の覚醒と展開』見どころは? | イロハニアート


ジョルジュ・マチュー『10番街』 1957年 石橋財団アーティゾン美術館

先日の日曜(16日)の午後に改めて出向いてきましたが、会場内は混雑こそしていないものの、思いの外に賑わっていました。


マーク・トビー『傷ついた潮流』 1957年 石橋財団アーティゾン美術館

会期も残すところ約1ヶ月を切り、夏休みにかけて混み合うかもしれません。事前にウェブサイトよりチケットを購入しておくことをおすすめします。


8月20日まで開催されています。

『ABSTRACTION 抽象絵画の覚醒と展開 セザンヌ、フォーヴィスム、キュビスムから現代へ』 アーティゾン美術館@artizonmuseumJP
会期:2023年6月3日(土)~8月20日(日)
休館:月曜日(7月17日は開館)、7月18日。
時間:10:00~18:00
 *8月11日を除く毎週金曜日は20時まで。
 *入館は閉館の30分前まで。
料金:【ウェブ予約チケット】一般1800円、大学・高校生無料(要予約)、中学生以下無料(予約不要)。
 *事前日時指定予約制。
 *ウェブ予約チケットが完売していない場合のみ当日チケット(2000円)も販売。
住所:中央区京橋1-7-2
交通:JR線東京駅八重洲中央口、東京メトロ銀座線京橋駅6番、7番出口、東京メトロ銀座線・東西線・都営浅草線日本橋駅B1出口よりそれぞれ徒歩約5分。
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