◆ちゃんとしゃべれ!治納由気(はるなゆき)◆

変な日本語、敬語もどき、崩れていく日本語、そして、正しい日本語とハムスター。

「君が○ニャンになってもらうしかないよ」って?

2015-03-15 11:34:37 | 言葉についてあれこれ
                                  ハムにゃん

 「君が○ニャンになってもらうしかないよ」はCMのセリフですが、おかしいですね、「君が」なら「君が○ニャンになるしかないよ」と言うものですが、どうしても「なってもらう」と言いたいのですか? それならそれで「君に○ニャンになってもらうしかないよ」と言うのが日本人でしょ! 「が」ではなく「に」ですよ。
 「親が払ってもらってるんですけど」と書いたのは中学生。「親が」なら「親が払ってるんですけど」ですが、「払ってもらってる」と書いたのは感謝の気持ちから? 親が払うのは当たり前だと思っているよりずっといいですが、「親が」はそのまんまというのはいけません。「親に払ってもらってるんですけど」です。若い人たちは、「○に~てもらう」という基本を無視している人たちの影響をもろに受けているのですo(`д´)o!
 「県民の皆さんが元気を出していただけるような」と言ったのは私が住む県の知事。頑張るのは県民だけど、自分もあれこれやっているんだというアピールはしておきたい、そうですよね、知事さん。「皆さんが」なら「元気を出すような」ですが、こういう言い方はしません。そういうわけで、3月1日の記事では「県民の皆さんに元気になっていただけるような」と言ってほしいと書いたのですが、後から疑問が湧いてきました。
 頑張るのはあくまでも県民、まぁ、そうですね、だから知事は「皆さんが」と言うのですよね。それならそれで「県民の皆さんが元気になるような」と言うのが一番自然ですが、知事として言えるのはどの程度かと考えると、果たしてそんなふうに言えるだろうか、う~ん、いや、そこまではなかなか言えないでしょうねぇ。
 「元気になる」というより「元気を出す」、それを無理のない日本語にすると「県民の皆さんが元気を出せるような」ですが、どうしても「~ていただく」は外せない。ここが問題なのですよ、「~ていただく」と言うときの主体はどちらなのか、県民なのか、知事なのか、それを意識しないで話すから日本語としておかしくなるのです。
 頑張るのが県民なら、あっさり県民主体で「県民の皆さんが元気を出せるような」と言えばいいのですよ。それでもどうしても「出していただけるような」と言って“自分”を押し出したいのなら「が」ではなく「に」ですよ、「県民の皆さんに元気を出していただけるような」ですからね。そうなると、アピールした分、知事にはもっともっと頑張ってもらわないといけませんけど。
 あう~、また訳の分からないメッセージだよぉ~<( ̄д ̄)>~、クラウド? ID? どうすりゃいいんだよぉ~~~、というわけでAdobeのhelpを見たら「サポートポータルからお問い合わせするとき」なんて書いてある。あのね、そこらの三流企業じゃないんだから、いや、よく知らないけど、三流ではないのでしょう? 「サポートポータルから問い合わせるとき」と書けばいいのですよ。まぁ、ね、一流企業にもちゃんとした日本語で文章を書ける人はなかなかいませんけど。
 「お問い合わせするとき」だと、形は謙譲語Ⅰ「ご(お)~する」になっていますから、書いた本人は尊敬語のつもりでしょうけれど尊敬語にはなっていません。羽鳥慎一をはじめとする敬語を知らないアナウンサーが「ご紹介してください」「ご用意していただきました」などと言うからすっかり広まってしまいましたが、だめですよ。「お問い合わせをするとき」の「を」を抜いたんだというのもだめです。
 尊敬語とも謙譲語とも言えないような書き方をして、一体だれがだれに問い合わせをするのでしょうか。このごろの日本人ときたら敬語もどきしか話せないから、行為の主体がだれなのか分かりにくくなっています。正しい敬語なら、具体的にだれと言わなくてもちゃんと分かるのに。変な敬語もどきを平気でしゃべっている人たちは“主体”を意識したことなんてないのでしょうね┐( ̄д ̄)г。
コメント
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