◆ちゃんとしゃべれ!治納由気(はるなゆき)◆

変な日本語、敬語もどき、崩れていく日本語、そして、正しい日本語とハムスター。

「○○に引っ掛かったときの羞恥心」って?

2015-03-29 11:36:02 | 気になる言葉、具体例
                                  びっくり、ずっしり、おいひーっ

 「イッピン」で女優の前田亜季が「なんか、全くちがく見えるんですけど」と言うのが聞こえてぞくっとしました。「サイエンスZERO」で安めぐみの「ちがくて」に引っ掛かって以来、「ちがくて」にもアレルギー反応が出るようになったのですが、南沢奈央も「いつもと雰囲気がちがくて」なんて言っています( ̄д ̄)!
 箭内道彦(1964年生まれ)も「ちがくて」です。いやはや、50過ぎて「ちがくて」ですか┐( ̄д ̄)г。野球解説者の吉井理人(1965年生まれ)も「土の質が全然ちがうくって」なんて言いましたから、若い人ばかりではないのですね。でも、いい年して「ちがうくって」なんて変ですよ、やめて!
 街頭インタビューで女性(会社員、21歳)が「たたみ方とか、ちがかったりすると」なんて言うのを聞いたときはぶるっと震えが来ました。一般の人が書いた文章でも「食べ物の好みがちがくても」「価値観が違くて」などの記述が見られます。書いてもこうなる、こう書いているというのは何とも情けない。もはや「違う」「違って」なんて思い出すこともできなくなっているのでしょう。
 それで、前田亜季が、「ちがく見えるんですけど」と言った後に「想像力が広がりますね」とも言ったのですが、これは「想像が広がりますね」であり、「力」が余計です。先日、「デザインの梅干」という番組でも「想像力を膨らませて絵を完成させます」というナレーションが聞こえましたが、広がるのも膨らむのも「想像」であって「想像力」ではありませんよ。いいかげんにしてよね、NHKo(`д´)o!
 森田美由紀アナも「何でもないモチーフが想像力をかきたてます」だし、羽鳥慎一も「想像力かきたてられる」だし、西尾アナも「想像力を膨らませる」だし、アナウンサーもナレーションもテロップも、み~んな「想像力」になってしまい、な~んも考えない若い人が「想像」と言えなくなるのは当然です。
 「責任を感じる」と言うべきところで「責任感を感じる」と言う人が急増したときはまるで“パンデミック・「責任感」”でしたよ。なぜか、俳優がみんな「責任感重大で」と言いだし、それが素早く広まって、若い人は「すごく責任を感じて」と言うべきところで「すごい責任感でぇ」なんて言うのですから、じわ~っと恐怖を感じました。
 というわけで、前置きが長くてすみません、「○○に引っ掛かったときの羞恥心は忘れられない」ですが、「想像力」「責任感」と来て、ちょっと前にこういう一般の人の記述を見たことを思い出したのです。「想像力」ではなく「想像」、「責任感」ではなく「責任」、そして、「羞恥心」ではなく「恥ずかしさ」なのですが、とうとうこんな例まで出てくるなんて・・・、言葉の意味を考えたことはないのか?
 豊かな想像力を持っていてこそ想像が広がります。責任の重みをきちんと感じる人、責任をもって事に当たれる人、それが責任感の強い人です。羞恥心をちゃんと持っている人でないと恥ずかしさなんて感じません。先日、駅の待合室で路線図を見ていたら、カチャカチャと何やら音が聞こえてきて、何かと思えば、近くのベンチに座っている女子高生が一心不乱に化粧をしていました。おいおい、羞恥心はどこへ行った?
 ところで、6700人から選ばれた着物美人日本一とかいう見出しの動画を見たのですが、心底がっかりしました。以前、和服の女性がお客様に対して頭を下げた後、上体を起こした瞬間にクイッとやったのを見たけれど、そんなことをするなら和服を着ないでほしいと書いたことがありますが、もっとひどい! 日本一ですか? あれが?
 中途半端な長さの前髪をクイクイッ、何度もお辞儀をするので、そのたびに目にかかる前髪をバサバサ、クイクイッ、バサバサ、クイクイッ、見苦しいことこの上なし!!! 後ろに立っていたミッツ・マングローブのしぐさのほうがずーっと和服にふさわしくてきれいってどういうこと(ーー;)? 和服にクイッは合わないから、クイッとやらなくて済むような髪型の人を日本一にしないでどうするんだ?
コメント
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