◆ちゃんとしゃべれ!治納由気(はるなゆき)◆

変な日本語、敬語もどき、崩れていく日本語、そして、正しい日本語とハムスター。

「召したの人に」って?

2022-01-02 10:25:45 | 言葉についてあれこれ
                                  寅年ですね

 ネット上で気軽に読める文章は、読みやすいか読みにくいか、日本語のレベルはピン切りですが、「goo話題のトピックス」(2020/12/28)に取り上げられていた「お年玉のマナー」(シュフーズ)にはあきれました。同じことをくどくど、しかも、文章全体の半分ぐらい、日本語がおかしい Ψ( ̄д ̄)Ψ。
 「お年玉は目上の人が召したの人に渡すもの」って、召し使い? このライターは誤字を全く気にしていません。「目下の人に」でしょ。「じゅうようになります」「おぼえておきましょう」「失礼にあたって」って、なぜ平仮名? 「重要」「覚えて」「当たって」と、きちんと漢字に変換しましょう。
 「子供」「こども」、「例を上げるので」「例で挙げたもののように」、「何を贈るのが良いのか」「何かを送りたくなってしまう」、「ごちそうする」「ご馳走することで」、こういう表記揺れがいーっぱい。「子ども」「挙げる」「贈る」「ごちそうする」、一つの文書内で表記を統一するのは基本です。
 「お年玉をいただい方に」って、脱字も気にしていません。「お年玉を頂いたかたに」でしょ、いや、もっといえば「お年玉を下さったかたに」です。そして、「~ていただく」は平仮名ですが、お年玉を「頂く」「下さる」は漢字です。
 「ありがとうございます。」は「ありがとうございます」です。こういう書き方をするライターはたまにいますし、「TechinsightJapan」のライターたちはなぜか全員こうですが、鉤括弧(かぎかっこ)の直前の句読点は不要です。
 「お年玉をいただいた相手との関係性にもよって」は余字、本当に何も気にしていませんね、最低限、誤字・脱字・余字のチェックぐらいしましょうよ。「お年玉を下さった相手との関係性によって」でしょ。もうお気づきですね、このライターは、「下さった」でないといけないときもすべて「いただいた」です( ̄" ̄)。
 後ろに「金額」「お年玉」と続くなら「頂いた」でもいいのですが、「相手」「かた」「人」なら「下さった」です。「~てくださる」と言えず、いつも「~ていただく」と言ってしまう人は非常に多いのですが、これほど「下さる」と「頂く」を分かっていないライターもいるのですね ( ̄_ ̄)。
 「お年玉のお返しをした方が良いケースは、お年玉をいただい方に成人していないお子様がいる場合そのお子様にお年玉を渡すことがマナーとなるのでお返しという形とは少し異なりますがお年玉をお渡しします」って、読点を打たずにだらだら書き、しかも「ケースは」と「お渡しします」がつながっていません。
 「お返しをしたほうがいいのは、お年玉を下さったかたに成人していないお子様がいる場合です。お返しという形とは少し異なりますが、そのお子様にお年玉をお渡しするのがマナーです」と書けば読みやすいですよね。
 「お住いの地域によってはいただいたお年玉に対してお返しをする地域もあるので」って、「お住いの」は送り仮名が違いますし、後ろの「地域も」は余計です。「お住まいの地域によっては、頂いたお年玉に対してお返しをするということもあるので」でしょ。
 「お年玉のお返しをする場合には何をどのようにお年玉のお返しをするのが良いのか調べてみました」って? 「お年玉でいただいた金額の3分の1から半額の範囲内でお返しをするのが良いとされている金額の範囲です」って? 「お年玉のお返しにするお礼は現金をお返しするのは失礼に」って? くどくど、重複の嵐 Ψ( ̄д ̄)Ψ。
 「お年玉のお返しをする場合、何をどのようにお返しすればいいのか調べてみました」でしょ。「頂いた金額の3分の1から半額の範囲内でお返しするのがよいとされています」でしょ。「お年玉のお礼として現金をお返しするのは失礼に」でしょ。
 「数年後の未来にお年玉をいただいた方に、お子様ができる可能性がある場合には」って、数年後なら「将来」でしょ。読点の位置もおかしいですね、意味不明です。「将来、お年玉を下さったかたに子どもが生まれる可能性がある場合」でしょうかね。
 「お礼のものにお年玉をもらった本人である子供に簡単な内容で良いので手紙を書かせて写真と一緒に添えると印象が良くなります」って、だからぁ、読点は? 「お年玉をもらった本人である子どもに、簡単な内容でいいので手紙を書かせ、写真と一緒にお礼の品に添えると印象がよくなります」でしょ!
 「お年玉をもらうこちらにのみ子供がいてお年玉をくれる同世代の方からのお年玉の場合もお返しをした方がいいケースとなります」って、やたら文字数が増えるばかりで、伝わりません。「子どものいない同世代のかたからお年玉を頂いたら、これもお返しをしたほうがいいケースです」でしょ。
 いやはや、まさに変な日本語の見本帳だったわけですが、このライターだけではありませんし、もっとひどいライターもいーっぱい。ちゃんと書けない“自称ライター”が大勢いますから、読み手には読む力が必要です。何となく分かったつもりで流していたらどうなるか・・・( ̄- ̄)、どうします?
コメント
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