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劇場版 忍たま乱太郎 ドクタケ忍者隊最強の軍師 を語る

2024-12-20 20:03:57 | ■アニメレビューとか
見てきました。
忍たまは最初期は見ていたのですが、近年は藤森雅也さんの名前があがるときは見ているかなという感じで熱心にシリーズを追って見ていませんでしたが、久々の劇場版ということで見てきました。女性ファンが多いとのことでしたが、確かに他のお客さんは女性ばかりだったなぁと人気のほどがうかがえました。

以下、ネタバレ感想。


最初に彼岸花と案山子と月に映る兎と髑髏の影が不穏で、いつもの忍たまとは違うという空気感をまとっていたな。このイメージ群について説明はされませんが、土井先生の過去に触れるイメージだったのかな。たくさんの案山子に何度も挿入される彼岸花のイメージは殺戮のメタファーっぽく、多くの人の命を手にかけいるような様子を描写されているように感じる。これは作品の世界観的に直接的な殺人の描写を避ける意図があったのかな。土井先生がそのような行為を直接的に行った描写はないけど、後半に記憶を無くして天鬼となったときはいつもの飄々とした姿はなりを潜ませ、戦闘において容赦のない姿になっているのを見ると、過去はそのような姿だったのかと思わせられたな。

土井先生が諸泉尊奈門と決闘しているあたりは天鬼なった姿と対比させる意味で、戦闘描写に力が入っていてよかったですね。先生であるという意味合いを強く出すのに武器は出席簿、黒板消し、チョークなど学校で使用するものばかり。対して天鬼となったときは長刀を使ったアクション。最初の決闘では諸泉尊奈門の身を案じてか怪我をさせないように、しないように気を付けていますが、対する天鬼は容赦がなく、流血描写などもあり激しいバトルが展開され、私たちがよく知る土井半助が消えてしまったことを明確に表現していたなと。また戦闘を行う場所もススキ野原というか、そういうやわらかい植物の中での戦闘で、身を隠しながら戦っていましたが、天鬼のときは竹林になっており、忍ぶ姿ではなく堂々と相手に対応し、竹林という立地を利用したバトル描写になっており、環境の違いによって戦闘スタイルの違いを印象付けていたのも目を引いたかな。この辺はどなたのアイディアなんでしょう。

土井先生が記憶を無くすきっかけになったのは満月の光と川に浮かぶ稗田八方斎の頭が重なったところで頭を打ったのが要因でしたが、なぜ月の光が強調されるのか気になりました。冒頭も月の兎が凶悪な姿で描かれており、月と土井先生の過去にどういう繋がりがあるのか明確に描写されないのが気になったかな。

また満月と稗田八方斎の頭という、光と光が反射するものが重なる場所に落ちたことにより、過去の人格のようなものが出てしまった、という見せ方も気にかかる。一種の呪いのようなものなんでしょうが、光とそれを反射するもののその重なりが何を意味するのかが気になったかなと。円の重なり(縁の重なり)という意味合いだったのかなーとか。

最後に記憶取り戻すときはきり丸の潤んだ2つの瞳があったことを思うと、重なってしまった光が、きり丸の瞳の光によって分離させられた、というか頭を打ったことではなく、重なった光を見てしまったことで天鬼となってしまったが、2つに分かれた光を見たことで元の土井先生に戻った、という意味合いだったのかなと感じたかな。乱太郎の描写の中でも瞳に光が宿る描写とか、そういう部分を小出しに見せていたので、目の描写には何かこだわりをもっていそうな演出が多かったため、最後はその部分を繋げたのかなという印象でした。

過去のきり丸が雪が降る寒空の下で空を見上げた時に主題歌のイントロが一瞬流れますが、あれもどういう描写だったのかちょっと引っかかる感じでしたね。そのあとにすぐ助けた土井先生と学校に戻る姿を見せながら主題歌がかかりますが、その前置きの描写としてしても唐突だったので、意図的な引っかかりを作っているのが気になりました。寒空の下にいたきり丸も、未来では仲間に囲まれた生活ができているという予感の挿入、だったのかな。ちょっと読み切れない感じでした。

しかし久々に忍たまを見ましたが、結構知らないキャラが多くてびっくりしたな。雑渡昆奈門とか忍たまにしては真面目な強キャラ感があり新鮮でした。バトル描写も天地を横にした描写で人体をすべて入れてアクションの重力の方向性を意図して変えて見たりとか、バトル描写も新鮮で良かったな。

忍たま自体は放映が始まったころから2000年ぐらいまではちゃんと見ていましたが、すでに24年前なので長期のシリーズになったなという感慨深さが少しありました。土井先生は昔からかっこいいのにあまり目立った活躍をしないような、その実力は如何程なのかとか気になっていましたが、その一端が見れたのがよかったかな。もっとハードな描写のシン・忍たま乱太郎、または忍たまの謎、が出る日も近いのかもしれない、のかな?

お約束的な描写も角度を変えて見せたりと従来通りの見せ方がメインであり、見ていて楽しい作品でもあったので、また劇場版作品が出たら見に行きたいところです。

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