ばあやの のんび~り日記  

還暦をむかえてからパソコンの勉強を始めて
傘寿も越えてしまいました。
いつまでパソコンできるやら・・・

ひとりは、さみしかよ~

2014年08月02日 | ばあやの本棚

8月になりました。まもなくお盆をむかえます。

 

   母の従妹にあたるキンちゃんは
  84才になり、ことしは年女
  名前は ”絹子”さん
  

  わたしの母は、 いつも ”キンちゃん” と
  呼んでいたから、わたしもそのまま
  ”キンちゃん”で親しんでいる。   

  じいやは、”キンちゃん”を連発する私に
  こう言ったものだ。
  「”キンちゃん”って、男の人じゃろ?」
  「ちがうよ~ れっきとした女性です!」

  おなじみの爆笑コンビだった 
  かっての ”コント55号” 萩本欽一さんから
  連想していたらしい。



思わず吹き出してしまった。
こどものころから、仲良くて一緒に成長したようなものだったので
キンちゃんは、わたしにとっては姉のような存在であった。
年の差9才でも・・・

 

 去る7月18日のお昼過ぎ、その夫であるAさんの訃報の知らせがあった。

お通夜と、もちろん葬儀に参列した。
斎場でのキンちゃんは、見まちがえたかと思うほどにやつれはて、涙があふれた。
杖を片手に、硬い椅子に腰をおろしたキンちゃんは
おとずれた通夜の客に深く頭をさげていた。
ひとり娘夫婦に脇を支えられた姿・・・
さらに涙をさそった。

一礼して、きんちゃんのまえに膝をつき、そっと手をにぎりしめた。
「ゆみさんたち(長女夫婦)がいるから、だいじょうぶよ」
「うん、うん」と小さな声でうなづくキンちゃんの姿・・・

初七日がすぎたころ、キンちゃんの家に行ってみた。

チャイムをおしてしばらく待ったころに、杖にすがったキンちゃんの姿がみえた。
「あ、杏子ちゃん・・・ネ」少しだけ笑った。

仏間には、真新しい祭壇に笑顔の夫、Aさんの写真があった。

「ひとりはさみしかよ・・・」
キンちゃんの声が背に聞こえた。 

コメント (10)
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