わたしはそっと右手にふれた・・・はじめてふれた手は 暖かい、ぬくもりがあった
しかし、握り締めても反応はなかった 細くて やわらかい手・・・
涙があふれて・・・と、動いた すこしだけ目が 瞼が少しだけ 見開かれたような気がした
三人 目をあわせてうなずいた ・・・左目頭にうすい涙が キラリと
「わかったようですよ」と 奥様がうれしそうにつぶやかれた
「心配すんな、俺はまっとるけんね、S・・・」
そして 四月三日、夫の無二の友 S君は とうとう一人で逝ってしまった。
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四月五日、清く晴れ渡った青空のもとへ
ハラハラと 風もないのに散りゆく さくらのはなびらを お伴に静かにゆっくりと旅立って逝きました。
享年七十一才、 S君よ 永久に さようなら・・・
・・・五年間の厳しい闘病生活、病名もよく分からず また治療法も見つからないまま
もと看護師だった奥さまの手厚い看病と 子どもたち、 孫三人
そして周りの方々のやさしい慰めの中で S君は 与えられた命を完全燃焼してお星様になりました。
残されたご家族様のお幸せを祈りながら…
わたしたちは 安らかにお休みなさいと 手をあわせるばかりです。
ひとりで夜空を、星は見えませんが 明るい月の夜でした・・・