hokutoのきまぐれ散歩

ブログも12年目、4000日に到達。ネタ探しはきついけどまだまだ毎日更新を続けるつもりです。

象潟(秋田県にかほ市)

2014-06-16 05:05:00 | 日記
『日本の風景再発見』シリーズ その6。今回は秋田県にかほ市にある象潟を取り上げる。まず、『にかほ市』であるが、あまり馴染みのない名前かも知れない。にかほ市は平成17年10月にいわゆる平成の大合併によって出来た市でそれまでは仁賀保街、象潟町、金浦町の3町であった。位置は秋田県では最南端の海岸沿いの市である。象潟を『きさかた』と読むことができる人は中学時代や高校時代に芭蕉をよく勉強した人だと思う。というのは松尾芭蕉が奥の細道を書いた1869年当時は太平洋側の松島と並ぶ風光明媚な場所であり、『松島は笑うがごとく、象潟は憾む(うらむ)が如し』と書いていり、『象潟や雨に西施がねぶの花』と詠んでいる。ちなみに『西施』は中国の伝説的な女性で紀元前5世紀、春秋時代の人、『ねぶの花』はネムノキの薄ピンクに咲く儚い花のことである。


この部分を読んで2006年に奥の細道の有名な場所『松島』『平泉』『尿前の関』『最上川』などを巡り、また佐渡に行った際に『出雲崎』には立ち寄ったが、なかなか象潟には行く機会がなかった。ちょうど『きらきらうえつ』で北上した機会を捉えて訪問したもの。元々は鳥海山が噴火して、発生した小規模な山岳崩壊による流れ山が日本会に流れ込み、浅い海と多くの小さい小島を作った。そして小さな小島には松が生い茂り、松島のような(同じではないかもしれないが)地形を作った。江戸時代までは名所として有名だったが、1804年の象潟地震で改訂が隆起し、陸地化した。その後干拓により平地は水田化されて、すべてが水田化されようとしたが地元の寺の住職が保存運動を行い、今の姿にとどめたものである。

そのため、今も102の小島(のあとで小高い部分)が点在しており、水田の中に小高い場所が有り、そこに松が生える独特な風景となっている。
行った当時は夏のさなかで鳥海山、海には遠く飛島が見えるものの地表では水田の中にこんもり丘のある田舎という感じだった。しかし、素晴らしい風景は道の駅『ねむの丘』の展望塔から眺めるよくわかる。確かに松を頂いた島が点在するのがよくわかる。そして係りの人に聞くと年に一回だけ田んぼに水を入れて田植えをする頃だけ昔の風景を彷彿させる水の中に小島が点在するようにみえるとの話を聞いた。この風景を残した住職に感謝するとともに、田植えの時期に再訪してみたいものだ。